第21話 「死の道」への選択
ここ2話は、皆さん絶対に唖然とすると思います。
考えた俺ですら鬼畜だろ、と思うほどに。
フローティアは、逃げ遅れた観客を逃がすために会場内を奔走した。
テロリスト集団はあらかた殲滅されたようではあったが、いずれにせよ怪我人は尋常ではない。
そして取り残された者もいた。
フローティアは彼らを連れて、脱出までの糸口を探しに行った。
魔法により、建物が抉れる音が聞こえる。
フローティアは恐怖心を押し殺しながら、先へと進んでいった。
なんとか数十人を連れて外を出ると____
「な……なんで……ここまで……!?」
テロリストに囲まれてしまっていた。
待ち構えられていたかのように。
しかももう、彼らは魔法陣を構えている。
殺意増し増しである。
(くっ……!! なんとか逃がすしか……!!)
フローティアは「舜天夢双」をスタジアムを囲むように張り、とにかく客を逃がそうと試みた。
魔法攻撃は何とか防ぐものの、安全がキチンと確認できるまでは解除することはできない。
それにザプリェットの行方も未だ知らない以上、フローティアはその場を離れるわけにはいかなかった。
「チッ……!! このメスガキの魔法、固えぞ!!」
男の声が聞こえる。
とにかく逃げる客を注視しなければいけないフローティアは、魔法を解けない。
だが魔法を喰らい続けたことで手に痺れが襲ってきた。
正直に言って限界は近い。
しかし攻撃手段がないフローティアには守る以外の選択肢は無いに等しかった。
ザプリェットは必ず来る、そう信じて結界を張り続ける。
結界を破れずに苦戦するテロリスト達、そこに現れたのは。
「この程度の魔法をも破れないのか? 貴様らは。」
白髪の長身の男が姿を現した。
「チ……チゾラさん!!」
「どれ……私が破ってみせよう……」
チゾラはそう言って、フローティアに向けて魔法陣を放とうとした。
一方、ザプリェットは。
(一通り逃し終えたしテロリストもあらかた倒した……けどまだ逃がせてない人もいるはずだし……ラチェーカも回復してるはず、とりあえずは全員助けられるかな……でもフローティアも気になるし……)
色々なことを考えながらザプリェットは医務室へと戻って行った。
戻るとラチェーカは身体を起こしていた。
「……ありがとね、ザプリェット。もう十分よ。立って歩ける。」
「……ならいいけど。とにかくテロリスト達が多すぎるから……気をつけてよ?」
「……ザプリェット、ここは二手に分かれましょう。その方が助かる確率は上がるわ。」
「……同じことを考えてた。それじゃ。」
ザプリェットとラチェーカは別れ、2人は脱出を図るのであった。
そしてまた一方。
(ヤバいやつが来た!! ヤバいやつが……!! どうしよう、他にも逃げ切れてない人もいるのに……!!)
だがやるしか無い、そう判断して一度魔力を解除して再度「舜天夢双」を展開する。
しかしチゾラは、余裕の笑みを浮かべている。
「……その程度の魔法でどうにか出来るというのかね? 小娘……風魔法『突風撃閃』。」
フローティアは魔力を高めて止めるが、威力が強過ぎた。
「舜天夢双」にヒビが入り、呆気なく破られてしまった。
そして。
ザクン!!!!!!!
フローティアの腹を、チゾラの魔法が思い切り抉った。
フローティアは吐血をし、腹部を抑えながらヨロヨロと後退し、膝を突いて倒れ込んだ。
そしてそれと同時に、運が悪く(?)ザプリェットが到着した。
彼女は見てしまった。
信じたくない光景を。
親友が蹲って倒れている、その姿を。
「フローティア………!! フローティアァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」
ザプリェットの枯れるくらいの悲鳴が、スタジアムの外に大きく響き渡ったのであった………………
次回の方が唖然とするかもしれない。
裏テーマが「生と死」なんで、そこの部分を書ければいいかな、と思います。
だとしても俺のメンタルが保つかどうかやな、これ……。。




