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第11話 ザプリェットの1日

完全な日常回なんで、まったりと書かせてもらいます。

 実家に帰ってきたザプリェットは、家で静かに過ごす。


久しぶりの実家だ、ゆっくりと寛ぐ時間はザプリェットには欲しい。


カチュアは学校のことをザプリェットに聞いてくるのだが。


ザプリェットはザプリェットなりに楽しんでやっている、というのは伝えた。


まあ……それでもカチュアはいつものように小言を言ってくるのだが、ザプリェットはこういう時に対してのスルースキルは身に付いていたりもする。


カチュアもカチュアで、母として娘のことを心配しているのだろうが、少々心配性気味なのは否めない。


そんなこんなで実家に帰って来たザプリェットとはいえ、やることが全くといっていいほどないのも事実だった。


そんなザプリェットを見越して、カチュアはこんなことを言ってきた。


「ねえザプリェット。どうせお友達とも会えないんだからさ、母さんのお店でアルバイトする?」


「……まあ、いいよ? 暇だし。」


ザプリェットは二つ返事でこれを承諾した。


「決まりね。じゃあ明日、早起きしなよ?」


「分かってるって。」


というわけで、短期バイトを実家に帰ってすることになったザプリェットだった。





 翌朝。


魚市場でザプリェットは、朝獲れた魚の下処理を完璧にこなしていく。


大型の魚を、目をフックに貫通させて吊るしたり、という作業も華奢な少女とは思えないほど淡々と、平気で男勝りに仕事をしていくので、関心を寄せられていた。


「いやー、ザプリェットちゃん、いい仕事っぷりだねえ! 助かるよ、俺も腰をやっちまってるからな、カチュアさんに頼んどいてよかったぜ、マジで!」


「ありがとうございます。」


どうやら市場の店主も若い力が欲しかったようで、ザプリェットの仕事っぷりには目を見張るものがあったようだ。


ザプリェットは開店まで約二百匹もの魚の下処理を終えて、朝の接客を行うことになった。


ザプリェットはあまりこういうのは得意な部類ではないのだが、それでも普段は出さない大声で接客をしていき、ザプリェットの端正な顔立ちも相まったのか魚がどんどん売れていく。


正午になる頃には半分以上が売れて、ザプリェットとカチュアはシフト上がりをしていったのであった。





 さて、自宅で昼食を済ませて夕方5時。


カチュアの経営するスナックで、ザプリェットは裏方の、おつまみを作る役割を頼まれた。


このスナックの人気メニューは、「巻貝の酒蒸し」。


カチュア流はテキーラとウオッカの割合が5:5の比率で入れていくのである。


ザプリェットも好きな味なので、自らも貝を買って作ることもあり、ザプリェットの得意料理の一つである。


カチュアは客を相手に酒を呑みながらトークを交わしていくが、ザプリェットのことを話しているのはザプリェット本人は知る由もない。


カチュアもなんだかんだで娘のことを愛している、というのはあるのだろうが、それにしても酒が入っている補正はあるにしろ、親バカもいいところだ。


それもそうだ、()()()()()9年前からザプリェットを育ててきたのだ、思い入れも深い。


なんだかんだで時間はあっという間に過ぎて、ザプリェットは給金をゲットした。


その後もザプリェットは2週間アルバイトを続けていき、それなりに給金を稼ぎ、嫌だったはずの帰省をもなんだかんだで楽しんでいったのであった。




9月の「魔闘演舞(ヴァルプルギス)」に向けて、心身共に充実したザプリェット、本番の新人部門での優勝も視界良し、の状態で夏休み明けを迎えることになるのである。

次回も日常回。

夏休み明け初日を書きたいと思ってます。

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