第三話 火山の守り神
「またもや、火山だな」
「だねえ」
火山に到着した二人は早速守り神のいるところに向かう。
「この前よりはましっぽいな。すぐに見つかりそうだぜ」
「あそことかいそうだね」
いかにもな入り口がある。
「中は……祠か? ん、なんだこれ」
祠には石碑があった。言葉は通じたので、文字も読めた。
「えっと、『我起こすは天災あり』ってあるよ。なんのことだろうね」
しばらく考えていた二人。突然リベルトが動いた。
「よくわからんからとりあえずこの石碑ぶっ壊す!」
「ええ!?」
「天災が起きたときに現れるんじゃね? だったら、こいつぶっ壊したら出てくるかもしれんだろ」
「そんな安直なことで……」
「フン!」
彼は、石碑を思い切り蹴った。
「いっだぁぁあああ!!!」
ただし、硬かったため、競り負けた。レインはこれより大きな岩石を右手で破壊したのだ、彼の力を再認識したリベルトだった。
「壊すにしても別の方法にしようよ」
「んー、お、こんなのあったな」
それは火薬だった。
「これでよし。ハース、離れるぜ」
彼らは一度外へ出た後、導火線に火をつける。そして、祠は爆発した。
「これで出てこなかったら最悪だな」
言った直後、地震が発生する。
「うお、なんだなんだ!」
やがて地面から溶岩と共に巨体が現れる。
「あれが、守り神……」
「トグルって名前だっけな」
まるで巨人のようなその体は人間の十倍以上のものであった。
「おいおい、レインはこんなのを相手しろって言うのかよ」
「作戦たてなきゃ!」
「っ! そうだな、じゃあまずは目潰ししてくれ!」
「了解!」
リベルトが時間稼ぎをしている間、ハースが目を潰すために矢を放つ。巨人の足踏みによってリベルトは潰されかけるが何とか回避し、脛に剣を打つ。しかし、あまりの硬さに弾かれる。
「くそっ! レインならどうする!?」
「リベルト! 目を潰したよ!」
ところが、逆に暴れることになり、近づけなくなった。
「落ち着け……。落ち着くんだ、俺。……そうか!」
閃いたリベルトは守り神に向かう。
「がんばれ!」
気配に察した守り神は彼を喰らいつこうとする。
「喰われてたまるか!」
すんでのところで喰われるところだったが、避けて足に向かう。ハースはその間、顔に向けてひたすら打ち込んでいた。
そして。柔らかい踵の部分を斬り込み、バランスを崩させる。倒れた守り神の上に乗り、首を刎ねた。
「お、終わった……」
「案外見掛け倒しだったね」
「近接武器の俺は辛かったよ!」
「ごめんごめん」
このような状況でも笑える二人であった。
「リベルトって本当強くなったねえ」
「レインの見よう見まねだ。あいつの剣さばきには程遠いけどな」
「ふふっ。じゃあ帰りましょー」
「おう!」
主人公がいない状態での地の文は三人称視点になります。リベルトvs滅でもそうでしたね。




