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LIVING LEGEND  作者: 星月夜楓
第八章 ユディナ帝国
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第二部 エピローグ 結末への鍵

前回のあらすじ

帝国は崩壊した。

 戦争の犠牲者は約三百人だった。三部隊が失われたということになる。だが、その代わり得たことは大きい。帝国によって植民地であった小国群の解放、帝国軍による捕虜の解放、ユグドラシルの魂の解放、そして何よりもデグラストルとの因縁の決着。帝国は解体し、新たな国になろうとしていた。

 レンは俺の元から離れ、もう一度ユグドラシルで祖母と暮らし、再建を試みると言った。もちろんその時彼らの家をユグドラシルに持って行った。


 あれから二年と少しが過ぎた。俺は二十一歳となり、いよいよ過去の俺が試練を受ける頃だと感じた。頑張れよ、過去の俺。同じことをやるだけだと思うが。デグラストルで修行していたジョウを光の国に帰す。そしてジョウに改めてその試練に関しての言伝を預けた。


 そして聖都に向かい、絶乱戦無一家を訪れる。師匠との対決だ。

「覚悟はいいな」

「いつでも……!」

 木刀で勝負する。死ぬことはないが、下手すれば骨折はするだろうな。当然、魔術等も使えない。

 師匠は俺の力を知っているが故に鍔迫り合いをせずにただ避ける。俺が疲れるのを狙っているのか。いや、元々師匠はこういう戦闘スタイルだ。敵の攻撃を受け流しつつ、自分のペースに持ち込む。そのペースに入ると、鬼のように(実際に鬼だが)攻撃をしてくる。

「中々隙ができないな」

「師匠もです」

 お互いに牽制し合う。まずいな、この硬直状態が続けば、師匠のペースに入ってしまう。打開せねば。たとえ隙がなくても、攻撃しなければならない。たとえ受け流されても、だ。

「師匠は強い。……だが、師匠すらも俺は超えてやる!」

 とにかく打ち込んだ。隙がなければ作ればいい。避ける師匠に必死で食らいついていく。その内段々と師匠の動きに慣れる。

「やるな……!」

 遂に、師匠が木刀で応戦し始めた。

「まだ……まだこれから!」

 更に速さを上げる。まだ、足りない。もっと、もっと速く動かなければ。師匠はまだまだ余裕そうだった。

「な……!」

「焦ったな」

 逆に俺が隙を作ってしまった。木刀を振り切った状態、俺は硬直し、師匠は木刀を振り下ろした。

 カァン!

「な……に……」

 気付くと、あり得ない動きで振り下ろされた木刀を払っていた。そして、師匠に木刀を向ける。

「強く……なったな」

「今のは……一体どういうことだ? 師匠、これは一体」

「俺にもわからん……ただ、お前が人間でないことはよくわかった」

「そうですか……」

 まだ何か俺にあるというのか。

『我が力……我が闘争本能』

「ぐっ……」

 また、あの声だ。五年前のあの声。

「どうした、レイン」

「『我は絶対の力を有し、絶対の力を持って、全てを制する』」

「お前、レインじゃないな……!」

「『我が名は絶対神。覚えておけ』」

「絶対神……おい、レイン!」

「父上!」

「蒼鬼、大丈夫だ。彼は気絶しただけだ。部屋に運ぼう」


 目が覚める。どうやら俺は気を失って、かつて使っていた部屋に運ばれたみたいだ。

「起きたか」

「……師匠、俺は気絶したのですね」

「ああ……だが、気絶する前にお前ではなく、お前の中にいる何者かがこう言っていた」

 師匠から説明される。あの時の現象みたいだ。俺は、俺自身の全てが明らかになったのではないのか。まだ、足りない部分があるというのか。

「とりあえず休んでおけ」

「はい……」

 絶対神、今まで俺が勝ててきたのも、こいつのおかげなのか。歴代最強と言われてしまったこの俺は、俺ではなく絶対神がそうさせたのか。

「少し、悔しいな……」


 彼はまだ、己の力を知り尽くしていない。知り尽くした時、彼は本当の力を得る。

 そして、リーファン達も動き出す。彼らは一体何をしているのか。これから先の彼らの行方はどうなるのか。

結末への鍵は、全てレインが握っている。

お疲れ様でした。これにて第二部終了です。いよいよ最終部となる第三部です。第二部ではリーファン達がほとんど(というか絶と滅が一度だけ)出てきませんでしたが、第三部は彼らが中心となります。

第二部はレイン個人の復讐と一族の復讐の話。

では第三部はどうなるのでしょうか。まだ全ての謎は解き明かされてはいません。彼の呪いは解けていませんからね。一体誰が呪いをかけたのでしょうか。その話こそが第三部です。よろしくお願いします。

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