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星の歌
そこで揺れている小さな花は
いつかは枯れるのを知っていて、その日が来るのを待っているだけだった。
自分の余命など考えることもせずに、
始まる波と暮れゆく風を眺めながら
ただただ、生きている。
いつ、独りになってしまったのか。
それを思い出すこともやめた。充分考えた。
今はもう、毎日を潰すことだけだ。
きっともう、どうしようもないから。
眠れない夜が始まる。眩しく輝く星の下で。
その光もなんの意味も持たない程に
遠くて深い真っ暗な世界が、今日も広がっている。
孤独の苦しみは溢れ出す。新しく生まれる胸の痛みと一緒に。
寝ていた体を起こして、気付けば見上げいた夜の空の。
星を結んで浮かべた船。
キミの風はどこに向かって吹いている?
ゆらゆらと揺らす波は、いつかどこかで聴いたことのある歌。
そうだこれは、幼い頃に彼女が歌ってくれた歌。
…夜はまた、更けていく。




