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プロローグ

10年前、アメリカにて


「ゥゥウィナァァァーーークラン!

ィイズ ゥゥロードーー」


わぁぁぁぁぁ


歓声が湧き上がる。


「疲れた...もう限界寝る...」


「待て待て!表彰式が先だ!いくぞ!」


eスポーツとしてゲームが世界的に人気となり世界中で数多の大会も行われてきた。


中でもこの大会は有名なFPSシューティングゲームの大きな大会でまた日本人チームが連覇達成という偉業を達成した



試合展開、素早いカバー、最適解を出し続ける立ち回り、お互いのチームが見せた魅せるプレイも相まって10年後もゲーマーの間で語り継がれる名勝負となっていた。


「次何のゲームの大会でる?」


ふと俺は次の大会の話へと話を振った。



ギョッとするかのようにチームメイト5人全員が凄い形相で振り返ってきた。


「嫌だ!もうゲームはしばらく見たくない」


「生粋のゲーマーだなぁ死ぬぞw」


「せめてボケモンくらいのゆるゲーで頼む」


「おらこんなゲーム嫌だぁ♪おらこんなゲーム嫌だぁ♪田舎へ帰るださぁ♪」


「はよいくぞ!寝させろ!」


様々な様相を見せる相変わらずのチームメンバーを見てほくそ笑む


(ったくこいつらやっぱ面白いやw)


「キモッ、寝させろ言ってるやろ。何笑ったんだよ。」


チーム1の実力者に指摘され顔を戻す。


表彰式後ホテルに戻りネットサーフィン始めるとすぐ皆が唆りそうな内容が飛び込んできた。


「なぁこれ。」


ぐうぅがぁぁ


いびきで掻き消え誰も反応示さない。


「なぁ皆見てくれ!」


声を張り上げ皆がギョッとするかのように振り向いた。


「な、なんだよ急に。」



リーダーが驚きの声で聞いてきた。



「これ!日本のゲーム会社が大学との共同開発でフルダイブ型VRゲームの実用化の目処が立ったって。スパコンさえあれば発売までこぎつけるらしいぞ!」


「「「「  え!? 」」」」


フガッ!


「「「「「 え!?   」」」」」



「ふぁーーあー。おはよう。何の話?」


俺らは笑い合った。今ではとても懐かしい





あれから10年...



現在プロゲーマーとして適当に大会に出場しては荒らす日々。



いくつかの大会に関しては出禁食らったりもした。


溜め込んだ賞金でゲーム買ってはひたすらプレイする日々である。



まぁうんニートともいう。



実際あれから大会の戦績は芳しくない。



連覇したゲームに関してはあれ以降1度もプレイすらしていないし出禁くらって出られるゲームが絞られたせいでもある。


今はゲームついでにコミュニティのやつの動画制作のお手伝いをしてたまにお金をもらっている。


毎月ではないものの手伝った分に応じて貰うバイト的なものである。


コミュニティ...大会後ゲーム仲間のリアフレと共に作ったゲーマーコミュニティなのだが今では30人近くいる中で普段4人のやつらとしか弛まない俺はもはや異端児レベルである。



そんなコミュニティなのだがここ1年ほどずっと騒ついている。


それもそのはず昨年発売予定だったとあるゲームが延期に延期されついに明日発売されるのだ!


そのゲームは今までまともなVRゲームがなかったところへ颯爽と現れたVRMMOなのである。


名を「Beast of Fantasia Unlimited」


無限幻想世界の獣...何かを現したかのような題名のこのゲームはかれこれ10年間かかったBIGプロジェクトのゲームなのである


どうやらゲーム自体がプロジェクトの結果ではなく情報を得るための手段なのだという。


そのために10年とかもはやアホとしか言えないのだがそれぞれの端末から送られてくる膨大な脳波情報などのデータを収集し医学、数理学、物理学など様々な論文を発表するのだとか...


まぁその辺はよくわからんがとりあえず発表されてる数々の情報がマイコミュニティのみならず全世界を賑わした。


3年前フルダイブ型ゲーム端末が発売され昨年その後継機なるnext wold というのが発売されゲームする人なら必ず持っているという圧倒的な普及率でありこのゲームが初のMMORPGソフトとなるわけだ。



立体迷路ゲーやフィットネスゲー、釣りゲーなど様々なフルダイブVRゲームが発売されてきたがどれも過去作のゲームより内容が薄くすぐ飽きるものばかりだった。


どうやらあまりの情報量がサーバーに送られるためMMORPGなどというオンラインゲームは不可能に近かったらしい。


なぜ今不可能と言われたMMORPGが出来たかと言えば役目を終了したスーパーコンピュータを大学のコネで複数台入手できたからだそうだ。


雑誌を目が開くほど読んでいた。それほど俺自身期待していたゲームなのだ。


どのゲームであれテンプレばかりで飽きていた時に飛び込んだフルダイブ型MMORPGの発表。


発売されるからには最上位目指すっきゃない!そう覚悟を決めいつもより早く布団へ入っていった。




      KINGコミュニティ


K:寝る


I:早えなおいw明日のあれか?


K:うむ、じゃあの


G:おいまじか...まだキャプチャーボードの実験してないのに...


N:計画性の無さ露呈しなくていいから


etc:何の話っすか?


I:明日発売のゲームをGがちゃんと録画できるかわからんのやと。


etc:@everyone キャラメイク後一緒にプレイする人募集


etc:ノ


etc:ノ


etc:Iさん達はやんないの?


I:俺はKと一緒にやるわてかもうあいつ爆睡してるなw


G:@everyone BTO発売後ゲームの情報収集して動画出すから情報提供よろ


N:いや初期の情報なんてやればわかることばかりじゃん謎すぎw


G:いやスキルとかだよ。どうやらユニークスキルクラスだとそれぞれ先着1名しか手に入らんらしいやん?そういうのとかさ


N:なら尚更手に入った時点で情報とか対策のためにしかならんやん対人イベ前でいいやろw


G:あ、うん。とりま面白い情報あったらよろ



        次の日


朝4時から並んでいたのだが朝9時の時点で既に予約してた店には最後尾がどこかわからないくらい人が集まっていた。


(まじかひょっとしてプレイ人口全世界で億超えるんじゃ...)


予約した上に早めに並んでいたことに対する安堵と新しい世界への期待を込めて開店と同時に店へとなだれ込んでいくのだった。



帰宅後、昼の12時からサーバーが稼働するとの前情報により色々と準備を整える。


まずは腹ごしらえ。食パン5枚切り買って素早く済ませてコミュニティを覗く


K:買ってきたぞ。腹ごしらえなう


etc:おぉKさんがおるたい。珍しかぁ


etc:Kさんもう買い終わったんですか!?自分後2、3時間またされそうっす( T_T)


etc:自分は後少し♪てか行列えぐいよねw


G:おぉKよコチャで少しええか?


K:ええぞ今行く



        11:30


イツメンのGの頼み事をささっと済ませて時計をみて焦る


(やべえ時間ギリギリじゃん!)


急いでトイレへと急行、その足でリビングで麦茶を飲み速やかに部屋に戻る。


ピンポーン。やつがきた。


「おう!剛田急げ。」


剛田 元気 剛チャンネルという動画配信者をしていて主にゲーム実況を投稿している


現在チャンネル登録者数45万人で俺はこいつの動画撮影を陰で支えているためこいつに食わせてもらっている。


このアパートも当然剛田ので本人はマンション住まいである。


コミュニティでのGことゴンタとはこいつのことである。


「これ!任せた。」


ハードを渡されセッティングしていく。


フルダイブ用ゲーム機といえど出来たてほやほや産業でありこのご時世なのに有線しかないという馬鹿げた話なのだがそれらのセッティングを急ピッチで進めていく。


そして余った2つの機材。


「剛田!この黒いのを挿せばいいんだな?」


「あぁそれが例のキャプチャーボードだ。非売品の超レアだから壊すなよ。」


非売品というか特注品である。


幼馴染みの高校時代の後輩が録画機材などそういう方面の会社の企画部に就職したらしくそのツテが回りまわってこうなった。


先程、立体迷路のゲームが取れてるかの動作チェック済みなので問題ないはずだ。


「どう?終わった?」


剛田がトイレから帰ってきた。


「問題ないはず一応チェックよろ。」


周辺機材を一瞥し頷く


「うん大丈夫かな。うっしやるか。」


「あぁ」


プシュッ


「「かんぱーい。」」


エナジードリンクで乾杯をし一気に飲み干す



ゲェエップ


剛田がいつもの如く汚らしい音を出すが素知らぬふりで装着していく。


フルダイブ。つまりは夢の中のような状態でゲームをするためゲーム機の入力装置となる手袋とヘルメットの2種を着ていく。


ヘルメットを被り横たわったら目を閉じ手慣れたハンドサインをする。


脳内に光が広がる感覚の後ログイン画面へと移り1分ほどの簡易動作チェックの後ホーム広場へと移行する。


ホーム広場にある頭上の時計を見ると11:59となっている。


本当にギリギリであった。



         12:00


時間の変わった報せと共にソフト起動


白い世界は虹色の色彩と共に新しい世界への扉を開くのだった。


誤字修正


勝手→買って


齟齬修正


ホーム画面→ホーム広場[ややこしさ対策]

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