1.プロローグ ~星のキレイな一夜~
・・・どうして?
おとーさん おかーさん
てんをおいて どこにいっちゃったの?
てんをひとりぼっちにしないで・・・・・・
「ふぎゃっ」
ドンッ!両親のおつやをぬけだしてきた天子が、何かにぶつかった。
「うわぁっ!? いってーな!!」
うしろからいきなりぶつかられてふりむいたのは・・・
天子と同じ6歳くらいの男のコ。
「お・・おとーさんとおかーさんが・・し・・しんじゃった・・・きょうは・・
て・・てんの おたんじょうびなのに・・・」
「・・・誕生日おめでとう」
男のコは天子に言った。
「 え 」
「プレゼントあげるからなくなよ」
そう言って、おどろく天子のくちびるにそっとキスをした。
天子はますますおどろく。
男のコは、自分がつけていたリングのネックレスを外し、黒と白の2つあるリングの、
黒のほうをネックレスのチェーンからぬいて、自分の左手の親指につけた。
そして、のこった白いリングのネックレスを、天子の首につけてあげた。
「きれー・・・」
天子は、自分の首にかかったネックレスのリングを手にのせて、じぃっとみつめた。
「お父さんとお母さんは今日から天国できみをみてるんだよ」
「ほんとう?」
「うん ずっとみてるよ。だから、もう泣いてる顔みせちゃダメだよ」
男のコがそう言って走り去ろうとすると、
「ま・まって!」
と、天子がひきとめた。
ポトッ・・
その勢いで、天子の髪をむすんでいたリボンがほどけて芝生の地面におちた。
男のコはリボンをひろって天子にさしだした。
「プレゼントありがとう。そのリボンあげるっ」
天子は男のコの顔を見てニッコリわらった。
男のコは、天子にやさしく笑いかけて、走って行った。
「・・おとーさん おかーさん・・てん もうなかないよ」
天子が空にむかってそう言ったとき、小さな星が1つひかった。
-------------------------------------------------あれから、7年・・・・