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LIVING LEGEND  作者: 星月夜楓
第三章 宝玉探しの旅
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第一話 天地の衣

前回までのあらすじ

デグラストルでの行事を無事終えた彼は彼女を連れて宝玉探しの旅に出た。

 デグラストルの宮殿から北西三十キロ地上。そこが俺の目指す湖、ウォーセル湖だ。

 湖に着いた俺たちを待っていたのは、その主だった。

「汝、宝玉を求めし者か」

 どうやら話の通じる奴のようだな。

「ああ、その通りだ。この湖にある宝玉を頂きにきた」

「ならば我を倒し取得せよ」

 一歩前に出ると彼女に静止させられた。

「レインばっかり良いところ見せられないからね」

 と、彼女は言い、新しく揃えた武器を構える。

「……やってみろ」

 フッ、と俺は笑いながら答えた。

「いくよ!」

 冷気を帯びたその主は凍りつく息を吐き出す。彼女は咄嗟に跳び、それを躱す。そして宙を舞いながら回転する。見事に着地し、主に駆け出した。次に襲いかかってくるビームのようなそれは剣で弾き、受け流す。そしてずいと近づき、顔に一閃。

「甘い」

 だが主もただの獣ではない。知能を生かし間一髪のところで避けている。彼女に零距離で吹雪の如くそれを吐き出した。

「くっ……!」

 直撃した彼女は後ずさる。何とか腕で防御していたようだが、それは凍りついていた。

「無茶はするなよ」

「これくらいなんともない! レインは見てて!」

 とは言っても彼女は凍えている。必死に手を摺り合わせ体の温度を上げようとしていた。主は待ってはくれない。奴は彼女を殺す気だ。大きく口を開け、思い切り吸い込んだ。そして勢いよく吐き出す。辺りは霧がかった。彼女はやられてしまったのだろうか。

 いや、俺は彼女を信じる。策も無しにあの様なことを言うはずもない。何故ならば彼女は聡明なのだから。

「残念! あんたの相手はここよ!」

何と彼女は跳んでいた。先程の手の摺り合わせは主に油断を誘う為であったのだ。敵が動けない状態であれば大抵の者は大きく力を込め、トドメをさそうとする。それを逆手に取ったのだ。

 落下しながら彼女は主の頭に二つの剣を突き刺した。

「見事……」

 死に行きながらも敵を讃える主に俺は感心した。さすがは宝玉の主といったところだろうか。

 ドバァアアン! 大きな音を立て、主は湖に沈んでいった。

 音が立つ直前に彼女は主から離れていた為、濡れている様子はなかった。

「……やるじゃないか」

「ふぅ……二年間の積み重ねは無駄じゃないからね!」

 彼女はしたり顔で言い放った。

「さて、宝玉は……」

 俺の着ている天地の衣は、着衣した者に常に快適になるようになっている。つまり、水中でも濡れず、そして呼吸ができるようになる。ちなみに天地の勇者以外が着ると肩が外れるくらい重たいらしい。

「あった、これか……」

 結構奥深くに宝玉はあった。それを手に取ると、''水''の文字が描かれている。

 陸に上がり、ポーチに宝玉を入れた。

「その服すごいね」

「ああ。これなら溶岩に触れても問題ないようだ」

「ってことは」

 そう、次なる宝玉の在処は。

「次は火山だ」

実は、はじめの段階では火山の話も入れていました。が、加筆により除外、次回にすることにしました。加筆部分は戦闘です。元々2行しかなかったものがかなり増えました。主も話せる設定ではありませんでした。あまりにも省略し過ぎたと思ったのでそこを加筆。それと、今回から前回までのあらすじを入れることにしました。

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