第十話 絶対ノ力
前回のあらすじ
もう、誰もいない。俺は、ただ朽ち果てるのを待つだけ。
「荒……邪神、……る勇者。……、……か」
何か声が聞こえる。誰だ。誰かいるのか?
「な……、……てこ……?」
「……、絶対……」
絶対? 絶対神? 俺の中に眠る絶対神が姿を顕したというのか。
「全……無……」
もう少し、聞き取れていれば。
「が……」
ドサリと崩れる音が聞こえる。
「……結……」
「こ……終……。……任せ……」
そいつに核を入れ替えられた。視界が元に戻る。だが、目の前に倒れている阿修羅以外、誰もいない。
「何だったんだ……?」
「おのれ、おのれ、おのれおのれおのれおのれおのれおのれ‼︎‼︎‼︎‼︎ 何故攻撃が当たらない! 何故結界が破られる⁉︎」
今しかチャンスはないだろう。
「阿修羅、貴様が何故倒れているかは知らんが、やらせてもらうぞ」
「来るな……」
「たとえ俺が何度倒れようとも、再び俺は立ち上がる。俺は今まで貴様に翻弄されてきた。だが、俺はもう孤独じゃない! 貴様の策は全て失敗に終わった! 俺を直接殺すということもな!」
「来ルナァァアアアア‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
「俺はどこまでも上へと目指し、果てのないところまで行く! その途中で貴様という壁があるというのなら! それを超えていくだけだ!」
瞬間、脳内にあの言葉が聞こえてきた。
『汝、我ガ力ヲ望ムカ。絶対ノ力ヲ』
「絶対神……俺は……」
これで力を授かった時、俺は神格化し、神となるだろう。歴代の勇者がやってきたことだ。しかし、俺はこの選択をする。
「俺はお前の力を受けない! 俺は俺自身の力で道を切り開く! いずれお前さえ超えるためにな!」
俺は神格化を拒んだ。
『何……⁉︎』
「行くぞ、阿修羅! 宝玉がなくとも、俺は究極神龍を発動してみせる!」
この話は短いですが、かなり伏線を詰め込めさせていただきました。回収は何年後でしょうか…笑
一人称視点であり、かつその一人称の精神が不安定であるため、支離滅裂とした地の文となってます。
それと今回のタイトルと内容は、第一部最後と対比してます。




