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第17話 「ここから第2ラウンドだ」

そんなに長くはやらない。

ただし、濃くやるのは変わらず。

 上等、と意気込んだはいいものの、ラチェーカは攻撃の切り札を完全に、早い段階でザプリェットに見切られてしまい、攻め手がなくなってしまっていた。


(参ったな……完全に攻めるとっかかりを失くした……同じ手はザプリェットには通じないし、アイツは戦い方を知っている……だったらカウンター狙いに切り替えるしか……)


ラチェーカの攻撃の手が止む。


だがザプリェットは容赦をするようなことは一切なく、魔法弾を仕掛けてきた。


「ホラホラ、攻撃が止んでるよ? さっきの勢いはどうしたの?」


お構いなしに魔法を飛ばしながら煽るザプリェットだったが、ラチェーカはそれには付き合わず。


何かを測っているようにも見えた。


しかしザプリェットはこれまでの鬱憤を晴らすかの如く、ラチェーカに攻撃を仕掛け、それはどんどん威力が上がってきている。


これでもまだ、ザプリェットは本気ではないのだが。


ラチェーカはジリジリと退がらされていくが、喰らいながらもラチェーカは耐えていく。


ザプリェットの攻撃の隙間に水魔法を叩き込んでいくが、ザプリェットにダメージは見受けられない。


そしてラチェーカのカウンターのタイミングをも、ザプリェットは食らっていく中で見抜いていた。


(明らかに()()()()()()()()()()な……だったら少しリズム変えよう。それで一気に決めさせてもらいますか……)


ザプリェットは大きめの魔法陣を作り、放射する。


ラチェーカは躱して氷魔法を放とうとしたが、今度は小さい無属性弾を食らっていく。


意表を突かれる格好になったラチェーカ、放った氷魔法もアッサリと避けられ、しかもザプリェットに躱されたと同時にまた、小さい魔法を顔面に喰らって鼻骨に直撃して鼻血を吹き出した。


思わず鼻を抑えたラチェーカ、しかしザプリェットは一気に決めようと3連続で特大無属性弾を生成した。


「これで決めさせてもらうよ、ラチェーカ!!」


「このっ……!! 私だって!! 3連続……!! 『氷の雉(アイスファルコ)』!!!」


ラチェーカもタダでは終わるまいと、氷の鳥を3羽生成した。


ラチェーカはザプリェットの魔法を撃ち落とすべく解き放った。


だが、当のザプリェットは余裕だった。


魔法陣が光り輝くと同時に、魔法は威力を強めて発射された。


その弾は瞬く間にラチェーカの氷の雉を難なく破壊し、ラチェーカをその勢いのまま飲み込んだのであった。





 ラチェーカが仰向けに寝転がるような格好でダウンを奪ったザプリェットなのであった。


カウントと共に、歓声は響めきに変わる。


ラチェーカをも、今年の首席をも呑み込むのか、と。


しかし、ラチェーカは7のカウントで身体を起こし、8で立ち上がった。


脚はフラついているものの、闘志だけは死んでいない。


「まだ………終わってない………!!」


ザプリェットはそう呟き、レフェリーに続行を要請した。


レフェリーがこれに頷いて試合が再開された。


ラチェーカはこれと同時に、光属性の弾をザプリェットに放った。


意表を突かれる格好になったが、ザプリェットはこれを瞬時に体の捻りだけで躱した。


「……まだ戦う気なんだね、ラチェーカ……」


ザプリェットは淡々としていたが、内心で関心していた。


差を見せつけられてもなお、ここまで立ち向かって来るのか、と。


「確かにアンタは強い……!! だけどこのまま終わるような女じゃないわ、私は………!!」


これにザプリェットは薄く笑った。


そして右の腕輪に手を掛ける。


「それじゃ………そんなアンタに敬意を表して……こっちも本気で行かせてもらうよ……一思いに、私には絶対勝てない、そう思わさせるためにね!!!」


ザプリェットは装具を外し、「魂の操作(ソウルコンバーション)」を解放し、本気モードになった。


「ここから第2ラウンドだよ……全力でアンタを潰してやるから掛かってきな、ラチェーカ!」


「最後に笑うのは私だ……!! 遠慮なく、行かせてもらうわよ!!」


女同士の意地の張り合いが、会場を熱気の渦に包んでいく。


決着まではそう遠くないように思えたのであった。

次回はザプリェットの本領を発揮させたいと思います。

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