3
いつだって、僕は”獣”。
酷い時には”化け物”。
どうして人は力を恐れるのだろう?
どうして人は畏怖するのだろう?
僕は至って普通。
僕は単に遊びたかっただけ。
僕はただ、一緒に、ケンカをしたかっただけ。
ただ、暗い世界に没頭する、彼らに憧れただけ。
僕はただ、外に出たかっただけ。
僕はただ、人と話してみたかっただけ。
僕はただ、人とケンカをしたかっただけ。
僕は、僕は、僕は…
「バ、バケモノォォォォオオオオオオオオ!!!!!!!!!」
僕は化け物じゃない。
化け物じゃないよ。
僕は、ただの、弱虫。
ただ、力が、極端に強いだけの、ただの、人間。
夜の世界にあこがれた、ただの…人間。
人が、化け物と呼ぶのは、どうしてだろう?
人がこの力を恐れるのは、強すぎるから?
僕は、ただ、ケンカを。
皆で一緒に、仲良く…。
仲良く?
仲良くなんて、したことない。
仲良くしてくれない。
それは、力をふるいすぎたから?
僕は、敵を。
僕に向かって来る敵を倒し過ぎたのか?
気付けばいつも、遠巻きにされた。
気付けばいつも独りきり。
気付けばいつも、周りは赤。
赤々と染まっていた。
これは、やりすぎた?
力加減はいつもできない。
力が強すぎるのはいけない?
僕の力は…産れ持っての力じゃないのに。
ねぇ。君たちと僕、やっぱり違うの?
僕は”化け物”なの?
ねぇ、教えてよ。