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遊園地へれっつらごー!::1::

なんで人は嘘をつくのだろうか。

なんで人は良い人に見せようとするのか。

私は意味がわからない。

そして、その分からないの中に私もいる。

だから、本当の自分が忘れそうになっている。いや、もう忘れているのかもしれないな。

もし、『本当の自分』を分かっていると思ってる人。その根拠は何処にあるんですか?

_______________


蒸し暑い。とにかく暑い。いや、今の場合『暑い』ではなく『熱い』かもしれない。

とにかく尋常じゃないほどって事だ。

今年最高気温32度。

なおかつこの教室、1-2の扇風機只今故障中。

こんなのイケメン先生以外の授業なんて聞いていられないよ……。

そんなこんなで一番後ろの一番窓側の席の私はグラウンドの中にいる人の人間観察をしながら一時限目を乗り切った。


「ねえねえ!今度4人で遊園地行かない?」

放課後、セミロングの女の子が私に急に話しかけてきた。

「うぉ!ビビった〜。んで遊園地?」

私を驚かせたポニーテール少女は私の中学からの友達、綾瀬美乃梨。

通称みのっちだ。

「そう。くじで当たったの。それで、私と心音と相太君と武田君との4人でどう?」

この子はくじ運がとても良くテレビや車、噂によると一億円も当てたのだとか当ててないのだとか。

「それじゃあ遠慮なく行かせてもらおうかな?じゃあ帰り道武田君にも聞いてみるね!」

「了解」

「じゃあバイバーイ!」

私はドアに向かって歩きながら美乃梨に向かって手を振った。

美乃梨は、少しニコッと笑って物静かに手を振り返す。

あの子は中学の頃から静かなイメージだ。

まああくまでイメージはイメージ。たまに、とてつもなくぶっ飛んだ話を出してくる。

グロテスクな話から下ネタまで。

まあそんな自分を作っていないかのような姿が好きになって友達になったのかもしれない。

私は玄関まで着くと、下駄箱に背中をくっつけていた武田君に手を振った。

「遅かったぞ」

「ごめんごめん!ちょっと話ててさ。ってかちょっと前学校行く時武田君も遅れたんだからプラマイゼロじゃない?」

「いやいや、お前何度俺を待たせてるか分かってんのか?プラマイ100くらいだろ」

「ごめんって今度アイスおごるから!」

「分かったよ。特別な」

『本当はアイス食べたいくせに〜』と思ったが、そう言うと『はあ?別にいいしならゆるさない』とか素っ気ないこと言いそうだからやめておいた。

校門を出て右に曲がる。

やはり遅れたせいか通常よりも人が少なかった。

通常なのは夏を感じさせる蝉の鳴き声だけ。

私は坂道を登り始めたところで、武田君に遊園地の事を聞いた。

「ねえ武田君。今度の土曜日、私とみのっちと一村君と武田君で遊園地行こうって言う誘いが来たんだけどどうする?ちなみに私は行くよ」

道路側を歩いている武田君の顔を少し覗くと少々険しい顔をしていた。

「どうかしたの?」

私は何を悩んでいるのか気になり問いかけた。

「あ、顔に出てた?えーっと、こ、今月のお小遣いの方が……」

確かちょっと前に自転車を買っていたのが原因なのだろう。

「あー、お金の方なら大丈夫だよ!みのっちがくじで当てた遊園地招待券で行くから!」

すると、少しアホ毛がある武田君は顔をパッと明るくし、

「流石綾瀬!じゃあ遠慮なく行かせてもらいます!」

と笑顔で言った。


『遊園地』か……。


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