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DTのまま40を超えた僕が魔法使いから○○になった話  作者: 矢車 兎月(矢の字)
第三章

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従魔登録ができました

 僕の横で亜人姿のオロチが大きな樽をひとつ抱えてルンルンで歩いている。樽の中身はもちろん酒で、それを受け取ったオロチはそれをすぐにでも飲みたそうにしていたけれど「飲むのは家に帰ってから」と僕が止めた。

 ちなみに今回受け取った酒はオロチが担いでいる一樽と僕のマジックバッグに収められた五樽だけ。これは僕がお願いして支部長さんにそうしてもらった。言うならば分割払いだ。

 僕がそんな受け取り方をお願いしたのには訳がある、理由は単純明快で一度に全部受け取ってしまったらオロチは一瞬でそれを全て飲みつくしてしまいそうだから、である。

 その酒はオロチが自分の鱗を提供して手に入れた酒なので本来なら僕がとやかく言える権利はないのだけど、このままでは立派なアル中ドラゴンになってしまうのではないかという危惧から踏み切った僕の決断。幸いな事に現在オロチは自分の鱗の価値を理解していないので、その樽数でも十分満足そうでホッとしている。

 従魔師ギルドとしても一度に何百樽と準備する事を考えると分割払いの方が助かるとの事だったので、しばらくはこの形で酒の取引させて貰おうと思っている。

 酒を受け取ったらもうここに用はないとばかりに家に帰りたがったオロチだけれど、僕達はもう一度冒険者ギルドへと足を向けた。だってまだオロチの従魔登録は済んでいないからね。

 僕達が冒険者ギルドへと戻るとギルド内は騒然としていた。ギルドの端の方に何やら人だかりが出来ていて、人々が口々に「これがリヴァイアサンの……」「いや、流石に偽物だろう?」等と囁き合う声が聞こえてきて、恐らく鞄がいっぱいだと言っていたアランがリヴァイアサンの素材を放出したのだろうなと理解した。


「こんな素晴らしい品の数々! ええ、ええ、勿論引き取らせていただきますよ!」


 テンションMAXのギルドマスターの声が人だかりの向こうから聞こえてきて僕は苦笑した。あの商売人顔負けのギルドマスターなら、そりゃあ買わないという選択肢はないだろうからな。

 僕達は人だかりの後ろの方から向こう側を覗き込む。すると、目敏く僕を見付けたルーファウスがこちらへとやってきた。


「なんだか大変な事になってますね」

「これでもアランの分だけなのですけどね。タケルは買取どうしますか?」


 そんなルーファウスの問いに、僕とロイドは従魔師ギルドの方でいくらか引き取ってもらった事を告げ、今はいいですと断った。


「それで提出書類は手に入りましたか?」

「はい! というか、実は書類いらなかったみたいなんですけどね」


 僕が従魔師ギルドで告げられた諸々を話すと「そんな重要な話をし忘れるなんて職務怠慢もいい所ですね」と、ルーファウスは呆れていた。

 僕は改めて受付職員の元へ歩み寄り「従魔登録をお願いします」と渡され記入済みの書類、冒険者ギルドカード、それに従魔師ギルドの職員証を提示した。

 受付の職員は先程の人と変わらない、けれどその職員は僕が受付の前に立つとびくりと身を竦ませ「先程は大変失礼を致しました!!」と頭を下げられた。


「まさか坊ちゃんが現在ダンジョンの最下層まで潜っているパーティの一員である事も理解せず、大変失礼な態度を!」

「あ~ははは、もういいですよ。これで従魔登録出来ますか? 何なら提出書類も持ってきましたけど」


 僕は先程のオロチの採寸結果の書類も出そうかと思ったのだが「結構です! 大丈夫です! すぐに受け付けますんで!!!」と、最速で手続きをしてもらえた。これでオロチの従魔登録は完了だ、よし。

 それにしても職員の掌返しが凄かったな。

 いや、でもまぁ、目の前にこんなリヴァイアサンの素材積み上げられちゃあ、信じざるを得ないか。


『よし、主、手続きは済んだようだな、帰るぞ!』


 酒樽を担いだオロチは相変らず上機嫌で、そんなオロチを周りの冒険者は好奇の眼差しで見つめている。なんか滅茶苦茶目立ってるな……

 案の定というか何というか、大量のリヴァイアサン素材の査定には時間がかかるらしく、アランはその報酬を後日受け取る事にしたようで僕達はその後はそのまま家路についた。

 久々に家に帰ったその夜はオロチの酒でアランとオロチは大盛り上がり、その一方で僕は自分の部屋にあの不思議な部屋から拝借してきた猫足のバスタブを設置した。

 この世界には水道工事なんてそんなものは存在しない、魔石付きの蛇口は既に付いていて、お湯はそこから自動的に出てくるのだ。

 排水はバスタブ底の穴からされるのだが、バスタブの外側に穴は開いていない。その穴が何処に繋がっているのか全く分からないのだが、バスタブ自体が魔法道具マジックアイテムのような物なので深く考えるのは止める。このバスタブさえ持ち歩けばこれからは何処に居ても風呂に入れる、最高かよ!

 僕は服を脱いで、お湯の張られた湯船につかった。

 ああ、コレだよコレ! スパも悪くはなかったけれど、あれは完全に温水プールで風呂じゃない、やはり風呂はこうでなくては。これで入浴剤なんかもあったらな、今度アロマオイルでも垂らしてみようかなんて考えつつ肩まで湯につかって瞳を閉じる。お風呂、最高……

 癒しのお風呂に、ふかふかのベッド、その日の僕は朝まで爆睡したのは言うまでもない。



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