4.帰り道
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「あーーー けっきょくみつかんなかった・・・」
帰り道、天子がふたたび元気をなくす。
「天子、帰ったら家のなかもさがしてみたら?」
「うん・・・じゃあね、雅・・」
「バイバイ、天子」
2人はそうやって静かにわかれた。
「・・・・・・はぁ・・このままみつからなかったら、どうしよぅ・・・」
天子は1人でブツブツ・・・。
「よぉ、1人?」
「・・・・・・・は?」
とつぜんうしろから声をかけられ、天子がふりむくと、そこには・・・・
「水月聖夜ッ!?」
・・がいた。
「・・・・・・なんでフルネーム?」
「・・・なんとなく?」
そんな短い会話をしながら、2人はいつの間にかならんで歩いていた。
「ふーん・・・ じゃあ "聖夜" 」
「・・・え?」
聖夜の言葉の意味がわからず、天子はききかえした。
「 聖夜でいい 」
「えっ う・うん・・」
しーーーーーん・・・
会話終了。
(え~っと・・ こーゆーときって 男のコなにはなすの!? う゛ー・・)
天子の頭がぐるぐるまわる・・・
「・・・・・ん? てゆーかどこまでついてくるの!?」
天子はハッとして口をひらいた。
「はぁ? オレんちこっちだしー」
・・・という間に、天子の家の前。
すると、聖夜は
「じゃーまたなー」
と言って、天子のとなりの家に入っていく・・・。
「ま・まって!」
天子は聖夜をひきとめた。
「あ、あのっ・・・となり、いつから?」
「 ? ・・きのう引っ越してきたぜ? 学校は前とかわってねーけど。
でも まさか おまえんちのとなりとはなー 」
(し・知らなかった・・・ ん? ・・とゆーことはっ!!
あたしってば、流衣くんとも "おとなりサン" ってことじゃんッッ///)
天子がそんなことを考えていると、
「・・あっ! そーいえば・・・・・」
そう言いかけて、聖夜は天子のほうに駆けもどってきた。
「ひゃっ・・・!?」
天子は、おもわず目をつぶった。
聖夜の冷たくひえた手が、天子の髪をかきわけ、首にあたる・・。
天子の顔は、真っ赤。
(なっ・なに!? なにする気ッッ!!?///)
天子は、目をさっきよりも強くギュッとつぶり、息までとめていた。
「・・・・・・・ホラ、できた☆」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え? 」
天子が目をあけると、首には、あのリングのネックレスが。
「それ、おまえんだろ?」
「えッ!? コレ・・どこで?」
天子は、おどろきのあまり、目を見開く。
「おまえが木からおちてきたあと、あのへんにおちてたんだよ。」
「・・そーだったんだ! ありがとぉ~!!」
ニッコリ笑ってそう言った天子に、聖夜はドキッ。
「・・・つーかナニ赤くなってんだよ! ヘンな想像したろっ」
聖夜はすぐにプイッとして言った。
「なっ・・/// そんなことないもんっ いじわる!!」
天子は顔を赤くして、家の中へ駆け込んだ。
・・バタン!
「・・・・・・・あたし・・・どうしちゃったんだろぅ・・・
まだドキドキしてる・・・」