第七話 宝玉の祠
前回のあらすじ
迷いの砂漠にある宝玉を、ドラゴンと呼んでいるバイクという未来の技術を使って何とか手に入れることができた俺。そしてもう一つの俺の人格、オルレインから宝玉の祠へと向かうように言われる。
訪れたのは、地図にある世界の中心であった。砂漠から帰ってきて一週間以上立つ。
一週間は研究の方をしていた。それは錬金術。父は錬金術に手を出していた。当然ではあるが、屑鉄から金を作ることはできなかったようだが、別の手段を俺は模索した。それは、個体を別個体に変えること。遺伝子を組み換えると言った方が正しいのか。これもまたこの時代の技術ではない。俺は竜系統の個体の細胞を組み合わせ、錬金龍を作ることができた。名はロロ・リーズフルと名付ける。まだ途中段階ではあるが、そのうち知性もつき、人間の言葉が喋られるようになるだろう。
それはそうと、本題の世界の中心。ここに宝玉の祠がある。えらく大層な門がある。いや、祠には門しかない。
『この門をよく見るんだ』
目を凝らすと、所々窪みがある。
『全体図は、天地の紋章が描かれている。……どうやら汚れて見えないようだ』
ウォーターを使い、門を洗う。
「……これでいいだろう。……! なるほど、よくわかった」
紋章に合うように窪みがあるのだ。そして、必要な宝玉の名が彫られている。その数十六。
「まずは、火、水を嵌めてみるか」
それらを嵌めると、門が光りだす。嵌めた部分のみ、光るようだ。取り外してもなお、光り続けている。
『しばらくの間、そうだな、五十年くらいは光続けるだろう。これを全て嵌めると、天地の剣に次ぐ、剣を入手できる』
それは興味深い。
続けて、残りの宝玉、究、極、天、地、光も嵌める。これで残り九つとなった。
『闇、神、龍は後々手にはいることになるだろう。今はそれ以外が必要だ。そして武器もな』
武器、か。確か初代が天地の剣と共に愛用していた剣があるとかいう。それを探しに行ってみようか。
『それは……レイガリングか。初代の名前から来ているようだな。小さいわりに重すぎて一般人には扱えない武器。ただし重い代わりに武器破壊が容易になる』
「ああ。宮殿のどこかにありそうだ。……危なかった。見逃すところだった」
何と、''風''の宝玉、''無''の宝玉が足元にあった。
「こいつらは散らばっていなかったのだな」
無の宝玉を持つと何か力が湧いてきた。その何かはわからなかったが、とりあえず門に嵌め、そして回収した。
『次にデグラストルに帰ったら、街でレイガリングとは別の武器を調達すること』
さすがにこれからの相手では一本二本は厳しいものか。武器が飛ばされて使えなくなったときの予備をな。
「……了解だ」
宝玉、残り七つ。
間延び回。




