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2-18 やはり異世界は浪漫がいっぱい!

いつも読んで頂きありがとうございます。

寝不足でそろそろキツくなってきました(笑)


今回は説明回となります。


 さて、後片付けも終わったので出発しよう。

 先程の事などなかったように、旅を続ける。


 雨が多少強くなってきたので【シールド】を展開する。

 これは空間魔法で作った車のフロントガラスのようなモノで、強度を下げて可視率を上げている。


 ただ正直に言うと、これは使いたくなかった。

 というのも、多少光に反射はするが、普段であれば気づかれない程度のモノでも、雨の中だと馭者が濡れていないことを対面から来る馬車に気付かれてしまう恐れがあるのだ。

 それ以前に【シールド】に雫が付着するので傍目にも不自然極まりない。


 そんなリスクを負ってまで【シールド】を展開させたのには理由がある。


 そう、馭者席にフローラが座っているのだ。

 

 馭者はエドの番だったので、正直、ずぶ濡れになってしまえ! と、思っているのだが、フローラがいる以上そういうわけにもいかない。


 幸いにも今のところは気付かれていないようではある。

 もっとも徒歩の人は蓑笠を被っているか、濡れながら俯き加減で歩いているし、半帽のヘルメットで原付を乗ったことがある人なら分かるだろうが、馬車の馭者をしている者は雨の中ではそうそう脇目を振るなどできない。


 そう思えばこそリスクがあっても【シールド】を展開してフローラの自由にさせているのだが。



 今のところ王都への旅は順調である。

 通常なら7日は掛かるのだが、何事もなければ6日目、つまり明日の午後には到着出来るとのことだ。


 これは何度も行き来しているアウルとウスターシュ、ギルドの依頼で王都には幾度となく来たことの経験があるエドからの話である。MAPで確認したところ、残り距離からすると確かにその通りであった。


 普段から獲物や薬草などを探すためにMAPを使用しているが、旅の先にあるものを見るためには使用していない。この先、緊急事態や危険がある場所では使用していくだろうが、今は初めて観るモノを新鮮に味わいたいのだ。もっとも、周囲の警戒のために数キロの範囲は時折見ているし危機感知アラームもセットしているのだから、今のところ危険はないだろう。


 話を戻すと、特に急いで来たわけでもないのに、時間を短縮できたのには理由がある。


 この街道に限った話ではないのだが、街と街を繋ぐ大きな街道には所々に見晴らしが良く開けた場所に野営が出来る場所がある。

 これらは誰かが設置したのではなく、その場所で食事を作った者が石などで組んだ焚き火や(かまど)を壊さず残して立ち去り、後続で来た者がそれを使う。そうやって多数の旅人が使用していき、地面も踏み固められて、自然とそこが野営ポイントとして認識される。


 野営をするということは、当然、獣や魔獣、野盗に襲われる危険を孕んでいる。だから旅人は人々が集まるこれらの場所に到着した際、次の野営ポイントに暗くなる前に行きつけないと判断した場合は、先に進まずその場所で夜を明かす。


 しかし、俺たちにはそういった配慮をする必要がない。むしろ人目を避けたいのだから、行けるとこまで行って、適当な場所を探すだけで良い。その結果、時間的ロスがなくなりおかげで旅程が短縮されていた。



 ここで一つの問題を俺は抱えていた。


「ねえ、クリス。王都の馬車で半日くらいの場所に別の街があって、その向こうに森が広がってるみたいだけど、この森の魔獣ってどれぐらいの強さなのか知ってる?」


「何度か演習で行ったことはありますけれど、恐らくモノケロスの森と大差ないと思いますわ。ただ、奥地には強い魔獣もいると聞いていますが、こちらから攻め入らない限り出て来ないので、どの程度かまでは……」


 なるほど。では、奥地へ行かなければ大丈夫だな。


「そちらに行きたいのですか? もう明日には王都なのですから必要ないのではないですか?」


「そうなんだけどね…」


 実はモノケロスの森から大分離れてしまったせいで、転移をするのがキツくなっていた。

 単独なら何の問題もない距離なのだが、複数人を連れて転移をしているのでMPの消費が追いつかなくなりそうなのだ。一発で飛ぼうとせず、MPポーションで回復しながら飛ぶ回数を増やせばいいのだが、それはそれで無駄と思える。どのみち今後を考えれば次の練習場所を探さなければならないのだから、手頃な場所があるなら拠点を変えたかった。


 自分自身のレベルが足りず、高位の魔法を有効活用しきれないとは、なんとも贅沢な悩みである。


「そういうことですか。しかし、あそこは人が多いですわ。もっとも、森での狩りがメインではなくて、地下迷宮の探索の冒険者の方が多いですが、それでも王都へ搬送するための食料確保依頼もかなりあります。ですから、森で隠れて練習するのは難しいかと思いますわ」


 ち、地下迷宮!?


「え!? 地下迷宮っていわゆるダンジョンだよね? マジ!? あるの??」


 あるなら当然行ってみたい。

 異世界から転移した冒険者なら必ず行くと思う。

 て、いうか! ダンジョン攻略は転移者の三大浪漫の一つだ!


 ちなみに残りの二つはチート能力取得とハーレム王になる! ことである。


 すでに二冠を達成している俺としては是非行きたいのだが、今回は諦めるしかなさそうだ。


「ヨウスケ様。迷宮探索に憧れる気持ちは十分理解できるのですが、今回はお止めになった方がよろしいかと」


「そ、そんなに危険なの?」


「いえ、今のヨウスケ様たちでしたらかなり深いところまでいけるかとは思います。しかし、罠などもあり絶対安全など有り得ません。それに私たちにはフローラもいます。この子は聞き分けも良く賢い子ですが、なにかの拍子で罠に掛かったらいくらレベル的に高かろうと命の危険に関わることなってしまいます」


 単純な物理的な罠ならなんとかなるだろうが、罠には精神的な物もあり、恐怖で走り出してしまって、さらにほかの罠に掛かってしまう可能性がある。迷宮とは、いくらレベルが高かろうと一階層ごと腰を据えて攻略していくモノであり、ちょっと行ってみようという軽い気持ちで行くなど死にに行くようなものだと諭された。


「それにですね、詳しい説明は省きますが迷宮の中の敵は大半は魔力で身体が構成されている魔物です。こ奴らは人を見かけると問答無用で襲いかかってきます。迷宮内は幅数メートル程度の通路が多く、下層に行けば開けた場所も無くはないですが、そのような場所で魔法の練習などしてたら魔物の大群を呼びかねないですし、またほかの冒険者にも迷惑となります」


「なるほど……そうだね。まずは強くなることが目的だもんね。今後いくらでも行くチャンスはあるんだから無理はしないようにするよ。それにしても流石だね、ウスターシュさん」


 ウスターシュは高レベルのAランク冒険者だ。今まで何度も迷宮には挑んだことがあり、これらは経験からくる話であった。


「お聞き下さってありがとうございます。私が現役で冒険者をしていた頃、一攫千金を夢見た若者が迷宮から戻ることができず散っていくのをたくさん見てきました。ですから、焦らずいつか一緒に制覇を目指せるように頑張りましょう。それまで、フローラはワタクシが責任を持って教育していきますのでご安心を」


 なーんか釈然としなくなってきたが、フローラの為を想うなら仕方がないと思う。ここはグッと涙を飲んで堪えるとしよう。


 迷宮について今は詳しく説明をしないと言われた。

 聞けば男の浪漫を追い求める俺には我慢するのがツラくなるだけだから、行く機会が出来たら話をするとのこと。


 聞いても聞かなくても生殺しのような気はするが、俺の性格から考えて、聞いてしまえば行きたいのを我慢しているのが態度に出てしまうだろう。そんな俺に甘いクリスがちょっとだけならと許可をして、浮かれた俺が取り返しのつかないことをしてしまう可能性だってなくはない。ここは忠告に従っておこう。


 こんな感じで諦めモードだった俺を救ってくれた人がいた。


「そんなに行きたいのかい? それなら、コルンバから少し離れたところにも迷宮都市があるから娘を拾ったあと、ヨウスケたちはそこであたしの任期が終わるまで過ごしてたらどうだい?」


 なぜエルがここにいるかというと、今日の午後からエルは休暇を取っているからである。

 手紙では知らせてあるが、国の要職についているのだから国王に直接婚儀のことを報告する義務があり、また今期でギルド長の仕事も退職したいと願い出る必要もある。

 だから、俺たちが王都に到着する日に合わせる形で休暇を取ったのだ。


 モノケロスから王都まで馬を飛ばして約三日。本来なら俺たちが王都に着くのは明後日なのだから、今日から休暇となる。

 結婚式の準備、国王に謁見を申し込んで報告したりとすぐには戻れないから、10日ほど休みを取ることになるが、報告自体は義務でもあるから休暇は問題なく取れている。


 それに万が一のことを考えて昨晩ドリアーヌをテントに招待して『電話』もどきを託し、俺のスキルのことも一部話しておいた。


 俺が突然モノケロスに戻っていることに驚いたドリアーヌを、挨拶もそこそこ、転移でみんなのところへ連れてくる。茫然自失のドリアーヌに俺は空間魔法が使えると説明して、その魔法で作った『電話』もどきを渡し連絡係をお願いすると、さすが世界最強の男の後継者! と尊敬の眼差しを向けられた。

 魔力を補充しながらでないと碌に話などできないが、「緊急事態です!」の一言ぐらいなら言えるだろう。


 ドリアーヌは快くその役を引き受けてくれた。

 自称俺の奴隷であるドリアーヌなら、これらの秘密を吹聴することもないだろう。


 そのあと夕食を共にして、お風呂にも招待してあげた。

 その際、遠慮して男風呂に行こうとしたのだが、ニタニタと笑うエルに引き摺られて家族風呂へ連行される。恥ずかしがるドリアーヌも「ドリアーヌはヨウスケの奴隷だから問題ないだろう」と、勝手な事を言うエルに服を剥ぎ取られ連れ込まれている。


 羞恥プレイとも言える修練を『モノケロスの冒険者どもの憧れの的、スレンダーで可愛い純情そうなドリアーヌ18歳』が両手で真っ赤になった顔を覆いながら指の隙間からガン見しているが、俺も『モノケロスの冒険者どもの憧れの的、スレンダーで可愛い純情そうなドリアーヌ18歳』の生まれたままの姿をチラチラ見て修練の対象物になっているカラダの一部にチカラを注ぎ込んでいるので『おあいこ』ということにしておこう。


 なんだか、だいぶ話が逸れていらない話をしてしまった気もするが、ともかくエルの魅力的な提案にみんな乗り気になり今後の方針の一環が決まった。


 言い忘れたが『他人』に知られてはいけない修練を見られたことで「また順番が……」と悲しそうにしているベアトリスの為に『身内』という特別枠を設けることにした。


 村のことが心配でモノケロスを離れたくないドリアーヌを嫁にして旅に連れて行くのは気が引けるし、秘密にしても一部しか話しておらず余計な事を言うつもりはない。――秘密だけ教えて連れて行かないなど拷問でしかないだろう。

 それでも毎日は無理だが、ご馳走を作った時ぐらいは食事に招待してあげるつもりだ。

 

 あとはお風呂をどうするかという重要な問題もあるが、これドリアーヌ自身の判断に任せようと思う。


中途半端な感じで申し訳ありません。

次話も説明文が続きますので

もう少しだけお付き合いをお願いします。


今後とも宜しくお願い致します。

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