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LIVING LEGEND  作者: 星月夜楓
第四章 神話編
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第五話 絶対の力

『貴様に何ができる』

「……さあな、ただ、やるだけだ」

 空気は重すぎた。周りの皆は冷や汗をかいている。

 ルーラーはエネルギー弾を大量に射出してくる。それを弾き、少しずつ近付く。

 そして、奴を一度斬ることができた。

『無駄だと言ったはずだ!』

 まだ、足りない、この程度では。

 特大のエネルギー弾を零距離で放たれる。

「くっ……」

 後ずってしまったため、硬直状態になる。

『終わりだ』

 先程のエネルギー弾が来る。剣で弾いたと思ったが、剣は消滅した。俺はエネルギー弾の直撃を受けた。

「レイン!」

「やべえよ、直撃だぞ……」

「いや、まだこれからだ」

 師匠はそう言った。どういう意味だ。そして、俺は意識を失った。

『我が力を使え』

「ねえ、レイン……死んじゃったの?」

 彼は起き上がらなかった。

「黙ってみていろよ、ガキども。レインはここからなんだよ」

「お兄様、言い過ぎです」

「……すまん」

「……来るぞ」

「え?」

 彼は立ち上がった。だが、そこに彼の意思はない。

「レイン……え、レインじゃない」

「なんだよ、クロス。立っているじゃねえか」

「あれは、レインじゃない。誰なの」

 疑問を隠せないクロス。鬼たちは黙っていた。

『ああああああああ!!!』

 突然叫び声をあげるレインの体。

『渋といやつめ』

 彼の背中から翼が生えた。

「なんだよ、あいつ、何が起きているんだよ」

 右翼には悪魔の翼、左翼には天使の翼。

「人間じゃ……ない?」

更に腕は獣の如く。

『面白い……』

 ルーラーに襲いかかるレイン。武器はない。邪神は今まで以上に力を出す。が、当たっても無傷だった。

『なに……⁉︎』

 レインは変化した爪で邪神を引き裂いた。

『ばかな……』

 その傷は治らず、そのままである。

『絶対の力……それこそが我が力』

 何が起きているかわからない三人に銀鬼は喋り出した。

「……君たちに説明しておこう。今の彼はレインではなく、絶対神というものだ。彼の神経の奥底に普段眠っている。そして今、覚醒した。絶対の力を持つ彼は、誰にも防ぐことはない。矛盾は生じない。そして彼の姿だが……あれが彼の本来の姿。今までは人間として生きて来たが、本当はまるで違うのだ。彼の種族は天地人。天空人と地底人の間に生まれた最古の種族の一つ。もっともこれを知ったのはつい最近のことだ」

「あの翼って」

「そうだ。天空人の特徴は左翼に。地底人の特徴は右翼にある。ちなみに地底人の翼は本来腕にあるものなのだがな」

「世の中にはまだまだ知らねえ種族があるんかよ」

 レインの今までのあの人間離れした力の正体はこのことだった、というわけだ。

「……亜人族はたくさんある。調べるといい。それより今は」

「……そうだな」

 ひたすらルーラーを刻み続けた彼は、収まるまで止まることはなかった。邪神は息絶え、彼は咆哮する。

「終わったか……」

 ギョロリとレインがこちらを向いた。

「お、おい。大丈夫なのかよ。レインは戻るのか?」

「そのうちな」

 そのまま彼は白目になり意識を失った。

「これを渡しておこう。レインが起きたら彼に渡しておいてくれ」

 銀鬼から封筒を渡される。

「最後に質問いいですかね?」

「なんだね?」

「未来のレインは、あなたと戦ったらどっちが強いのですか?」

 クロスの質問に対し、銀鬼はこう言った。

「そりゃ、レインだ。理由は言わずもがな」

「そうですか……」

「それと君たちに言うことがある。これはレインにも伝えておくように」

 銀鬼による話が終わった後、鬼たちは元の住む世界に戻って行く。

「終わったんだな……」

「誰一人死ななくてよかったけど」

「レイン……本当に大丈夫なのかな」

再び光が現れ、彼らを次の時代に送った。

長い長い準備期間でした。これにて第一部終わりです。次は第一部のエピローグです。


今回で今まで主人公がやたらめったら強かった理由が判明しました。ただ、これだけだとまだまだ強い理由になっていないので天地人説明を今後入れておきますね。

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