プロローグ
どうも、ぜろごーきと申す者です。
☆読み始める前に☆
・「―― ――」は場面や場所、「○ ○ ○」は基本的な場面転換、「* * *」は回想など時間を隔てる転換、「× × ×」は特殊な文の区切りを表しています。以後、追加があれば前書きに記載します。
・PCで見た状態での表現等あるのでがPC推奨(ケータイなどでも読めなくはないと思いますが、読みづらいかもしれません)。
以上の項目を読んで「ボクにはとても読めない」という人はあまりお勧めしません。
そっと戻るボタンを押すことを推奨します。
また、更新は不定期です。中途半端に終わらせる気はありませんが、絶対に完結させるとは言えません。その時はその時で何らかのお知らせはします。
では、どうぞ。
―― ――
「いたぞ! 捕まえろ!」
大きな声がフロアに響き渡る。もう隠れきることはできない。
小さな少女は、裸足で出口を目指す。
「あっちだ!」「出口に向かってる!」「先回りしろ!」
彼女は外を知らない。いつからここにいたかも知らない。
ただ、外に出たかった。ここから飛び出したかった。
「何してるの! 早く!」「駄目だ、通路を塞がれてる!」
計画なんてない。出た後のことなんて分からない。
そんなこと、どうでも良かった。
「駄目、間に合わない!」「無理矢理でも止めろ!」
後ろから何かが襲ってくる。肩、足、頬。身体の色んなところを掠めていく。
「もう当ててもいい! あいつが出たら大変なことになる!」
出口は目の前。ドアに手をかける。
「おい、邪魔するな! てめえだって分かってんだろ!」
ああ、ありがとう。いつもあなたはわたしの味方だった。
あなたに何度も言われた。この扉は引き戸だから、逃げるときは気を付けてねって。
あなたの口が、『じゃあね』って動いた気がした。
ありがとう。そして、さようなら。
意識が 遠の い て い く 。