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LIVING LEGEND  作者: 星月夜楓
第一章 戦う理由
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第三話 残酷な現実

前回のあらすじ

俺は戦うことを迷っていた。俺は、全力を出せそうになかった。俺は、俺を、見失いそうになった。俺は、俺自身の、戦ってきたわけを見つけた。

 この世に生まれた償いをするために俺は戦っている。俺のせいで何人も死ぬはめになったのだから。

 戦う理由がわかった以上、迷いはなかった。

「いきなり動きが鋭くなった⁉︎」

「甘い……!」

 剣を仰け反らせ、蹴る。その勢いは絶と滅に当たる。

「お前……!」

「本気を出せ、と言ったのはそっちだ……」

「だったら! こうしてやる!」

 リーファンが闇魔術を出そうとしてきた。人間は魔術を扱うことができない。リーファンは人間をやめてしまったのか。これもまた俺のせいなのか。だというのであれば、俺は尚更止めないといけない。

「どっちが化け物だ……!」

 天地刀を突きたて、突進する。何としてでも魔術を発動させるわけにはいかない。腕を切ったとしても。リーファンが人間であることをやめさせるわけにはいかない!

「「リーファン様!」」

 絶と滅が動き出す。俺は止まることができなかった。

 そして。

「ガハッ!」

「……」

 俺は、二人を貫いていた。

「あ……あぁ……ぁあああああ!!!」

 天地刀の、その圧倒的な長さにより、簡単に二人を貫通してしまった。

「リーファン様……お役に立てましたか……?」

「やめろ……死ぬな……」

 俺は剣を引いた。聞きたくもない音がする。俺はまた殺してしまった。何故殺した。何故止まれなかった。

「……レイン……レィイイイイイインンン‼︎‼︎」

 リーファンは血涙を流す。その涙は血でありながらもドス黒かった。同時に闇魔術が発動された。

 無抵抗の俺はただ吹き飛ばされた。俺の心は二人を殺してしまった後悔だけだった。

 前が見えない。生きているのか。リーファンはどこへ行った。声もしない。何も聞こえない。

 やがて視覚が回復すると、リーファンは二人を埋めていた。

「リーファ……」

「来るなぁあ!!!」

「っ!」

「次にお前と会ったら殺す……今度こそ殺してやる!!! この血も涙もない化け物め!!」

 そう言い残し、リーファンは消えた。

 本当に二人を殺したのか。地面に這いつくばり、現実を噛みしめる。そうだ、死んだのだと。残酷な現実を、受け止めないと。

「絶……滅……」

 そのまま意識を失った。

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