第22話 親友(とも)の魂
フローティアファンには申し訳ない()
そういう展開です。
更新できなかったのは、文が纏まらなかったためです、すみません(ペコリ)
ガチ重展開、ご容赦を。
フローティアの名を叫ぶザプリェット。
しかし彼女の眼前にはテロリスト達が。
チゾラは魔法陣をザプリェットに向かって構えた。
「……まだ小娘が中に居たか……」
応戦したいザプリェットだったが、今はフローティアが優先だった。
ザプリェットは魔法でチゾラの魔法を弾き、フローティアを抱えてスタジアムの中へと避難していった。
(とにかくフローティアを……!! なんとかしないと!!)
ザプリェットはとにかくフローティアを助けないといけない、その一心だった。
しかし無情なことに、フローティアの傷の深さは尋常ではなかった。
今にも内臓が飛び出んばかりに深く、輸血をしなければ、傷跡を塞がなければ助かる見込みはなかった。
だがザプリェットにはこれを治す手段はなかった。
「魂の贈与」も自分以外に使ったことはなく、そもそも「魂の操作」は他人に対して使うものではない。
しかし苦しんでいる親友を助けたい、その気持ちは変わらなかった。
ザプリェットにとって初めての友人であり、最大の理解者であるフローティアを失うわけにはいかなかった。
フローティアは苦悶の表情を浮かべ、息も荒い。
どうすれば……決断の時を迫られるザプリェット、ここでフローティアがゆっくりと目を開けた。
「あ………あれ………?? ザ……ザプちゃん………??」
「フローティア……!? だ、大丈夫……!?」
ザプリェットの顔が明らかに引き攣っている。
今にも死にそうなフローティアを見て、安堵の表情を浮かべることができなかった。
フローティアは案の定、力無く首を横に振った。
「大丈夫………じゃない、よ………苦しい、けど………痛く、ない………」
薄く笑うフローティアに、ザプリェットは無力感を覚えた。
どうしようもない、フローティアがザプリェットにそう訴えかけているように。
「や、やめてよ……そういうこと、言うの………」
振り絞る声が、涙声になるザプリェット。
フローティアも、声を振り絞った。
「自分でも……わか、るよ………助……からないのは……」
それでもって、死力を搾りに搾り取って声を出すフローティアは、ザプリェットにこう話した。
「だから……ザプ、ちゃん…………私の、魂…………もら、って………?」
「ま、待って、フローティア………アンタ、何言って_______」
突然のフローティアの提案に、驚きを隠せなかったザプリェット。
魂をフローティアから抜く=死を意味するからだ。
幾らもう、フローティアが死ぬとはいえ、親友の魂を抜く道理はザプリェットには無かった。
大切にしていた親友を、この手に掛けることになるのだから。
「おね………がい………ザプちゃんと、ずっと………友達でいたいから………」
ザプリェットの右手に手を添え、フローティアはザプリェットに訴えかける。
ザプリェットは出来ないと首を振った。
ザプリェットの目から、自然と涙が溢れ出していた。
フローティアの言っていることも理解できなくはない、だがどうしても親友としての想いが葛藤と交錯して躊躇してしまっていた。
フローティアは、優しく笑った。
「私………嬉し、かったんだ………ザプちゃんが……初めての友達で……さ………? だから………私のこと、忘れないで………欲しい……から………」
「フローティア…………」
「私は………ザプちゃんが、一番強い魔法師だって、信じてる………ザプちゃん、ならさ………絶対に、『世界最強』になれるって……信じてる………だから………ずっと、一緒にいるよ………? 私は………優しい、今のザプちゃんが………大、好き………だから………私の分、託、させて………?」
フローティアの言葉に、心が揺れ動くザプリェット。
しかし、脳裏に過ってくるのはフローティアに致命傷を与えた白髪の男の顔が。
悲しみと同時に怒りと憎しみが溢れてくる。
ザプリェットは、フローティアのこの想いを受け取ることを決意した。
助かる見込みがないなら、という苦渋の選択だった。
ザプリェットは涙を拭い、「魂喰い」の魔法陣を生成した。
「…………分かった………私も、フローティアを………絶対忘れない………」
「うん………ありがと、ザプちゃん………」
「…………『魂喰い』………!!」
フローティアの魂が、ザプリェットの中に入っていく。
魂が全て吸収された後、フローティアは力が抜けたような顔を浮かべた。
そして。
スルッ…………と、手がザプリェットの手から抜け落ちた。
豆腐を切るかのように、ストンと、フローティアの手が地面に落ちた。
冷たくなった親友の温もり………だがザプリェットはそれを見届けた後、据わった目で立ち上がった。
(フローティア………あとは任せて………)
泣くのは後、と言わんばかりにザプリェットは戦場へと戻っていった。
「やっと出てきたか、小娘が……」
チゾラが魔法陣を生成し、ザプリェットに解き放とうとした。
だが、部下が異変に気付いたのか、チゾラにこう進言する。
「チ、チゾラさん!! 早く離れてください!! あのガキ……!! 様子が………!!」
なんとかチゾラに攻撃を躊躇するよう諌める。
だがしかし、その進言はもう遅かった。
その時ザプリェットの目から怒りが迸った。
「よくも…………!!!!」
ザプリェットが魔法陣をテロリスト達の足元に作り出す。
そして。
「よくも私の友達を殺したなァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!」
ザプリェットは怒りのまま、「魂の放出」を火柱状に解き放った。
更にザプリェットは、憎しみのまま唸り声を挙げている。
まるで獰猛な獣が如く。
後退したチゾラが魔法を放とうとしたが、ザプリェットはお構いなしに一瞬で間合いを詰めた。
「クッ………!! 速い……!!」
チゾラがまたバックステップで下がろうとした。
だがザプリェットはチゾラの首を鷲掴みにし、握りつぶす。
「ぐっ………!! ぐぉっ………!!」
ザプリェットの前腕に吉川線が付くほどの強烈な締めだった。
もがくチゾラに対して、ザプリェットは魔法を解き放った。
「『魂喰い』…………」
フローティアの時とは比べ物にならないくらいの速度で、チゾラの魂は瞬時に抜き取られた。
冷酷無比と化したザプリェットは、最早誰にも止めることは出来なかった。
(全員殺す………!! 私の友達を奪った………!! コイツら全員!!)
怒りで我を忘れるほどの強い憎しみ、殺意、そして悲しみを抱いていたザプリェットを止められるのは最早テロリスト内にはいるはずもなかった。
殺意を醸し出すザプリェットはこのまま孤軍奮闘を続けていくのであった。
次回は無双回。
フロイドがサポートに入りますが、彼は彼女のストッパー的役割です。




