1 キャラメイク
光の奔流が落ち着くと共にちょっとしたBGMと共に目の前にパネルが現れた。
(キャラメイキングか...そういえば事前情報あまりなかったな...)
説明を呼んでいく。弄れる箇所、弄り方、弄った後の確認方法等である。
パネルの隣に目をやるとそこには大きな鏡があり自分の今の外見を確認できた。
PVで見たことのある主人公の初期状態だった。というかPVのまんまだった。
性別は男にして身長は生身と同じ168を入力して次へ進む。
普段この手のキャラメイクでは拘りを出さないのだが何を思ったか真面目にキャラメイクという名目の主人公の顔弄り大会が自分の中で始まった。
(おぉ凄い頬の筋肉もいじらる...くくく、何この垂れ頬うけるwww輪郭も弄り放題だな...これ絶対ゴンタの野郎、ムッキムキの四角顔にするなw)
どこをどういう風に弄れるかを試しつつ容易にイメージできてしまう現象にただただ楽しいの一言だった。
キャラメイクだけで充分楽しめるとは俺もとんだ幸せ者である。
結局変に弄る気が失せだしていつも通りなんの変哲もないただの赤毛の初期顔で落ち着いてしまった。
色は好きな色で拘ったものの正直髪の色にそれっぽい顔が浮かばなかった。
目の色も弄ろうたしたら髪とどうにも合わず結局最初の茶色っぽいような黒っぽいような色で落ち着いてしまった。
中学の美術で5段階中2を取った実力は伊達ではない。
誇らしげに開き直り代わりに顔に傷をつけることにした。
ホクロ同様に傷や痣なんかも自由に弄ってつけることができる。
痣なんかは顔全体を痣だらけにもできてしまうためもはや別人へと変貌してしまう
個人的イメージ、というか抱いて欲しいイメージの願望としてはモブ感漂う感じではなく絶対強者を連想できる顔が良いと思っていた。
そのため醜く見える恐れのある痣にはどうにも手がつけ難いのである。
というか俺の圧倒的(酷い)芸術センスではどんな顔(醜い顔)になるかわかったもんじゃない。(想像に難くはない)
いくつも浮かぶモブ顔というか豚顔を振り払いパネルな向き直る。
このままの顔では髪以外なんの特徴もないモブ顔漂う初期顔である。
ここでイメチェンは絶対にしておきたかった。
悩みに悩んだ末に自分の左目を跨ぐように縦に深めの切り傷をいれることにした。
パネル横にある鏡に移動して確認する
傷は少し髪で隠れつつもある程度の存在感はあった。あったのだがこれじゃない感がどうしても否めなかった。
自分の芸術方面の才能とセンスの無さを言い訳にして妥協する結果となった。
キャラメイキングの説明であった通り鏡をタップすると確認メッセージが出てきた。
とあるアイテム使用で変更は可能とのことなので一切合切の悔みも消え失せYesをタップした。
すると視界は再び虹色の光に飲み込まれていった。
気がつくと街にでていた。
頭上に 始まりの街:ルート と表示されていた。
でたところは噴水の広場であり待ち合わせ場所から目と鼻の先であった。
待ち合わせ場所へと向かう。
待ち合わせ場所は街の噴水の前にある武具屋の看板前である。
この武具屋はキャラメイクが終わったら次に向かう目的地として指定されてある。
チュートリアルへ移るための目的地であると容易に想像はついていた。
既にキャラメイクを終わらせたゴンタがいた。
「よぉゴンタはやいな!」
ムッキムキに四角顔、ところどころイボが見えいかにもタンクっぽいシルエットである。
いや装備自体は何もないのだが。
キャラメイクを終え一通り街を回れる時間となる
ゴンタからキャラメイク後色々聞いていた。
街を回れるだけで冒険はまだできない。
チュートリアルがまだだとどうやら不可視の不可侵な壁により外に出られなかったとのことである。
「えっと何分待ってるの?」
話を聞いてて呆れた俺はそう聞いた。
「えっとかれこれ20分?5分足りずでキャラメイク終わったからよ。どうせお前とノンノンは長引くと思ってなブラブラしてきたってわけよ。
いやぁ歩いてたら急にぶつかるんだぜもう側からみたら笑いもんだよな。ははは」
髪色、髪型、目の色、サイズ、肌の色、身長、体型、その他頬の肉やら鼻やらホクロ、傷、痣、イボ、声質等々
無数の弄り方がある馬鹿げたキャラメイクをたったの5分で即決していったらしい。
ここまで素早くイメージ通りに作るとは流石であった。
そうこうしているとまた1人やってきた。
「お!イッシー?」
「イッシーです。まぁうん2人とも予想通りの見た目だな。てかキッドまたサボったんかよw」
イッシーこと伊沢 一郎である
KINGチャットのIはこいつのことで何気にあのグループの創設者であり管理者でもある。
ちなみに俺との縁は既に腐っている。
保育園からの幼馴染みで気の知れ過ぎた家族同然の彼なのだが今一度キャラメイク後を見てみよう。
空のような蒼い髪、ロングで目元に痣があるのに違和感はなく太陽で目を焼かれたような空の化身というべき姿だった。
ごほん、表現が残念なのはいつも通りなので置いといて!
ともかく芸術センス、才能ともに無い俺でも凄いとだけは思える出来だった。
いやキャラメイクでそんなの競っても何もないのだけれども...
残るはノンノンである。
それから10分後、ゲームのサーバー解放から55分ほどしてようやくきた。
「おまたせ〜というか遅れてすみません」
金髪のポニーテール、眉毛もまつ毛も金髪で目は青肌色は漆喰を思わせる白さ、うんザ・西洋人みたいなキャラメイクである。
どうやら皆性別はいじらなかったようである。男3女性1とかいう歪な組み合わせだがグループの創設者のメンバーであり何より気の知れた良いゲーマー仲間である。
「どう?良くない?」
遅れてきておいていきなりキャラメイク自慢を始めた。
「ザ・西洋人じゃん折角のファンタジーゲームに現実味持たせてどうすんの。」
ゴンタが的確に指摘した。
「うっさいわね!可愛いかどうかを聞いてるの!」
「相変わらずゴンタには厳しいよなw」
イッシーが一言でトゲをマイルドに変換させた。
「知ってた?下手にいじらなければどのゲームの初期状態はイケメンと美女になるって」
そこで俺がこのように追い討ちをかける。
「髪色以外初期状態のあんたには言われたくないわw」
追い討ち失敗で反撃に笑い飛ばされた。
「とりまさっさとチュートリアルいくべ。街でられねぇんじゃ話にならん」
「「 おう 」」
「 ええ 」
そういいゴンタが率先して店の扉を開くのだった。
「邪魔するぜ!」
大袈裟な入り方でゴンタが勢いよく入店!
恥ずかしくないのかと思いつつもこいつらしいといえばらしい。
入店こそ騒がしいものの入ってすぐゴンタは大人しくなった。
「お邪魔しまーす。」
続いて入店する。
店の内装はまぁよくアニメで出てきそうな雰囲気である。
特に代わり映えもない。
むしろさっきまで人が次々入っていってたとは思えないくらい静けさまであった。
ピコン
システム音と共にパネルが現れた
クエスト発生
〜チュートリアル編〜
と書かれてある。
次へを押すと武器選択に入った。
タンク役であろう大盾から攻撃補助どちらも熟せる杖、剣も豊富で大剣、双剣、片手剣、短剣、片手斧に両手斧、細剣、槍etc
他にはボウガンなんかもあった。
どうやら両手別々の装備スロットらしく両手で持つ武具なら1つ、片手で持つ武具なら2つ選択できるようである。
又、いつでも変更は可能とのことなので適当に盾持ち用の片手剣と小盾を選択する。
鉄板の組み合わせである。
ゴンタは大楯と短剣を
イッシーは槍と細剣を
ノンノンは杖と短剣を
それぞれ選択したようである。
最後に確認メッセージが出てきたのでYESを押す。
するとログインやキャラメイクの時みたいに光に包まれ転送された...
転送先は何もないよく見渡せる平原である。
一歩踏み出した瞬間頭上に大きなパネルが出現したのでみる。
武器の使い方や高ダメージの出し方などなど色々書かれてありパネルの1番上中央にはカウントダウンが始まっていた。
軽く読み終えカウントを待つことにした。
誰も居なくなった平原でポツンと寂しく佇みながら...




