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2-10 頑張ると良い事あるよね!

月曜日に投稿する予定だったのに

こんなに遅くなってしまって申し訳ありません。


しかも、イロイロ書き直していたら、

一話丸々エロエロになってしまいましたorz


苦手な方は飛ばして下さい(>_<)

 今、俺は複数の女性に迫られている。


 絶世の美女が2人。――しかし、タイプが違う。

 ――にも関わらず、その美女たちは共通の目的のために結託して、俺に迫っている。


 共通の目的……そう、俺のカラダだ!


 本来なら喜んでその身を差し出すところなのだが、情けなくも若干引き気味になってしまっている。


 無情にも俺のそんな心の葛藤を気にかける様子など全く見せない美女二人が俺の着物に手を掛ける。

 この二人の美女は俺の嫁。


 つまり、慈悲などない。


 問答無用で剥ぎ取るように俺の着物を脱がせた嫁たちは、実力だけではなく、やる気までもが俺を凌駕しているようだ。


 まさに何かに飢えた野獣である。

 狙った獲物は逃がさないとばかりに、すぐに自分たちもドレスを脱ぎ始めた。

 その脱ぎっぷりは目を見張ってしまうほど潔い……と、いうかモノ凄い。


 ドレスをまるでマントか何かと勘違いしているとしか思えないほど豪快に脱ぎ捨てたのだ。

 そして纏うモノが全くないその姿で立ち並ぶ二人のその出で立ちは筆舌に尽くし難い。


 しかしそれに怯んでいる場合ではない。

 リア充も楽ではないのだ。


 ほかの女神と聖母がどんな姿で生まれたのかは知らないが、俺の女神と聖母は間違いなく生まれたときと同じ姿になっている。――この絶景を目の当たりにして、イロイロなところが立たねば男が廃るだろう。


 俺はカラダの隅々にまで力をみなぎらせていく。

 

 輝くような肢体を惜しげもなく堂々と全て晒す嫁たちの姿は賞賛に値する。

 しかし、俺も負けてはいない。

 力がみなぎった唯一無二の相棒を隆々とそびえ立たせて、己の存在を鼓舞させる。

 

 まさにカラダひとつで自分自身のやる気を見せつけた、ということだ。


「ほう、ヨウスケもやる気満々じゃないか」


 エルは俺のやる気の権化を見つめて、そうのたまう。


「あなた。これだけ手の込んだお風呂を用意したのですから期待していますわ」


 クリスも挑発的な笑顔を見せている。


 二人とも思考がエロ一色に染まっているので、この星空の下で淡くロマンティックに演出をしたこのお風呂場に全く動じる気配はない。

 

 さすが俺の嫁たち。

 この期に及んではもうこれ以上の言葉はいらない。

 お互いの技と技、カラダとカラダよる正々堂々の勝負しか残された道はない。


 嫁二人は姉妹たちを待たずに俺を引き連れて決戦場(お風呂場)の中心へと歩を進めた。



 かつてないこれほどの強敵に対して己の欲望を優先してはまず勝機は望めないだろう。

 賢者タイム中に勝てるほど甘い相手ではない。


 二人からのやる気オーラはそれほどまでに凄まじい。

 

 そして初戦の相手は当然エルを指名。

 クリスは俺の心情を読み取り、特に不服を述べることもなくこれを了承した。


 手の内を見せてしまっては、エルがその身に受けるインパクトを下げてしまう。

 それに心もカラダの一部もやる気満々の方が俺自身も集中できる。

 

 俺は既に配置していた『ピンポイントウォッシングチェアー』にエルを座らせて木桶で湯船から汲んだお湯を肩口からゆっくりとかけた。

 ちなみに『ピンポイントウォッシングチェアー』とは、エロ以外の用途が考えられない形状をしている丸椅子のことである。


 しかしこの世界には存在しない概念らしくこの形状の椅子は流通していなかった。

 そのため木製風呂を発注したとき一緒に特注したのだが、残念ながら上部が端から端へと中心を通って直線で半月状にくり貫かれたこの椅子の真の用途に気付いた職人はいなかった。


 またもや地球のハイテクノロジーを迂闊にも市井に広めてしまったが、誰も気付いていないのであればどうということはない。


 エルも何の疑問も持たずに座っているし、俺の優位性はますます上がったと言えるだろう。


「じゃあ、髪の毛から洗うよ」


 俺はラーメンのチャーシューを先に食べるような肉食系男子ではない。

 最後にゆっくり食べるムッツリ系男子なのだ。


「なんだ、随分と焦らすじゃないか。――焦らしプレイというやつか?」


「なっ……!?」


 俺は一瞬言葉を詰まらせる。


「――なぜ、それを!? と、言うかなんでそんな言葉を知って……って、聞かなくても分かったから言わなくていいよ。と、いうか言わないで」


 だいたい予想がついたので知りたくない。


「ああ、ゴンジュウロウが好きだったからな。――される方だけどな」


 ――だと思ったから言わなくていいって言ったのに!

 

 エルのエロ趣味なら凄く聞きたいけどクマゴンの隠れ性癖なんて……いや、これも日本へ帰ったあと、俺の食卓を豊かにするネタとなるか。



「まあ、髪なんて適当でいいからな。あまり焦らさんでくれよ」


 ん? あまり、髪には興味がないということか?

 それだと、だいぶ不利に……


 いや、化粧だってすることがあるのだから、無頓着ということはないはずだ。


 と、いうことは、やはりと言うべきか。

 つまり、泡立ちの良いなめらかな感触の洗髪料など知らないのであろう。

 この様子だとエルはこの気持ち良さを分かっていない。


 これならばチョロい!

 

 エルの髪は確かに美しいが、洗髪にはただの石鹸か植物オイルなどの抽出物しか使ったことはない、もしくは水だけ。

 しかも、この地方の水は日本とは違い硬水だ。

 

 この意味するところは……洗い上がりがつやつやしっとりなめらかなど未経験。


 しかし、このお湯は俺が魔法で出した水を沸かしたモノ。

 俺は水を出す際に土魔法を使って水の性質を軟水へと変化させることにも成功している。


 家族であるクリス、アルヴァ、ベアトリス、フローラ、そしてエルを美しくすることに手抜かりはない。

 むしろ、さらに美しくなるという結果がある以上、研究を重ねて努力すること自体がご褒美のようなモノである。

 


 すでに勝利を確信した俺は、意気揚々と【ローズオイル配合つやつやしっとりなめらか特製リンスインシャンプー】をたっぷり使い、エルの髪を洗い始めた。


「奥様、お痒いところはございませんか?」


「特にはないが……これは気持ちいいな」


 最初こそ拍子抜けしていたエルだが、今は目を閉じて幸せそうな様相を見せている。

 毎日フローラの毛類を洗っている俺の手技を以てすれば、これは当然の反応。


 アフロヘヤーと見紛うほど泡を立てての頭皮マッサージ。

 そのあと掬うように丹念に髪を洗い上げてお湯で流す。


「これは石鹸なのか? ずいぶんあたしの知ってるモノとは違うな。髪がこんなに滑らかになるとは。――これもヨウスケの開発品か?」


 驚きの表情で洗ったばかりの髪に触れながらエルが尋ねる。


「そ。髪を洗う専用の洗髪料だよ。石鹸はまた別。今からそれを使って全ての起伏を洗ってあげるけど、既存の石鹸とは別物だから驚かないでよ」


「そうなのか? エロくはないが今のも凄く良かったぞ。――ムフフー、楽しみだなぁ」


 これから始まる悦びへの期待を隠しきれて……隠す気がないエロ熟女は恥ずかしげもなく、さらにエロ発言を続ける。


「ヨウスケ! エロポイントは重点的に頼むぞ」


 もちろん最初からそのつもりだし、こうあからさまに催促をされても調子は狂ってしまわない。

 この熟成されたカラダを眺めている限り、俺の相棒は力強くその存在をアピールし続ける自信があると断言しておく。



 さて、攻略戦を開始しよう。

 クリスたちにしてあげている攻略順路と同じ道筋(フローラを除く)を辿り、同じ戦術で各難所(エロポイントを含む)を次々制覇。

 

 そして密林地帯を越え、ついに最終目的地である『死ぬまでには入ってみたい洞窟』の一つを発見した。


 しかし、焦りは禁物。

 まずは慎重を期すために偵察から始めよう。


 もちろん俺にはマジマジと見る勇気はない。

 エルに気づかれないようにチラチラと見ていたが、クリスがそんな俺の様子をガン見している。


 だが、それは問題ない。

 今にして思えばクリスに対してそんなことを警戒する必要は全くなかったのだ。

 なぜなら、当の本人が覗きによる学習を騎士団宿舎で繰り返していたのだから。

 

 そして、チラ見して見たモノは、俺のような若輩が本来なら見ることなどできぬ神秘的な洞窟だった。


 まさに聖域と呼ぶのがふさわしい!


 触れることを躊躇うほどの神気を感じる。

 しかし! この洞窟内を近い将来攻略させて頂けるのだ!

 だから入念に下調べをおこなう必要がある。

 それに本人の希望もあることなので遠慮をする理由はない。


 自然と口角が上がっていく。――そして、鼻の下も伸びる。

 すでに俺はニヤけたエロヅラをしていたのだが、さらにまだ上がる角度と伸びる鼻の下があったことに驚いた。



 この洞窟が踏破済みなのは分かっているが、俺は何事も自分の手で調べなければ気がすまない性格だ。

 

 探究心溢れる研究好きの冒険者、分かりやすく言うと『チャレンジャー』というやつだ。


 それに10年もの歳月放置されていたという情報もあり、鬼やじゃが出るやも知れぬ。

 今こそ『ピンポイントウォッシングチェアー』の真の用途を活かすとき!


 【ミルキーふんわり泡立ちまろやか石鹸】をしっかりたっぷり泡立てて探索を開始。


 指先が緊張のあまり少し震えてしまったが、それが逆に功を奏したらしく探索を開始してほどなくエルの表情に変化が現れた。


 そして洞窟から源泉が溢れ出し、ついに俺の希望は果たされた。

 一応説明すると、俺の希望とは『恥辱と苦悶にまみれたエルの顔を見る』ことである。

 

 俺は勝利の余韻に浸る時間も惜しんで探索を続けた。

 あまりにもエルの表情が甘美だったので調子に乗っていたのだ。


 そのせいで、警戒を解いてしまい油断をしていた。



 突如、鬼が現れて俺は押し倒された。

 今やエルの表情は先ほどとは打って変わって目が血走るほどの形相。


 何が起きたかは瞬時に理解出来たが、押し倒した俺にのしかかってきたLv122という屈指の実力者をかわすことなどできるはずがない。

 すべては手遅れ、両肩をガッチリと抑えられて全く身動きが取れなくなった。


「ここまできたらちょっとぐらいはいいだろ? なあに、痛くはしないさ!」


「い、いや、やめてー! たすけてー! まだ、心の準備がぁ……」


 正確には『心の準備』ではなく『カラダの準備』である。

 本来なら喜ぶべきところなのだが、クリスとの約束があるので今この身を捧げる訳にはいかない。


 しかし慌てた俺はなにをトチ狂ったのか両手で胸を隠して、有ろう事か狙われた場所を無防備に晒してしまったのだ!


 やはり洞窟内にはじゃが生息しているようだ。――しかも予想を遥かに超えた凶暴な大蛇が。

 

 大蛇は隠れていてその姿は見えない。

 しかし間違いなくいる。――なぜなら洞窟内のその大蛇が、今まさに俺の相棒を丸呑みする勢いで迫って来ているからだ。


 俺は身動きが取れずどうすることも出来ない。


 あわや喰われる、と思ったその刹那に黄金色を棚引かせる何かが視界に入る。

 とっさのことで俺は一瞬何が起きたか分からなかったが、俺の相棒は間一髪で助かったことだけは分かる。

 大蛇の住まう洞窟は障壁に阻まれ俺の相棒を飲み込むことは出来なかったようだ。


 実は金髪の女神が俺の相棒を両手で包み込んで鬼が飼っている大蛇からその身を守ったのだ。


 俺の名誉の為に一応言っておくが、女神の両手で包み込まれていると言っても、ちゃんとはみ出している。

 手の平にすっぽり収まってはいない!


 これは見栄でもなんでもない。

 れっきとした事実である。


 獲物を喰らい損ねた大蛇の飼い主、エルが怒りこそしないが不満をぶつけてきた。


「これを我慢するのは地獄だぞ! エロ石鹸とエロ椅子まで用意したエロ旦那のエロ技でここまでされたら、もう我慢できん! このままじゃ寝れないし不完全燃焼で明日は冒険者やろうどもに八つ当たりして怪我をさせる危険すらある!」


 ギルド長がそんな理由で怪我をさせても罪に問われないのかは疑問だが、エルの形相を見る限りはこのままでは引きそうもない。


 それと……ほかはともかく、石鹸はエロくない。


「エル様のお気持ちは分かりますが、お願いですからもうしばらくお待ち下さい。事が済みましたら、エル様が満足するまでヨウスケにポーションを飲ませながらお相手させるとお約束しますわ。――もちろん、わたくしも一緒にですけれども」


 何やら色々とおかしな話だと思う。

 その約束を果たすために使われるポーションを作るのも俺なのだから。


「うううー……仕方がない! 嬢ちゃんの手前、無理矢理はできんからな。――ヨウスケ! 責任とってあたしが満足するまで今のを続けるんだぞ! そのあとは嬢ちゃんだ。それが終わったらあたしらがヨウスケにガッツリ修練をしてやるから最大限の努力をしろよ」

 

 どうやら俺にばかり負担がある妥協案で合意を得たが、もちろん不満はない。

 それどころか俺の意思など全く関係なく話を進めるクリスとエルに俺は惚れ直してしまった。


 だって、積極的な金髪美女と美熟女だよ?

 男冥利に尽きるってなもんだよね!


 それから、俺は頑張った。

 凄い頑張った。


 そして凄い頑張った俺にエルとクリスと……いつの間にか参加をしていたベアトリスが凄い修練をしてくれた。

 おかげで俺は、この美しい星空に向けて自分自身の全てを乗せた盛大な花火を打ち上げることが出来た。


 ちなみにフローラはアルヴァと一緒に湯船に浸かりながらお星様を眺めていたので、俺たちが何をしていたかなど全く知らないと明言しておこう。


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