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雀虫

作者: 鳥丸唯史

<雀虫>


薄雲と山の狭間から 緑の笛の音通る

鳴る山彦かと振り向いた 何かの魂拾った


朧気な御霊(みたま)に 枯れ()む彼岸花 揺れながら石積み上げる

河川沿いに渡る (あかり)の弱さを 遠目で流した暁に


黄泉の波が足にかかる 日を待ち焦がれる程に

望み絶ったなら真っ白くなればいいのだろう


その眼でどこまで見渡せるのか 碧落の(くに) 霧隠れ

暮らしはいつか変わり合って いえ あなただけ歩む


吐息が遥か遠く あなたの(てのひら)に 粉雪となり降ればいいと

度重なる想い 越えられない轍だ 氷輪を指でなぞり払い


日は暮れた明日は近いか 宵闇の(しし)伝えども

千まで謳い切るまで終わりは来ない


雀虫が鳴く リンリイと鳴く 木の葉が横を掠める

土になる魂 恵みを捧げよう あるべき()の中の一握り


黄泉の波奴を呑み込んだ 先に早く終わり始まる

獣はまだ千まで謳えない また明日が来る

震わせながら謳う 雀虫はあの山に

確かにいた 聞こえていた 懐かしい緑に

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