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第84話 イヴはどうする?

月日は流れてゆく。川の流れと同じ、いつの間にか過ぎ去ってゆく。


文化祭の日からもう2ヶ月ほど経ち、現在は12月下旬。寒さが増してくる嫌な時期だ。一日一日が早く感じられて、いつの間にか雪がちらつき始めていた。


ここら辺は冬が厳しい。雪だって結構降る。子供たちは嬉しいだろうが、大人たちはそういうわけにいかない。雪かきやタイヤ交換が面倒なだけだ。


そんな厳しい季節にも、イベントというものはある。楽しく大人数で過ごす者もあれば、たった1人だけで孤独に過ごす者もいる。2人だけで楽しむ者たちも当然いる。





そのイベントとはご存知の通り、イエス・キリストの誕生日である12月24日にある、










―――クリスマス・イヴだ。









「ってことで、だ。恒例のイベントを催したいところなんだが・・・今回は恵利と2人っきりになりたいからってことでなしな」


「すげぇ自分勝手ですね!!」


「いや〜・・・はっはっは! すまんすまん! 悪いと思ってるぞ!」


「それ嘘ですよねぇ?!」


「うるせぇい!! イヴは恵利といちゃいちゃしたいんじゃいヴォケ!!」


「キャラ変わってますけど?!」


夏休みにたくさんのイベントを計画してきた博人だったが、今回だけは何もやらないようだった。理由は今の会話の通り。・・・まぁ、2人きりで楽しみたいというのもわからないわけではないのだが。


「お、何だ。楽しみにしてくれてたのか」


「まぁ、楽しみじゃないって言えば嘘になるけど・・・仕方ないだろ。いくらなんでも博人たちの邪魔はできないって」


「おぉ、そこまで汲んでくれるようになったか! さすがだな!」


「あんた達のいちゃいちゃしてるところをたくさん見せ付けられたらね!!」


「はっはっは。まぁ、そこら辺は物分かりがよくて助かった。・・・ところでお前、明後日空いてるか?」


博人のいきなりの質問。

明後日は24日のクリスマス・イヴ。博人の計画で、てっきりみんなと一緒に遊びにいくものだと思っていた刹那に、用事なんてあるわけがなかった。・・・というか、何でそんなことを訊くのだろうか。さっきは恵利と一緒に過ごすっていってたのに。


言いたいことはあったが、とりあえずは博人の質問に答えることにする。


「・・・まぁ、空いてるけど」


「おうっし、わかった。それじゃ俺これから用事あるから! じゃあな!」


「待て! 何でそんなことを訊くんだ! おーーーい!!」


刹那が呼び止めようとするが、博人はすでに教室の外へ出てしまっていた。


「・・・く、早い」


普通に走っても早いが、逃げ足はさらに速い博人だった。

あとを追うようにドアから廊下を覗くが・・・すでに博人の姿はなかった。


「何なんだよ・・・・・・」


博人の質問の意図がわからないまま、刹那は鞄を掴んで教室をあとにした。





+++++





学校を出て、校門の辺りにさしかかったところだった。


「せ、刹那〜〜〜!」


「え? あ、理恵さん」


声に気づいて振り返りと、理恵が手を振りながら走ってこちらへとやってきた。・・・どうやら、偶然姿を見つけて追いかけてきてくれたらしい。それが何だかちょっと嬉しかった。

膝に手を置いて呼吸を整えたあと、話し始めた。


「えっと・・・・・いきなりなんだけど、刹那ってイヴに予定入ってないのよね?」


「え? ・・・あぁ、博人が喋ったんですか」


そのことはまだ博人にしか話していない。それなのに知っているということは、その博人が話した意外にありえない。・・・どうして博人が理恵に話したのかまではわからないが。


「えっと、そうだけど・・・いいじゃないそんなこと!」


「・・・まぁ、いいですけどね」


少々ごまかされた感じがあったが、触れないことにする。・・・ちょっと気になったが。


「・・・それで、なんだけどね」


「なんですか?」


理恵はもごもご、としばらく口ごもっていたが、やがて決心したかのようにまっすぐ刹那の目を見つめて口を開いた。


「その・・・一緒に、遊びにいか、ない?」


「? でも、博人たちは2人きりがいいって言ってましたよ?」


「そうじゃなくて! えっと・・・ふ、2人で、よ!!」


「あ、そういうことですか。いいですよ」


刹那は笑顔でそう言った。


別に何か特別な用事でもあったわけではないし、理恵とじゃ行けないという理由もない。

むしろ、一緒に行って楽しみたいという気持ちさえある。・・・断る理由はないが、喜ぶ理由なら大いにある。ぜひご一緒させて頂きたい。


「え! ほんと!!」


「ええ、本当です。一緒に遊びに行きましょう」


「―――――――!!」


笑顔のまま自分を抱きしめて、声にならない喜びの声を上げる理恵。そのままくるくると回ったり、飛び跳ねたりなどして全身で自分の感情を表現している。・・・そこまで喜ばなくてもいいと思うんだけど・・・。


「理恵さん、理恵さーん」


「ひぇ?! あ、な、何!?」


「いや、どこか遠い世界へ行っていたので。大丈夫ですか?」


「だ、大丈夫よ! それより、約束だからね!! 破っちゃだめなんだからね!!」


「ははは、大丈夫ですよ。約束します」


「うん! それじゃ、帰るわよ! ほら、ぼさっとしないの!」


「あ、待ってくださいよ理恵さん!」


先へ走っていく理恵を追いかける刹那。

こうして2人は、イヴに遊びに行くという約束をしたのだった。




・・・ちなみに帰り道、理由はわからないが、理恵は終始ご機嫌だったらしい。


と、いうわけでイヴ編始まりです。

フラグは今のところ理恵ですが・・・・・?

これからも「殺し屋」よろしくお願いします!

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