第20章 世界の鍵、覚醒す
光が消えた瞬間、世界は音を失った。
空に浮かぶ裂け目が、さらに大きく広がっていく。黒い海のような闇が、ゆらゆらと揺れている。
大地が割れ、赤い光が脈打つ。
ガウタムは立っていた。
その背後には、巨大な紋章が輝いていた。
鼓動ごとに、光が強さを増す。
裂け目から、巨大な影がゆっくりと姿を現す。
闇のような翼。
無数の目が空を覆い尽くす。
「世界の鍵よ」
低く、重い声が響き渡った。
ガウタムが一歩、前へ踏み出す。
「ここで止める」
影が笑う。
空気が凍りつく。
次の瞬間、無数の闇の刃が雨のように降り注いだ。
ガウタムが手を上げる。
紋章が回転し、光の壁が展開する。
衝撃。
廃墟が崩れ落ちる。
遠くから、観測者が見守っていた。
「進化が始まった」
ガウタムの瞳が金色に変わる。
体から溢れ出す光が、闇を押し返す。
「まだ、足りない」
拳を握りしめ、大地を蹴った。
一瞬で、空へ舞い上がる。
光と闇が激突する。
衝撃波が世界を揺るがす。
巨大な影の一部が砕け散った。
しかし、すぐに再生される。
「無駄だ」
声と同時に、裂け目の奥底から、さらに巨大な存在が姿を現した。
世界が悲鳴を上げる。
ガウタムの体に、ひびが入る。
それでも、彼は止まらない。
「ならば——限界を、破る」
紋章が完全に開く。
古代の文字が、炎のように輝く。
空が白く染まる。
闇の存在が、初めて揺らぐ。
「……鍵が、目覚めた」
次の瞬間、
ガウタムの背中から、光の翼が広がった。
彼は静かに宣言する。
「本当の戦いは、ここからだ」
闇と光が、再び激突する。
世界は、まだ終わっていない。
――続く。




