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23話 クシューマの砦街⑥

微エロあり


「…はい。了解したしました」

今回の事件を受けて、俺はまだまだ未熟である事を正直に話す。

これからの道中で、闇の住人による襲撃の可能性が捨てきれない事を伝え、俺は山に一人で籠ってLv上げをしたいと話した処、最大の難関と思われたサラが、あっさりと納得してくれたのだ。


「……いいの?」

…あっさりとかーちゃんが許してくれたぜ?

「僭越ながら、足手まといの私達がいなければ、そうそうご主人様を害せるモノが居るとは思えません……あの様な思いは…もう……」

目を閉じ、自分の胸に手を当てながらサラが話す。

分身体とはいえ、自分の目の前で俺が消えそうになる瞬間を見ていたサラだ。

俺が強く成る事に関して思う所があるのだろう。


他の王女達も一家言(いっかげん)ありそうな雰囲気ではあったが、何も言う事は無かった。

多数の兵達がいるここは、王女達を守るのには打って付けの場所。

この場には闇の住人はいなくなったし、称号により少しでも身の安全を図れるように、昨夜、子供達とジョイス・マルク夫妻、ブリジット・マルク、第一騎士団団長カルク・ドイッル、第三騎士団団長パーク・フルールには”使徒の祝福を受けし者”の称号を与えた。

闇の住人では無いか通行人など調べられるように、団長三人には、[鑑定玉]も与えてある。



「一月…一月だけ、王女達をお願いします。私はこの子達を護る為に強く成らねばならぬのです」

「騎士として使徒殿の心情は理解できるで御座る。任され申した。心行く迄、修練されるで御座る」

「使徒様、王女様達の事は、私達にお任せ下さい」

ジョイス・マルク夫妻に王女達の身辺警護を委ねると、快く引き受けてくれた。


「皆、俺はこれから北側の”ズアイ山脈”に行く。身勝手で申し訳ないが、それぞれの親に遅れる事を連絡しておいて欲しい。定期的に[電話玉]で連絡するから俺の事は心配しないでね」


「御武運を」

「マサト様、頑張って下さい」

「旦那様、こちらの事は心配なさらず」

「にーさん、ファイトだ」

「…気を付けて…」


王女達と言葉を交わした後、キャサリン・ミドルランド王女と連絡を取る為にジョイス・マルク夫妻、アリスとサラが別室に行く。三国の王女達も、それぞれが[電話玉]を使い国王達と話し合っている。


「…では、行って来る。❛聖なる転移❜ホーリー・トランスポート


皆の行動を横目に見ながら、俺は❛聖なる地図❜(ホーリー・マップ)に映し出されたズアイ山脈へと転移した。


◇◇◇


セシリア side


「サラさん、本当に良かったのですか?旦那様に付いて行かずに」

別室から領主夫婦と帰って来たアリスとサラさんに、私は尋ねた。

「はい」


覚悟を決めた顔つきで、サラさんが頷く。

意外だ…旦那様を好きという気持ち以上に、サラさんは旦那様に依存(・・)していると思っていた。

旦那様の居ない世界に興味が無いと思える程、サラさんは寄り添っていたのに…


「サラねーちゃん。アリス。まさか二人だけでヤル気じゃ無いよね?」

「えっ?シオン…何を言ってるの?」

「…二人の顔…見れば分かる…Lv上げ…する気…」

「マリー!?えっ??」


シオンとマリーの言葉にハッとし、改めて二人を見る。

硬い表情というか、二人とも真剣な瞳をしているのが分かった。


「セシリア…シオンとマリーも、貴女達はこの館でユックリとしていて下さい。私とサラはLv上げに赴きます」

アリスがそう言うと、隣に立つサラさんも力強く頷く。


「どういう…事でしょうか?…第一、その身を危険に晒す事を、旦那様が許さないのではありませんか?」

「セシリア様、自分の身を自分で守れるようにならなければダメなので御座います。私は弱い…私がもっと強ければ、ご主人様が危険な目に遭う事は無かった…分身体の数が少なければ、あの様な(やから)にご主人様が後れを取る事など無かった筈です…あの時、分身体であるご主人様の身体が薄く成った時…何も出来ない私は、自分の無力さに打ち拉がれました。あの様な思いはもう嫌なのです…それは姫様も」

「ええ。セシリア、シオン、マリー。私は教会でマサト様が戦う(さま)を目の当たりにしました。私や子供達を庇い、血塗れになりながら戦う(さま)を…私はもう、足手纏いに成るのは嫌です。少しでもマサト様に頼られたい。ただ護られているだけの女に成りたくない。マサト様からのお叱りは後で受けます。サラと二人で南のアダタララ山脈に入り、そこでLv上げを行います。三人はここで待っていて下さい」

胸の内を語る二人。


「ちょっと待ってアリス!アタイも行くよ」

「ですが他国の王女様を危険な目には…」

「…私も…」

シオンとマリーも、二人の決意に賛同した。ならば私も是非も無い。

「アリス、サラさん。そういう事であれば、私も加えて下さい。一緒に強く成って、旦那様を支えましょう」

そう告げて、アリスとサラさんの手を握ろうとしたが…


「お話し中、申し訳ありません。大変失礼な事をお聞きいたしますが、皆さまのLvは御幾つなので御座いましょうか?」

遮ったのは第二騎士団団長ブリジット・マルクさん。領主の娘だった。


「ブリジット様、Lvは確か…サラさんが42と一番高く、アリスが28。私とシオンが25。マリーが24です」

「セシリア・シルフィー王女様、私に”様”は必要ありません。ブリジットと御呼び下さい…山はLv40は無ければ厳しいかと。Lv42のサラ様でも、大勢の魔物に囲まれれば非常に危険です。私を御供に加え下さい。私のLvは38。最小人数、六人で円陣…”サイコロの六の目”のような形で行軍するのが安全です。どの面から敵が来ても、必ず二人以上で相手が出来ますし、夜営も二人ずつの交代が出来ます。私は騎士団団長の中では最弱ですが、アダタララ山脈には何度か入った事があります。どうか…「「ダメ」」…ええっ!アリスティア王女様!サラ様!何故に!?」


「ブリジット…昨夜の話を忘れていませんよ?母のキャロル・マルクからマサト様との婚姻話が出た時、貴女は満更でも無い顔をしていましたね?」

「…それは…その…」

「しかも、その顔。自分は二十歳でご主人様は五十。自分の方が私達より、妻に相応しいと思っていませんか?」

「サラ様、そこまでは…ただ使徒様は、私の事を”若くて美しい”と言って下さいましたし…」

そう言って、自分の胸の前で両手の人差し指をチョンチョンと突っ突くブリジット様。

あー、この方も旦那様の活躍を見、そして自分を守られて惚れたクチですか。


「まあまあ、アリスティア王女。良いでは御座らんか…ワシが言うのも何ですが、娘は妻に似て美しい女子(おなご)

それが二十歳に成っても男との噂話の一つも出ず、心配して居ったで御座る。相手が使徒殿とは、ちと敷居が高こう御座るが…使徒殿で無くてもあの御仁であれば、ワシは構わぬで御座る。使徒殿が娘を選んでくれるかどうかは分からぬで御座るがな。娘にも機会を下され…」


そう言って領主のジョイス・マルク様が会話に加わる。

「ジョイス・マルク様、お世話になる身で申し訳ありませんが、旦那様…ヤマダ・マサト様と私達は、各国王公認の…言わば許嫁。そこに娘を加える御積もりですか?」

「そうです!ジョイス。マサト様は将来、この国の国王の王配になる御方なのですよ?」

「「「「私達のです(コク)」」」」


「はっはっは…。先程、王女様も同席したので御座るから分かって居ろうに。あのアイテムでキャサリン・ミドルランド女王陛下との話し。ワシが神官をこの地に残した理由を述べた時”そんな事よりマサト様に女を近寄らせないで!がるるるる…”と(わめ)いて居ったで御座ろう?どうやら使徒殿は女王陛下に狙われて(・・・・)居るらしい。使徒殿が王配に成るのは喜ばしいが、王女様としては御困りでは御座らんのか?義父に成った男と(ちぎ)る訳には参るまいに」


「ぐっ…」

「其処でブリジットで御座る。ワシの娘を娶れば女王陛下も諦めるで御座ろう?仮にも伯爵家の娘と婚姻すれば、使徒殿の立場は安泰。如何な女王陛下といえど、臣下の婿を盗み取る訳には参らぬ」


「それでは私も同じではないですか!」

「いやいや、落ち着き下され。女王陛下は二十七歳。王女様は今、十歳。後十年経ったらどうで御座るか?」

そうジョイス・マルク様に言われると、思案顔になるアリス。


「!!…お母様…女王陛下は三十七歳、私が二十歳…成程、その時に成ったらブリジットを一旦離縁させ、私が結婚したら、再び側室として復縁させる。途中でもしブリジットに子が産まれていても、王配になる前だから子の王位継承権は低い。()、女王陛下と結婚されたらそれすらも叶わぬ、という事ですね?」


「そういう事で御座る…ぐふふふふっ」

「成程…ぐふふふふっ」


腹黒い薄ら笑いを浮かべる二人。

この二人は何を言っているんだろうか?

そんな”契約の宝珠”を悪用する様な事を、旦那様がする訳が無いのに…。


「あの~政治的な話をしているトコ悪いんだけどさ。にーさんはそういう事、嫌うと思うよ?」

「…結婚したら…離婚するはず…無い…」

うん。その通り。アリス…貴女、騙されているわ。

「その通りで御座います!ご主人様は御優しい御方。一度結婚した相手を捨てる事など有りえません!」


「はっ!それはそうです!ジョイス…私を試しましたか?」

私達に否定され、やっと気付いたようだ。


「はっはっは。王女様、やっと御気付きに成ったで御座るか…使徒殿がその様な御仁ならばワシも許さぬ。ただ、ブリジットにも機会をというのは本心で御座る。幸いこの国は一夫多妻を認めて居る故、女房衆の一人に成れるのであれば僥倖。それに先程の女王陛下との会話では、使徒様と王女達を宜しくと下知(げち)されました故、王女様達だけで山に入る事は許さんで御座る。ブリジットは何度か小隊で山に入った事がある故、案内役として伴って戴こう。山林では多勢では(いささ)か行軍に苦労致す。六人ならば戦闘に成っても動きは阻害されぬで御座ろう…ブリジット、王女様達の盾となれ!死ぬ時は其方が最初に死ね。良いな?」


「はっ!心得ました!」

「成程。案内役というよりも私達に何かがあった時、この地を守る為の人身御供(ひとみごくう)という訳ですね、ブリジットさんは。娘が一緒に死んだとなれば咎められぬと」

…一つの地を治めるというのは、色々な事を考えねば成らない。

アリスに何かあった時、お咎めがあれば此の地の行く末はどうなる事か。

家族はもとより、兵達や棄児達の事もだ。


「全員に死んでは欲しくないで御座る…セシリア王女様。だが、王女様達はLv上げを止める気は無いと見た。ワシが動く訳には参らんし、兵達を動かす訳にも行かぬ。使徒殿が戻られるまで、全軍を以て貴女方の行く手を阻むか、娘を同行させる以外に手が御座りますか?」


「ジョイス…そんな大げさな…」

「ならば全軍を以て…」

「…分かりました。ブリジットに案内役を頼みます。それから携行食料をお願いします…一時間後には出発できるよう、ブリジットは用意を」

「はっ!」

「皆も準備して下さい」

「「「「はい(コク)」」」」


ジョイス様の強引な説得にアリスは折れた。

シオンはニコリと笑い、マリーはコクリと頷く。

サラさんは…ただ真っ直ぐに、窓の外を見据えている。


約一時間後、ブリジットさんを加えた私達はアダタララ山脈に向かった。





◇◇◇


マサト side


『でさ、お前、何考えてんの?馬鹿なの?死ぬの?』

『昨日あれだけ痛い目にあってさ、転移して早々に三人に分身ってどうよ?』

「・・・・・」


『まあ、俺もお前だからさ、考えてる事は分かるよ?あれだろ?分身して早くLv上げしようと思ってるんだろ?』

『俺は分かんねーよ!アリスやサラに悲しい思いをさせて!自分も死にそうになって!アマテラス様が助けてくれなきゃ死んでたんだぜ!巫山戯(ふざけ)んな!』

「・・・・・」


『まあまあお前もあんまり怒るなって…で、本体よ~名前はどうするんだ?コンバ○ラー1・2・3か?ベム・ベラ・ベ○か?トリオだと色々名前があるなぁ~』

『お前、能天気だなぁおい!…って、お前(本体)、何か可笑しく無ぇ?』

「…フヒッ…」


『『…どうした、おい!』』

「…フヒヒヒヒッ…」


『…これはあれか。昨日アマテラス様が言ってた”未熟なうちに分身すると~”ってヤツか?』

『なんか認めたくないが…俺の一番可笑しな処が偏ったのか?本体に…どうする?』

『まあ、昨日の続きで本体がα(アルファ)、俺がβ(ベータ)、お前がγ(ガンマ)でいいな?』

『呼び方なんざ、何でもいいが…』

「…なぁなぁ…」


『『おっ!正気に成ったか?』』

「…こういう誰もいない開放的な場所でさ、ピーーーーー(自家発電)したら気持ち良いかな?」


『『……はぁ??』』

「だ・か・ら…マッパになって、木の上でとかさ」





『『――一番アカンヤツやーーー!!』』

「いや、お前は俺だよ?」


『フザケンナ!この性欲の権化め!』

『俺…俺……、こんな可笑しいヤツだったのか?』

『いや、γよ。αは理性が飛んでるとしか思えない』

『でもさ、β。大自然の中で~とか、誰もいない夜の公園で~とか…お前も考えた事あるだろ?』

『あっても実際にし無ぇーよ!』

「まあまあ、二人ともモチツケって」


『『ああっ!?お前がゆーな!!』』

「…ここは()どうし、仲良くヤ・ロ・ウぜ」


『ブチッ…アタマ来た…β、こいつ殺そう…』

『γ、気持ちは分かるが俺達も死ぬ…』

「じゃあさ、死ぬ前に女抱きに行こうぜ!女!」


『”じゃあさ”じゃ無ぇーよ!って、おい!何処の誰を抱く気だ!…テメエ、まさかアリスやサラに手を出す気じゃあるまいなぁ~』

「…馬鹿野郎!ロリに手を出したら犯罪だろうが!」

『『ほっ…少しは理性が残ってたか…』』








「……キャロル・マルクさん35歳だ」


『『人妻も犯罪だーーーーー!!』』


「…もう~我儘だなぁ~。じゃあ、どうすりゃいいのさ」

『『腹立つ~~~』』


「分かった分かった。俺はチョッとリビドーの解放に行って来るからさ、オマイラLv上げやっといてチョーダイ。ほとばしる熱いパトスは止められ無ぇ~ぜ~!」

『フザケンナ!分身を解除しろ!』

『転移されたら面倒だ!β、俺が後ろに張り付くから何とかしてくれ!』

『がってんだーーーー!』

「ぎゃー!チョークチョーク!首に入ってるって!腕が!」

『『分身解除しろーーー!!』』



『…ハァ…ハァ…ハァ…やれ、β』

『だけどさ、まだ試し斬りもしてないんだぜ?』

「…おい、離せって!キャロルさんが待ってるんだからさ!」

『それはお前の妄想だ!』


『…β…ハァ…ハァ…まだ…時間が…ハァ…30分以上ある…ハァ…ハァ…打撃も魔法も相殺(そうさい)される…ハァ…ハァ…他に手が無いんだ…ハァ…ハァ…』

『…分かった。死んでも恨むなよ?()

『…ハァ…ハァ…ああ…ハァ…ハァ…婦女暴行の…ハァ…ハァ…レッテルを張られて…ハァ…ハァ…生きてくよりマシ…ハァ…ハァ…だ』

「ちょ!おいヤメロって!それはヤバい!ヤバから!神剣(しんけん)[首薙の剣(くびなぎのつるぎ)]なんて、洒落に成ん無いから!」


『うおーーーっ!行くぜ!γ!本体!』

「こんにゃろーー!❛聖なる硬化❜(ホーリー・ハード)!――ぎゃー!痛い!熱い!死ぬ!」

『痛いー!熱いー!死ぬー!』


『すげー。サックリと[聖衣]を貫いちゃったよ、[首薙の剣(くびなぎのつるぎ)]』

「『痛い!痛い!痛い!熱い!熱い!熱い!死ぬ!死ぬ!死ぬ!』」

『死にたく無けりゃ、分身を解除しろ!』


「わ、分かった…《分身解除》!痛い!熱い!死ぬ!…❛聖なる完全回復❜ホーリー・パーフェクト・ヒール❛聖なる完全回復❜ホーリー・パーフェクト・ヒール❛聖なる完全回復❜ホーリー・パーフェクト・ヒール❛聖なる完全回復❜ホーリー・パーフェクト・ヒール❛聖なる完全回復❜ホーリー・パーフェクト・ヒール❛聖なる完全回復❜ホーリー・パーフェクト・ヒール…ハァ…ハァ……ハァ…ハァ……ハァ…ハァ…ああ、痛かった…死ぬかと思ったョ…」


分身体に刺された剣を腹の部分から引き抜き、慌てて❛聖なる完全回復❜ホーリー・パーフェクト・ヒールを唱える。

アマテラス様から貰った[聖衣]を物ともせずに、本体と分身体を貫いて大木に縫い付けた神剣(しんけん)[首薙の剣(くびなぎのつるぎ)]。

刺した時の感触は、豆腐に箸を刺したかの如く。

何の手応えも無かった…恐ろしー剣だ。


しかし、今回は参ったね。

まさかここまで酷く精神が偏るとは思わなかった…今まで分身が成功してたのは奇跡だな、うん。

昨日あんな目に遭ったのに、何故分身魔法を使ったのか……それは俺が馬鹿だから。


まあ、βが言った様にLv上げを早くしようとした訳もある。

昨日の戦闘中にLvが48に成り、2でも3でも4でも丁度、割り切れる数だったからというのが一番だ。


さっきまで(・・・・・)


【名前】山田聖人

【年齢】50歳

【種族】人間

【状態】正常

【職業】無職

【属性】神聖

 Lv:51(48)

 HP:13183/13183(12418/12418)

 MP:13183/13183(12418/12418)

【称号】神の使徒・サラスティアの庇護者・子供の守護者


二人ならLv24。HP・MPは6,209で丁度割り切れた。

三人ならLv16。HP・MPは4,139.3333…で割り切れ無い。

四人ならLv12。HP・MPは3,104.5で、小数点以下1で割り切れた。


この中でチャレンジするなら三人が目安に成るだろうと…浅はかな考えでやった訳だ。

精神の偏りは、LvよりもHP・MPの方が大きいのだろうか?

アマテラス様の言った”分身体は肉体と精神を分ける魔法ですが、等分される訳では有りません。未熟なうちや大人数に分身したりすると、それが顕著に成ります”――には主語が無い。


未熟とは”身体Lv”なのか、”分身魔法のLv”なのか?だ。

分身魔法のLvなのだとしたら、使わなければ上がらないのだから問題外。

普通に考えれば”未熟”なのは身体Lvの方だ。

でもさ、やってみなけりゃ分からないじゃん。

疑問に思ったらやってみる!それが俺のジャスティス!

それに、ああいう事に成る事もあるって分かったし…ああなったら神剣(しんけん)[首薙の剣(くびなぎのつるぎ)]を使えば良いっていうのも分かった。

これはこれでいい勉強に成った事にしよう…周りに王女達がいなくて、ホントに良かったYO!


アマテラス様にもらった[聖衣]に穴が開いてしまったが…

「…あれ?穴が無い!…もしかしてこれ、自己修復機能付きか!?」

草臥(くたび)れたスーツを脱いで、背中側も見てみる。

穴は何処にも見当たらなかった。これもまた凄ぇーなぁおい!


分身魔法は当分の間は控えよう。

剣で刺された時のあの痛み。

痛いというか熱いというか…アマテラス様にLv255までされた時ほどではないが、それに近い…物凄い苦痛に襲われた。

ああいうのを”地獄の苦しみ”と言うのではないだろうか?

それが[首薙の剣(くびなぎのつるぎ)]を使ったからなのか、自分で自分を傷付けた(・・・・)からなのか、はたまた急激にLvが上がった所為なのかは分からない。


それにしても……


「Lv48の人間を傷つけて、どうしてLvが100も上がるのかねぇ???」

そう…当初の目的であった”Lv上げ”が、転移して約一時間で達成してしまったのだ。

左手の指ぬきグローブに付いた[鑑定玉]が割れてしまったため、❛神の眼❜(ホーリー・アイ)で確認する。


【名前】山田聖人

【年齢】50歳

【種族】人間

【状態】正常

【職業】無職

【属性】神聖

 Lv:151(148)

 HP:38683/38683(37918/37918)

 MP:38683/38683(37918/37918)

【称号】神の使徒・サラスティアの庇護者・子供の守護者



……一気にHP・MPが25,500上がってます……。


何だこのチート!


だが、以前、ジュウロウさんの刀で左腕を斬り落とした時にはLvが上がらなかった。

神剣(しんけん)[首薙の剣(くびなぎのつるぎ)]を使って、自分で自分を傷付けた(・・・・)場合にLvが上がるんだろうか?

じゃあ、今の俺を傷付けたら……いや、止めよう。

あんな痛みは、もーー勘弁!



……チョッとピンチに成ったら試してみるかね。



しかしテンプレ通りというか…なんというか…。

高Lvの自分を鑑定した所為か、❛神の眼❜(ホーリー・アイ)はLv15からLv50に上がった。

上がったから何が変わったのかは良く分からんが。


新たに憶えた魔法は5つ。


神聖属性の固有魔法が4つに回復魔法が1つだ。

アマテラス様が使っていた魔法とコピー魔法だな。


固有魔法

❛聖なる時間停止❜ホーリー・タイム・ストップ→使用不可:時間停止:消費MP1,000,000…対象者以外の時間を停止させる。


❛聖なる絶対防御❜ホーリー・アブソリュート・ウオール→使用不可:絶対防壁:消費MP1,000,000…任意の場所に任意の範囲の絶対防御壁を張る。害あるモノであれば、喩え味方であっても遮断する。星が打つかっても壊れない。


❛聖なる絶対回復❜ホーリー・アブソリュート・ヒール→使用不可:絶対回復魔法…消費MP1,000,000:死亡後3分以内ならば完全に復活させる。


❛聖なる模倣❜(ホーリー・コピー)Lv1:消費MP10…対象にこの魔法を唱えて手で触れると、相手が所有している魔法をコピーして自分のモノにする事が出来る。既に所有している魔法はコピー出来ない。


回復魔法

❛聖なる広範囲回復❜ホーリー・エリア・ヒールLv1:広範囲大回復魔法…消費MP40:有効範囲は直径10m。部位欠損以外の大怪我。病気・毒・呪い・マヒ・石化などの状態異常などの回復。


…おい!上の三つ!

消費MP百万なんて、いつになったら使えるのさ!!Lvが4,000近く成らないと無理じゃんか!!


その驚きで、❛聖なる模倣❜(ホーリー・コピー)を手に入れた嬉しさが半減だよ!

何だか疲れて来たよ…パ○ラッシュ…


まあ、取り敢えずレトルトのカレーでも喰って、今後の事を考えるかね?


Lvは一気に上がったが、一つ一つの魔法はLvが低い。

生活魔法からLv上げを始めて、それぞれカンストでも目指してみるかね?

新しい魔法の出現もあるかも知れないしな…



矛盾点発見。やっぱ、キチンとプロット造って書かないとダメですね。


ジュウロウさんの刀で左腕を斬り落とした時にLvアップしていませんでした。

今から改稿するのは大変なので、


”だが、以前、ジュウロウさんの刀で左腕を斬り落とした時にはLvが上がらなかった。

神剣[首薙の剣]を使って、自分で自分を傷付けた・・・・場合にLvが上がるんだろうか?”


を、文中に追記。



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