第10話 夏休みの思い出は、少しほろ苦く
フローティアがお色気担当になりつつある、と書いていて気付いたwwww
ザプリェットは、湖に勢いよく飛び込んで潜水をした。
全てはフローティアの水着を取り戻すために。
(ルカイバ湖は確か165キロだったはず……それでいて水深はそこまで深いわけじゃないから潜っていけば取れると思うんだけど、だとしても長いな……)
精霊を頼りにして進んではいくものの、案外奥まで進んでいたが故、泳ぐ距離も必然と長くなった。
(まいったな……水を吸ってるし、花柄だから見えづらい……綺麗なのがまだ救いといったところだけど……早めにやらないと日が暮れるし、流石に私の脚が保たないからな……)
ザプリェットはセーブ気味に泳ぎながらも、スピード感のある潜水で着実にフローティアの水着にまで迫っていた。
数分後、漸く水着を見つけた。
ザプリェットは大きく深呼吸をし、いくぞとばかりに湖に潜っていった。
水の影響力を少なくし、まるでイルカのようにグングン進んでいくザプリェット。
あと少し、というところまで来たザプリェットだったが、ここで予想外の事態が。
ビキィン!! という痛みと共に、左脚の筋肉が痙攣した。
これでは泳ぐどころの話ではない。
だがもう少しなのだ。
ザプリェットは諦めるわけにはいかなかった。
(なんでこんな時に……!! でもここまで来たんだ、絶対に取ってみせる!!)
意識や酸素が持っていかれる中、ザプリェットはフローティアのために力を振り絞る。
手を伸ばし、水着をガッ!!! と掴み取った。
そしてそのまま急旋回し、緩やかに浮上をしていったのであった。
「ブハーーーーッ!!! ハァ………ハァ…………」
(危ない……ギリギリだった……脚攣ってどうなるかと思った………とりあえずゆっくりでいいから戻んないと……)
ザプリェットは攣った痛みに耐えながら、背を水面に向け、手のオール掻きだけで地上へと戻っていったのであった。
「ハァ……ハァ………脚がヤバい………」
ザプリェットは地上に上がってフローティアに水着を渡したと同時に、ぐったりとうつ伏せに伏せった。
「ザ……ザプちゃんごめんね……私のためなんかにこんなことさせちゃって……」
フローティアは、ザプリェットに無茶をさせてしまったことを謝罪するが、ザプリェットは気にしないで、と言わんばかりに首を振った。
「いいよ、フローティア……私がまだ弱いだけだから……起こっちゃたことはしょうがないよ、誰だって失敗はあるから……けれど困った時に助けるのが……友達の役目だと思うから……気にしなくていいよ……」
ザプリェットはそういってゆっくりと立ちあがろうとしたが、脚の痛みがまだ残っており、つい、脚を抑える。
「ザ、ザプちゃん……肩、貸すよ。困った時はお互い様でしょ?」
「うん……ありがと。」
フローティアはザプリェットに肩を貸し、ログハウスまで戻っていった。
そしてそこで1日を過ごしたのであった。
2人の夏休みの思い出は、少しほろ苦い思い出になったのであった。
翌日、2人はワクスモ駅で帰省をするために別れた。
ザプリェットは、更にそこから汽車に乗って、リムペ村の隣町の駅まで2時間を掛けて乗っていった。
そこに至るまで、合計で約5時間。
ガタンゴトン、という車両の音だけが聞こえてくる中、ザプリェットは緑に覆われた景色を見ながら静かに到着の時を待った。
やがて到着し、ザプリェットは徒歩で実家まで到着した。
(あ〜〜………本当に長かったな〜〜………別に故郷が恋しくなんてないけど……帰ってくると懐かしい気持ちになるなー……これが帰巣本能、って奴かなー………)
ザプリェットは前日の筋肉痛も相まって、ゆっくりと重い足取りで実家の軒先を上がっていく。
ガチャ、と実家のドアを開ける。
リビングに入ると、母のカチュアがいた。
「ただいま……母さん。」
「ん。お帰り、ザプリェット。」
親子水入らずの時間をこの後、ザプリェットは過ごしていくのであった。
次回はザプリェットが母の勤務先で短期バイトをします。
完全日常回なので、ゆったり書きたいと思います。




