表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LIVING LEGEND  作者: 星月夜楓
最終章 生ける伝説
97/106

第六話 絶対に連れて帰る

前回のあらすじ

リーファンとの死闘が始まった。始めから全開だった俺たち。戦いは第二幕へと進む。

 鈍い音が鳴り響く。拳と拳の打ち合い。どちらかが倒れるまでひたすら殴り続ける。出血などお構いなしだ。双方回復を意識する暇などない。

 意識が途切れそうだ。今の俺はロロと共にいる。痛みは分割される。とはいえ、それはリーファンだって同じ条件だ。

 一度引き下がり、俺は光の玉を、あいつは闇の玉を放った。双方ぶつかり合い、爆発。岩盤が見えるほど、抉れた。

 煙が消えると再び突撃し、俺の右腕と奴の左腕が衝突する。お互いの腕はその衝撃によって神経が壊れ、血管が破れ、最後には上腕が千切れた。回復はしない。できるはずもない。奴は止まらなかった。出血を利用して俺の顔に血をぶちまけてくる。眼をやられる。が、俺もまた同じことをしていた。

「がぁあああああ!!!」

 眼が焼ける。こればかりは回復に専念しなければ。左目に意識を集中させ、即時回復を促した。

 やがて視界が回復すると、リーファンは蹲っていた。

「リーファン、終わりだ……諦めろ……俺に勝てるわけがないだろう……」

「だ、ま、れ……」

「同じ条件下でこのザマだ、お前には回復能力がない」

 言いながら俺は完全回復を終えた。

「黙れ、黙れぇえええ‼︎‼︎‼︎」

「っ!」

 凄まじい気迫だった。奴もまた、回復をしていたのだ。いや、それだけではない。黒い大鎌を創り出し、翼を増やした。

「死ね!」

 翼から大量の羽根を飛ばしてきた。一つ一つの強度は鉄並み。それが一つに重なりダイヤモンドの硬さとなっていた。

「ぐぁっ……」

 不意打ちだった。腹を貫かれ、先端は地面に突き刺さり、その場から動くことができない。

「終われ! 終われ‼︎ オワレェェェエエエエ‼︎‼︎‼︎‼︎」

 大鎌により首が刎ねられる。そして柄で核を破壊しようとしてきた。首を刎ねられることはもう何度も喰らった。体が動けない状況もだ。その対策くらいできている。全神経、全細胞個々に俺の意識はある!

 核に柄が触れた瞬間、融合を解除、ロロを跳ね飛ばし、俺は自らを原子レベルにまで分解した。

「なっ⁉︎」

 核はただ吹っ飛んだだけだった。即座に核に再結合し、再生をする。

「がはっ……」

 正直なところ、無茶苦茶な判断だった。もし戻れなかったらどうする、戻れたとしても正常に再結合しなかったらどうする、などという不安があった。だが、何とかなった。

「リーファン! もう諦めろ!」

 今だに俺は吹っ飛ばされてはいるが、それを利用して転移術を発動し、勢いをつけたまま奴に殴り付けた。

 それにより強制的融合解除をさせることに成功した。再び融合される前にギギを擬龍化して頭を噛み砕き、爪で引き裂いた。

「……意地でもお前を連れて帰る」

 ぐったりとしていたリーファンは、なお闘志を秘めていた。

「まだ終わっちゃいねえ」

 ゆらりと立ち上がり、虚ろなその目はどこか昔の俺を思い出させた。

「これが……最終幕だ……レイン……今度、こそ……終わらせ、る……」

「はぁ……いいだろう。まるでお前は子どもだな。……だが、そんなことは知ったことではない! 例えお前がどれだけ俺を憎んでいたとしても、お前がどれだけ力をつけようとも、俺はお前を超え続けていくだけだ! そしてお前が本来いるべき世界に絶対に、絶対に連れて帰る‼︎」

 それが俺の自己満足だとしても。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ