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独りきりの獣。  作者: 水城
プロローグ
5/5

5




特別目的が有るわけでもない。


久遠の一日は、街を徘徊して終わる。


自宅近辺の街から隣町。そのまた隣町までひたすら歩いて終わる。


初めは迷子になりかけて、交番によくお世話になったものだが、今ではそこらの野良猫より道が詳しいだろう。

道だけでは飽き足らず、人が通れそうな場所は全て把握済み。


おかげで、組織に追われても尚、今、こうして平気でいられる。

うまいこと捲けるのだ。


あいつの記憶力にも驚いたが。


道は当然。裏道も当然。獣道も当然。

そして、そこらの標識や看板、店の名前、場所、規模、位置まで全て把握している。


人も物も生き物も。


だからこそ、あいつは被検体(モルモット)だったのだろう。

いや、被検体だったからこそか。


たまに、体に血を付着させて帰ってくる。

それでも本人はたいした怪我をしていないため、ただの喧嘩だと知る。

力が強い。それは重々承知していた。


人体実験。


体の細胞の活発化。


自己治癒能力の発達。


筋力の強制強化。


潜在能力の引き出し。


久遠は、「最強の人間」を生み出す為に産れ、育てられた実験体。


久遠で、____人目。























今日は泣きたくなった。


昨日は怒りたくなった。


明日は何がしたくなる?



昨日はチキンライスを食べた。


今日はトーストを食べた。


明日は何を食べる?





帰りたい。


帰りたくない。


お腹すいた。


お腹すいていない。


叫びたい。


叫びたくない。



声が出ない。


声が出せない。





見上げた空は、真っカに染まっていた。






次第にそれは霞んでいった。

人間の目という部位に熱い何かを感じて。






ポタリ。


ポタリ。


こぼれるそれは、何。


水。


水にしては、温かい。





「何、泣いてんだ?」



振り返ったそこにいたのは、



「真っクロ」



まっクロくろすけ。






小説感皆無。

お久しぶりでございます。生きております、水城です。


これに小説という形を求めてはいけないです。

ただのお話。はい。そうです。



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