情報ファイル:オリジンについて
※これは編集部によって編纂された文章であり、推測可能な部分は<>、補足すべき点は【】を使用している。それ以外に関しては基本的に原文そのまま。
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オリジンの研究結果について
天○○○【○の部分は掠れていて読むことが出来ない】
人間の使用できる能力の中でも特異性の高い、<オリジン>と名付けられているものについて、近年の研究結果をまとめておく。
まずはじめに、<オリジン>について軽く説明する。これは<地球>上に生息する人類全てが秘めている独自の能力であり、この世に二つとして同一である能力は存在しない。これは最近の<研究>によって明らかになった特徴であるが、矛盾する点も幾つか挙げられているため、依然として考察していく必要があるだろう。
その一つとして、オリジンは発現しない例も確認されている。解剖の結果、通常の人間と比べて脳の形が異なっていることが発見され、研究者の多くは「これらの人間は何らかの障害を抱えている」とした。だが、私は、彼らから我々が……【ここから数行に渡って黒く塗り潰されている】……。
そこで、私は可能な限りの<能力>者を集め、オリジンの分類を改めて定義することにした。
オリジンは基本的に、以下の5系統に分けられる。
1.現象系
最も基本的であり、かつ種類が豊富にある系統。炎や雷などの自然現象等を自分の<意志>でコントロールすることが出来る。体外の現象を利用する場合と体内で生成して扱う場合があり、個人によって操作の限界領域が大幅に異なり、特に、後者は発熱や電気信号として利用することで身体能力を強化するという例も確認している。また、現象の特徴を知っていれば応用することが容易であるため、伸び幅が最も大きい系統であるとも言えよう。彼らの能力を解明していくことで新しい学問に繋がるだろう。
2.創造系
無の状態から何かを生み出す、若しくは既に存在している物を変化させる系統。とはいうものの、実際は前者の方は稀であり、ほとんどの場合後者に当たることが多い。この系統は特定の材質ならば自在に加工することが出来、建築及び工業の面で大きな貢献を果たしている。逆に、材質が違えば一切能力が意味を成さず、不純物が混じっていると上手くいかないことがほとんどである。能力自体というよりは本人の成長によって伸びていく系統である。余談だが、住居の約6割が彼らによって建設されている。
3.干渉系
自分以外の物質・人物などを対象として、何らかの変化を与える系統。対象は個々人によってバラバラで、与える効果も異なる。使用者の個性が全面的に表れる系統と言ってもいいだろう。この系統は全ての能力に『発動条件』が明確に定められている。直接触れている、名前を知っている、更には性別や年齢なども条件になることがある。能力の性能は最初から揃っていることが多く、更なる<成長>はあまり期待できない。また、能力に練度があるらしく、能力を完全に使いこなすまでは時間がかかるようだ。
4.変化系
自分自身、若しくは自分に密着している物(服、アクセサリー等)を対象として、何らかの変化を与える系統。これもまた、<使用者>によって特徴がはっきりする系統である。干渉系との相違点として、『発動条件』が存在しないことが挙げられ、任意で能力を発動・解除できるが、効果範囲が非常に狭いため応用することは難しいようだ。他の系統とは異なり、能力が、成長するのではなく変化していく場合が多い。その際、現時点では全く見当のつかない変化を遂げるが、本人は使いこなせる模様。
5.特殊系
1~4のいずれにも属さない、謎の多いオリジン。これまで見てきた被験者達の中で、数えられる程度ではあるものの、その能力は型破りなものが多く、<能力者>の観点から見た天才(どちらかというと奇才や鬼才の方が合っているかもしれない)。無自覚に使用する者が多々いるのも特徴だと言えよう。研究者として分類できない存在というのは甚だ遺憾であるが、彼らを研究することによって<オリジン>の謎を解き明かせる可能性は極めて高い。
以上が最新の分類である。とは言っても、これはまだ完全とは言えないものであり、今後研究が進むことによって新たな見方が出てくるであろう。
話は変わるが、先程述べたように【ここで言う”先程”は塗り潰された個所を指しているのだと思われる】オリジンは神の力だ、と述べる人間もいる。だがしかし……
【この下は焼け焦げているか、水で文字が滲んで読めなくなっている】