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LIVING LEGEND  作者: 星月夜楓
第三章 宝玉探しの旅
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第八話 武器

前回のあらすじ

宝玉の祠に行った俺は残りの宝玉の数を確認することができた。そこで風と無の宝玉を手に入れる。そしてオルレインから次に伝えられたことは武器を確保しろ、ということらしい。

 デグラストルに帰った俺は、まず宮殿の王座に向かった。あまり俺は王座が好まず、近づくことはなかったのだが、今回は別だ。

「……この剣か」

 王座の後ろの壁に剣がかかっていた。何の変哲もない刀身、刃渡りは三十センチから四十センチくらいか。かなり短い。ちなみに天地の剣は一メートル五十センチだ。前に使っていた剣と、このレイガリングは形が似ている。

「……なんだ、この重さは」

 持ち上げようとしたが、ビクともしなかった。

 仕方なく、飛びながら引っ張ることにした。下からがだめなら上からだ。

「っ……!」

 いつも以上に力を出し、レイガリングを持つ。しかし、持続は無理だった。落とすと、地響きを立てる。

「よくこんなものを初代は持っていたな……」

『恐らく人間の手では無理だ』

 なるほど、そういうことか。

 擬龍態になる。体の本質は人間だが、手、足、翼、尻尾が龍になる。皮膚は鱗を纏い、緑色である。その状態でレイガリングを持ってみる。

「……これならば扱える」

「天地人ってなんでもありなのね」

 クロスがやってきた。この姿でも俺だとわかるらしい。

「全くだ……」

 擬龍態から擬人態に戻る。ただ、レイガリングを持つ手は部分的に擬龍態のままである。

「はいこれ、レインに届け物」

「……剣?」

「鍛冶屋の人が使って下さい、だってさ」

 何だかよくわからない剣である。ガラクタが寄せ集めになっているような感覚。

『市街地に行く手間が省けた』

「マシーンブレイドっていうらしいんだけど……ただの剣じゃないのよ。鍔の部分にスイッチがあるでしょ。そこを押すことが前提らしいわ」

 そう言ってクロスは俺から離れて柱の陰に隠れた。何が起きるというのだ。

 スイッチを押すと、その寄せ集めが飛び散った。寄せ集めは小さい剣たちだったのだ。その剣たちは磁力か何かわからないが、浮いている。

「中央の剣と他の剣が一定の間隔を保っているのよ。そのまま振るうと他の剣も共に振った方向に飛ぶのよ。中央の剣を離しても問題ないわ。その剣の展開力を利用して、転移術を使ってあらゆる方向から攻撃できると思う」

「……これもまた一般人には扱えなさそうな武器だな」

 時空間転移術を使いながら試し斬りする。

「これは……!」

 テクニックが必要とされるが、敵を惑わすには使えそうだ。

「ありがとう、クロス」

「どういたしまして。あ、宝玉二つ見つけてきたわ」

 彼女から渡された宝玉は、''夢''の宝玉、''幻''の宝玉だった。確かに宝玉である。

「なんだか夢見ていたらこれの在処がわかって……勝手に一人で行動してごめんね」

「いや、助かる……」

「夢と幻の宝玉が見せた夢は、これからの未来を暗示しているかのようだった。レインはこれからどんどん戦うことになるのかしら」

「ああ……。そのための準備なわけだ」

「そっか。約束、覚えているよね」

「……勿論。俺は死なない」

 彼女は微笑んでいた。不思議とこの笑顔を守りたいと思ってしまった。我ながらくさい考えだ。

『それが光の感情』

 そうかもしれないな。

「またしばらく宝玉探しの旅に出る。あと五つだ」

「気をつけてね」

「ああ。クロスはこの国を頼んだ」

「頼まれたよ!」

 これで、武器調達は無事に終えることができた。俺の所持する武器は天地の剣、レイガリング、マシーンブレイド。状況に合わせて戦い方を変えていこう。ちなみにレイガリングは鞘に収めると軽くなった。初代が何かしら魔術を込めたのだろう。

 さて、また宝玉探しの旅に戻るとするか。

宝玉、残り五つ。

間延び回その2。

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