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はちゃめちゃ星間3兄弟!!

作者: 風水 夕日


 とある昼下がりの出来事……

外は燦々と太陽が照りつけ、きれいな青空が晴れやかに広がっていた。

その青空の下で、なんとも凸凹な三兄弟がギャーギャーと言い合いを始めている。

 一人は小柄できゃいきゃい騒いでいる小学生くらいの背丈の女の子だが、それにしては大きすぎる胸が私は姉だよぉ~~!と大きく主張している。彼女の名は星間星七(ほしませな)。ぴちぴちの女子高生だ。見た目はともかく……星間家長女で一番上のお姉さんだ。

 そして、そんな合法ロリな姉を相手取りギャアギャア喚いている小柄な男は、星間陽太(ほしまようた)。小柄とはいえ、こちらは小学生に間違うことはない位には背は高い。せいぜい中学生に間違われるくらいの星間家次男。絶賛姉と取っ組み合いの喧嘩中。

 喧嘩を始めている二人をやれやれと横目で流すのは星間暁月(ほしまあかつき)。二人とは違い180センチ近い長身細身の長男。個性的な姉と弟に挟まれ気苦労が絶えないのか、たれ目がちの目には少し隈ができてしまっていた。

 少し大きめの家の庭、傍にはバーベキューセットを備え付け、隣の長机には多くの野菜と牛肉が並んでいる。いがみ合う二人を横目に暁月が、再び家の中へと材料を取りに入っていく。

何とも平和な光景だが、これから一体何が始まるのやら……


 暁月が家の中へ姿を消した瞬間、星七は弟を突き飛ばして一枚の肉を鉄板の上へと置いた。

すぐにあたりに肉の油が立ち上らせる芳醇な香りが漂い始める。


「うーん!!やっぱりお肉最高!!」


「おい!!星七姉!!

何勝手に肉焼き始めてるんだよ!!

まだ話し合いの最中だぜ!!」


「うっさい!!黙りなさい!!

じゃないと、この星間星七(ほしませな)のナックルレインボースペシャルトルネードアッパーフックが陽太(ようた)ちゃんをぶっ飛ばしちゃうよ!!さぁそこにひざまずけ!!」


「何言ってるんだよ!!アッパーなのかフックなのかどっちかにしろよ!!

第一、星七姉が野菜はいらねぇとかごねるから食べるのが遅くなっちまったんだろう!!

ピーマンはいらない、玉ねぎいらない、カボチャなんて何?って始末。

ひざまずくのはどっちだよ!!みんなの栄養面を考え、料理の指揮まで取っているのは俺だぜ!!

このバーベキューパーティーを企画したのも俺だ。さぁ星七姉、どっちが上の立場だ?」


「むむむっ!?

こやつ……弟のくせにやりおるな!!かくなる上は……!!」


 そこへ家の中に入った暁月あかつきがため息交じりに庭へ出てきた。気にする風もなくギャーギャー言い合う二人に、暁月の手にあるピーマンがきらりと光る。


「二人とも、少しおとなしくしませんか?

ご近所迷惑ですし、第一高校生にもなってそんな小学生のような喧嘩はよしてください。

それに、材料は僕が買ってきました……切ったのも僕です……」


 今までいがみ合っていた星七と陽太がピタッと動きを止め、まるで壊れたロボが無理に首を動かすようにギギギッと暁月の方を向いた。その瞬間、二人の顔が驚愕に変わるっ!!


「そろそろにしないと、そこらにあるピーマン全部姉さんと陽太の口に突っ込みますよ……!

誰が指揮を執ってるって、陽太?

そこまで言うんだからわかってますよね?誰がここまでしたか……」


「(あわわわ!暁月ちゃんが怒ってる……!?まずいよまずいよどうしよう陽太ちゃん!)」


「(落ち着いて星七姉!!とりあえずはぐらかすんだよ!!)」


 ふるふると体を震わす暁月に少しの抵抗を試みるバカ二人。


「わ、わかってるよ……はは

冗談キツイなぁ~~。俺別に指揮なんて執ってないし……?

ていうか?指揮って何、って感じだし?

なぁ星七姉?」


「そうよ。暁月ちゃんに決まってるじゃない……

私たち別に争ってなんかないよ?ただ単に、おいしくできるかな~って笑顔で待ってたよ?」


 そういう二人だが、顔は顔面蒼白。肩を抱き合ってがくがくぶるぶると震えている。言った言葉は棒読みだ。反省の色はうかがえない……

そして、暁月が右手に持ったピーマンをメキョッと握りこんだ瞬間っ!!


「「すいません!!もうしません!!暁月様!!

何なりとご命令を下してください!!謹んで拝命いたします!!

だから、ピーマンだけは……ピーマンだけはお許しをおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」


 土下座で謝る二人を見下す暁月。その目は赤く光ったままだが、やがてふっと笑うと……


「よろしい。やめましょう」


「「やったああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」


 喜んで小躍りを始めるほどの二人を横目に、暁月はにやりと人の悪い笑みを浮かべ、素早い手つきで隠していた左手の包丁でピーマンを切り刻んでいく。

ビュババババババババババッ!と目にも止まらない手つきでピーマンと認識できないほど小さく切り刻むと、それらを野菜の群れに突っ込み隠した。その間約2秒。

短すぎるその時間では、星七も陽太も何が行われたかに気付けなかった。

というか、ピーマン無しに感涙の涙を流す二人に気付ける要素はなかった。


「ん?焦げ臭いですね」


 すんすんと臭いの後をたどると暁月の目には焦げた肉が……

ごごごっと怒気を立ち上らせるも、気が変わったのか暁月は深呼吸をして二人を呼んだ。


「もういいでしょう。怒ってばかりもいられませんし……

そろそろ来るころでしょうしね。」


 暁月がそうつぶやいたとき、家の玄関の方から声が聞こえてきた。


「おーい!!来たよー!

誰か、いませんかー?」


「はぁ。面倒臭ぇなぁ。

なんで俺まで……」


「そういうこと言わないの!!

せっかく呼ばれたんだからいいじゃない?

バーベキューなんて滅多にできるものじゃないんだから!」


「そんなもんかねぇ。まぁもう来ちまったし。

とことんまで食い尽くしてやるさ……」


 その声を聴いた暁月はふっと顔をほころばして玄関へと走っていった。


「ちょっと待ってください!

すぐに行きますから勇人(はやと)七夏(ななか)さん!!」


 駆けだした暁月を見て占めたっとでも言うかのように、星七と陽太は箸を掴み肉を焼き始めた。


「肉はすべて我のものじゃ、わっはっはっはっはっはあぁ!」


「俺がすべての肉を食ってやるううぅぅぅぅ!!」


 ジュウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ


肉の焼ける音とともに油の焼ける香ばしい匂いがあたりを漂う。相変わらず反省のない二人である。


「点々を取ったらっ!!」


 シュウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……


「……」


「……火消えちゃったじゃねえかあぁぁ!!星七姉の馬鹿野郎!!」


 ぎゃあぎゃあと再び騒ぎ出す星七と陽太。

その後ろに控える大魔王暁月の存在を知るのは、そう遠くない話だ……


「面倒臭いなぁ……本当に。

そう思わねえ七夏?」


「元気がいいんだよ。そう思おうよ……勇人」 

お遊び小説です。

私が書いている「アルカナハーツ」という話に登場してくる三兄弟を主人公に日常風景を書いてみたいなという思いから生まれた話です。

そこまで練って書いたわけではないので、かなり稚拙ですがお許しください。

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