第35話 海へ!!
買い物をしたあの日から約1日が過ぎ・・・・・時は来た。
「いざ行かん!!! メガネと水着とナイスバディのお姉さんがたくさんいる海へ!!!」
「お前絶対変態だろ? ってか女の子の前でそういうこと普通は言わないもんだぞ」
ぐっと、拳を握って熱弁する博人に罵声を浴びせる刹那。
「俺はめげない! 何度でも言ってやるさ! 水着のお姉さんこそ男達の夢だからだ!!」
「某映画に怒られるぞ」
天〇の〇ラ〇ュタのム〇カの有名なあのセリフを言う博人。
「ひ、博人君・・・・・私がいるのに・・・・・」
博人の熱弁を聞き、よよよと泣き崩れる恵利。
「でも・・・・・たくさんの水着姿の女の子の中で、一番輝いてるのは・・・・・恵利、お前だぜ」
「ひ、博人君・・・・・」
「・・・・・だめだこいつら」
呆れてため息をつく刹那。
「ふふふ。本当に面白い子達。今日は楽しくなりそうね」
やり取りを見て、笑みを浮かべる里奈。
「そうだね。海なんて・・・・・何年ぶりだろ」
幼い頃、一度だけ行ったことがある海に、もう一度行ける、という喜びを抑えきれない玲菜。
「ほら!! 電車着たわよ!! そんなにいちゃいちゃするって、なに考えてるのよ!!」
顔を真っ赤にしながら、博人と恵利のやり取りを注意する理恵。
6人は電車に乗り込み、目的地である海へと出発した。
電車に揺られて約1時間、刹那たちは海の近くの駅へ到着した。行く予定の浜辺は、駅から歩いて2分ほどという距離で割と近い。まぁ、だからこそここを選んだわけだが。
そして駅から歩いていくこと約2分。刹那たちは、ついに待望の海へ到着した。
「ついた〜〜〜!!!!」
「声大きいっての!」
「水着のお姉さんがいっぱいだ〜〜〜!!!」
「マジでうるさいから止めてくれない?!」
両手を広げ、欲望丸出しで思い切り叫んでいる博人にツッコミを入れ、刹那はレジャーシートを広げた。・・・・・博人が叫びたくなる理由もわからなくはない。青い海、晴れ渡った青空、数こそあまり多くはないが、確かに存在している水着のお姉さん。男なら泣いて喜びたくなるシュチュエーションが目の前にある。これで喜ぶなというほうが無理というものだ。
各自背負っていた荷物を、広げたレジャーシートの上に置き、みんな伸びをして海を眺めた。
「それにしても、いい天気ですね。絶好の海水浴日和ですよ」
確かに、恵利の言うとおりだ。まだ7月と言っても十分すぎるほど輝いている太陽の光が、海面と砂浜に反射して眩しい。青い空を見上げてみると、大きな入道雲がちらほら見える。
こんないい天気の中で海水浴をすれば、とても気持ちいいこと間違いないだろう。
「ほんとね。それじゃ、あたし達女性陣は先に水着に着替えちゃおっか」
里奈は、刹那の家では見せない『大人のお姉さん』的な感じで理恵たちに提案した。・・・・・家でもこんな感じだったら、とため息をつかずにはいられない。
「はい、わかりました。・・・・・あ、あんたら覗くんじゃないわよ!! の、覗いたら怒るんだからね!!」
「だ、大丈夫ですよ理恵さん。刹那たちはそんなことしませんって」
「はっはっは!! 大丈夫ですよ理恵さん!! 俺が刹那を見張っておきますから!!」
「あんたに見張られたくないよ!! ってかむしろ俺がお前を見張る役だろ?!」
「えぇ〜〜!!」
「えぇ〜〜って何よ?! えぇ〜〜って?!」
「あ、あはは。それじゃ刹那、着替えてくるね」
「え? あ、いってらっしゃい。覗きに行ったりはしないから、安心して着替えてきてくれよ」
「うん、ありがとう」
にこっと笑いながら、玲菜は先に行った女性陣を追いかけた。・・・・・それにしても、玲菜の水着か・・・。一体どんなのだろうか? 気になる、とても気になる。見てみたい・・・。
「なぁ〜んだ。やっぱお前も覗きたいんじゃないかよ。餌の時に待てって言われた犬みたいな顔しやがって」
「違うわ!! 純粋に玲菜の水着が見たいだけだ!!」
「かぁ〜・・・・・ご指名かよ。理恵さんが聞いたら何て言うか・・・」
「? 何で理恵さん?」
「鈍感野郎には一生わからない話だ」
「???」
腕組みをして本気で悩み込む刹那を見て、博人はため息をつかずにいられなかった。お前はどこまで鈍感なんだよ、と。
やっとこ海にたどり着きました・・・・・。
まだ春だっていうのに(汗)
これからも「殺し屋」よろしくお願いします!