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第126話 大事件発生!?

町内を散歩するということを、刹那はあまりしない。

毎日通っている道だし、別に改まって見なくてもどうってことないだろうという考えからだった。

しかし、いざこうやって落ち着いて歩き、周りの物を見渡していると、登校中には気がつかなかったたくさんのものがあると気がついた。

道端に咲いている小さな花。

他人の家の庭で花を咲かせている桜の木。

電線の上でさえずっている小鳥。


{春だな〜・・・}


何でもない普通のものが、季節を教えてくれる。

これは慌てて登校しているときでは絶対に気がつかないことだ。

心を落ち着けて、こうやって辺りを歩くというのも、なかなかいいものだった。


{・・・そろそろ帰るかな}


刹那が散歩に出てからそろそろ小1時間近く経つ。さすがに戻っていいはずだ。

身を翻し、刹那は家へと歩を進めた。









「ただいま〜」


玄関を開けてそう言う。

だが、返事は返ってこない。玲菜も里奈も家にいるはずなのにだ。


{どっか出かけたのかな?}


そう頭に思い浮かんでくるが、きちんと並んでいる玲菜と里奈の靴がそうではないと証明している。

・・・手が離せないことでもしているんだろうか?

まぁ、このまま玄関で考えていても仕方がない。

刹那は2人がいるはずの居間へと向かった。


「・・・ん?」


いなかった。キッチンのほうをちらっと見ても、2人の姿は見当たらない。

・・・どこへいったのだろうか。

う〜んと腕を組みながら考えていると、ジャーという水の流れる音が聞こえた。

もしかしなくても、トイレの音だった。

でもおかしい点がある。


{・・・2人で?}


学校やらの大きいトイレでならわかるが、家のトイレを2人一緒に使うなんて聞いたことがない。

・・・いや、でもあの人ならやりかねない。

玲菜のあとを追って仲良く〜・・・ってふうになってても、あの人だったらおかしくない。





ってか待て。それだとあの人、いよいよ変態じゃないのか? だっておかしいだろ、いくら好きでも一緒にトイレ入るか? 入らないだろ。それなのにあの人は入っていってるじゃないか。これはどう考えても変態だろ。まぁそれは前々からわかってたことだけど、これはどうも度が過ぎる。トイレだぞ? トイレなんだぞ? いくら好きでも一緒にトイレ入るか? 入らないだろ。って待て、これさっきも思った事だ。あの人の変態っぷりに、どうも俺の頭がおかしくなってしまったかもしれない。ウイルスだ。里奈さんの変態ウイルスが入ってきたに違いない。あぁ、このままだと、俺まで変態になってしまう。あの人のように、毎日毎日玲菜ちゃ〜んとか言いながら玲菜を抱きしめにいくようになってしまう。・・・いや、別にそれは悪くはないけど、危なすぎるだろ。普通に考えてさ。捕まるっての警察に。そんなのも嫌だ―――


「あんたさ、考えてることだた漏れだから。誰が変態よ、だ・れ・が!」


「え・・・どわああああああああ!!」


声に気がついて振り返ってみた先には、玲菜と里奈が。


「玲菜ちゃんがいきなり具合悪くなったの。それで心配だったからついていっただけであって・・・一緒にトイレなんて入ってませんけど?」


「い、いやぁ・・・やりかねないって思いまして・・・。って、玲菜が具合悪いって」


「うん、ちょっと・・・吐いちゃった・・・」


もじもじしながら、そう言う。

・・・吐いたってことは、かなりやばいんじゃないのか? 風邪か何かだろうか?

いや、待て。ひょっとして・・・変なウイルスにでもかかったんじゃないのか?


「玲菜、大丈夫なのか? ね、熱は! あ、あと腹痛とか・・・それから、えっと・・・!」


「落ち着きなさい、さっきあたしが訊いたから。・・・でもおかしいのよね。だってさっきまで普通だったのに、いきなり吐き気って・・・。玲菜ちゃん、他に変なところない?」


「え? ・・・えっと、その・・・」


里奈が訊いた途端、玲菜は顔を赤くして、刹那のほうをちらちらと見ながらもじもじし始めた。

・・・何なんだろう。恥ずかしがっているのはわかるが、何を恥ずかしがっているのかがわからない。

刹那が頭に疑問符を浮かべている中、玲菜はぼそっと顔を伏せながら呟いた。


「その・・・止まってるの・・・」


「止まってるって、何がだよ玲菜?」


「えっと・・・・その・・・お、お姉ちゃん・・・」


何のことやらわかっていない刹那に視線を受け、助けを求めるように里奈を見る玲菜。

里奈も最初は何のことやらといった表情をしていたが、玲菜の態度を見ているうちに・・・なぜだか顔をひきつらせていた。


「・・・ちょ、ちょっと玲菜ちゃん。聞きたいことがあるんだけど・・・」


慌ててというか、何というか、里奈には似合わないおどおどとした態度でそう言う。


「・・・・・」


「その・・・刹那と・・・した、の?」


・・・え? した? した、というと・・・・・え?


・・・・・・・・・・


・・・・・・・・


・・・・・・


・・・・


・・・・・!!





「うおおおおおおおおおおおお!!」




里奈の言葉の意味がようやくわかり、刹那はぼっと火が出るのではないかというくらい顔を赤くした。


待て、待て待て待て! あれがわかったら・・・殺される! 絶対に殺される! もう100%! 全身をバラバラにされてしまうぞ!


「あ、玲菜! ちょっと―――」


「(ッキ!!!)」


「ぅ、ご、ごめんなさい・・・」


すんげぇ殺気のこもった目で睨まれた刹那。

・・・これじゃ何も言えない。言ったら細切れにされる。で、でも、止めないと殺される。

あぁ〜もう! どうすりゃいいんだよ!!

頭を抱えて悶絶する刹那を無視し、里奈は顔を真っ赤にしている玲菜に尋ねた。


「それで、どうなの・・・?」


「・・・・・(こくり)」


うぅぅぅああああああああああああ!!!

終わった!! 終わってしまったよ俺の人生!!

あぁ・・・ほら、里奈さんがすごい形相でこっちに向かってくる。


「ふぅ〜ん・・・あんた。あたしの玲菜ちゃんにそんなことしたんだ。へぇ〜・・・。これってさ、ちなみに世間一般で言うところのさ、『妊娠』って言葉に当てはまるわけよ。

妊娠させちゃったんだ〜・・・。刹那君がね〜・・・ふぅ〜ん・・・」


こここ、怖い!! 怖すぎる!!

っひ、何か背中からゾクゾクしたものがこみ上げてくる!!殺気か?! これが本物の殺気なのか?!







ガシッ!!







里奈が刹那の肩をがっちりと掴んだ。そして、一言。


「・・・・・お、おめでとう」


・・・殺気を込めて言われても嬉しくありません・・・。



これからも「殺し屋」よろしくお願いします!

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