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第13話 お姉ちゃんの部屋掃除!?

それからしばらく経ち、博人たち来客組は帰ろうか、という話しになり、それぞれ自宅へと帰って言った。

博人たちが玄関から出て行った途端、里奈はにへらっと笑って玲菜にくっつきだした。


「玲菜ちゃ〜ん、みんなあたし達のこと仲が良いって言ってたよ〜。お姉ちゃん嬉しい!!」


「・・・私は嬉しくない」


「ひどッ!! お姉ちゃんとってもショックだよ!! でもそんな玲菜ちゃんが好きよ!!」


刹那は玲菜と、玲菜に抱きついて本当に嬉しそうな顔をしている里奈に声をかけた。・・・それはもう恐る恐ると。


「・・・あの〜、取り込み中のとこ悪いんだけど、ちょっと手伝ってくれないかな、2人とも」


「うるさい!! あっち行け!!」


「ここ俺ん家でしょ?! しかも、今からあんたの部屋作るんですけど!!」


「え? お姉ちゃんの部屋、今作るの?」


「早めのうちにやっておかないと、玲菜が困るだろ? まだ6時くらいだから大丈夫だよ」


「・・・別にあたし、玲菜ちゃんと一緒の部屋でも・・・」


「やだ!!」


「だめです」


「・・・うぅぅ・・・って、何であんたが拒否するのよ!!」


「何か今夜辺りやらかしそうな気がしますから」


「・・・・・・」


「黙ってないで否定しようよ!! 嘘でもいいからさ!!」


「・・・刹那、行こ。今日中に何とかしてお姉ちゃんを閉じ込める部屋作らないと」


「閉じ込める?! ってうぉ!! 引っ張るなって!」


玲菜にずるずると引っ張られ、刹那は物置のほうまで引きずられていった。そのあとから「待ってよぉ〜」という里奈の声がしてくる。

そのまま引きずられること数秒、刹那たちの前には今から里奈の部屋になる予定の物置のドア。そのドアを開けて中を見る。相変わらず荷物があり、日当たりが悪いせいかじめじめしていた。・・・まぁ、掃除とかすればなんとかなりそうだな。


「ん〜。日当たり悪いわねぇ。狭いし、ほこりっぽいし、玲菜ちゃんもいないし」


「あんた贅沢だよ!!」


「そうだ、あんたの部屋と交換しよ。いいでしょ?」


「いいわけあるかぃ!!」


「お姉ちゃん! いいから早く始めるの!」


「は〜い・・・。あんたのせいで怒られたでしょ!!!」


「俺のせいかよ!!」


なんだかんだで、3人は作業を開始した。

とりあえず、里奈が寝られる分のスペースは作らないといけない。そうしないと玲菜がかわいそうだ。・・・色んな意味で。

そこら辺に置いてあるのは、壊れたタンスやもう使うことない食器棚。くもの巣が張った本棚に、足の折れた椅子。極めつけは、刹那の父親が買ってきたわけのわからない、しかもわりと大きな木彫りの人形。不気味に微笑んでいてピースをしている。なめてんのか、と言いたくなるほどひどい人形だった。・・・みんな捨てたくとも捨てられなかったものばかりだ。運ぼうにも1人では無理だし、木彫りの人形に関しては捨てるのが恥ずかしい。


「ん〜・・・確かに、これじゃちょっと片付けが大変ね。ちょっと刹那、ここの物っていらないやつしかないんでしょ?」


「え? はい、いらないものしかないですけど・・・」


刹那がそう言うなり、里奈は部屋から出て行った。いきなりの行動に、刹那と玲菜の頭に?が3つほど浮かんだ。


「・・・里奈さん、何で出て行ったんだろう」


「わかんないよ、お姉ちゃんの考えてることなんか」


そう話していると、里奈が戻ってきた。・・・手に立派な日本刀をぶら下げて。その日本刀は、里奈が刹那の家にやってきたときに持っていた、天上天下と刀身に掘られているあの黒い刀だった。そう、里奈が刹那を粉々にしようと振るった里奈の愛刀。

里奈はすっと鞘から黒い刀身の日本刀を抜き、独特の金属音を鳴らしながら構えた。




・・・え?




「いぃぃ!!? ちょっと待ってくださいよ!! 俺玲菜に何もしてませんよ!!」


里奈に叩っ斬られると思ったのだろう。必死になって弁解する。ってか怖い!! この人なら殺りかねない!! いつ斬られてもおかしくない!!


「斬らないわよ」


そう言うと、里奈は一番近くにあった木彫りの人形まで寄ると、思い切り振りかぶってから勢い良く人形めがけて刀を振り下ろした。





ゴゥッ!!!





辺りに凄まじい風が巻き起こり、周囲の重いものは揺れ動き、軽いものは空中に舞った。里奈の刀は床すれすれで止められており、床には木彫りの人形の代わりに木屑が散らかっていた。・・・そう、人形は里奈の振るった刀に耐えられず砕け散ってしまったのだ。


「片付いたっと♪」


「片付いたじゃねぇよ!! 危ないでしょ!!」


「大丈夫だってば。あんたはともかく、玲菜ちゃんには絶対当てないから」


「『ともかく』って何ですか!! ってか、絶対危ないですってば!!」


「刹那、大丈夫だよ。お姉ちゃんが狙いを外すわけないもん」


「さすが玲菜ちゃん! お姉ちゃんのことよくわかってるわね!! ってことで、あんた下がってなさい。剣圧に巻き込まれるわよ」


刹那は渋々下がったが、やはりちょっと不安であった。家はまだ新しいほうだ、床に穴でも開けられたらたまったものではない。ちょっとした力加減の間違いでメゴッ!! なんていったりして・・・・。

そんな刹那の不安をよそに、里奈は次々と物置にある荷物を破壊・・・いや、片付けていった。その片付けぶりは、もう清々しくなるほどのものだった。荷物のあるところまで歩いて行き、刀を振り上げて粉砕。そしてまた次の荷物へ行き粉砕、という具合だ。・・・ってか、この人本当に人間なのか? 実は未来からやってきたサイボーグでした〜とかっていうオチじゃないだろうな。


「ふぅ、終わったっと。じゃあ刹那、後片付けよろしく」


チャッと刀を鞘にしまい、そのまま物置を後にした。

辺りはものすごかった。木片やひしゃげたネジや金属片がそこらじゅうに転がっていて、いかに里奈の刀の威力が強いかを物語っていた。・・・里奈さんに狙われるターゲットに同情する。間違いなく殺される・・・。


「玲菜もこんなことできるのか・・・?」


「ここまでは無理だけど、バラバラにするくらいならいけるかな?」


「・・・さいですか」


・・・もし玲菜たちに狙われたら、そのときは潔く諦めよう。刹那は自分の心の奥底でそう誓ったのだった。


見てくれる人がいれば頑張れます。

たくさん居れば居るほど頑張れます。

一言でも面白いよ、と言っていただければとても頑張れます。

これからも頑張っていきます。「殺し屋」よろしくお願いします!!

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