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エピソード7 赤い閃光の夜
翌朝、学園はいつもより静かだった。
封印ダンジョン周辺は立入禁止。
教師たちは緊急調査へ向かった。
「大丈夫かな……」
アリアが小さく呟く。
ガウタムは何も言わなかった。
48時間――その数字が頭から離れない。
昼を過ぎた頃だった。
空気が震えた。
一瞬、世界が止まったような感覚。
そして――
遠くの空が、赤く裂けた。
轟音。
地面が揺れる。
結界塔の一部が崩れ落ちるのが見えた。
「封印が……破られた?」
その瞬間、システムが強制起動する。
【緊急クエスト発生】
【封印ダンジョン:第一層突破確認】
【生存率:23%】
【選択肢:介入する / 介入しない】
23%。
教師たちの生存率だ。
アリアが彼の腕を掴む。
「ガウタム、どうするの?」
彼は静かに目を閉じる。
平穏な学園生活か。
それとも、世界の歯車に踏み込むか。
ゆっくりと、目を開いた。
「……行く」
その瞬間、封印の奥から、
“それ”が目を開いた。
闇の中で、低い声が響く。
『やっと会えたな――記録者』
ガウタムの鼓動が、一拍だけ止まった。
物語は、もう後戻りできない。




