第19話「扉の向こう側」
光が消えた瞬間、世界は静まり返った。
空に浮かぶ裂け目はさらに広がり、黒い海のような闇が揺れている。
大地はひび割れ、赤い光が脈打つ。
ガウタムは立っていた。
その背後には巨大な紋章。
鼓動のたびに輝きが強くなる。
裂け目から、巨大な影がゆっくりと姿を現す。
翼のような闇。
無数の目が空を覆う。
「世界の鍵よ。」
低く重い声が響く。
ガウタムは一歩踏み出す。
「ここで止める。」
影が笑う。
空気が凍りつく。
次の瞬間、闇の刃が無数に降り注ぐ。
ガウタムは手を掲げる。
紋章が回転し、光の壁が展開される。
衝撃。
廃墟が崩れ落ちる。
観測者が遠くから見つめている。
「進化が始まった。」
ガウタムの瞳が金色に変わる。
体から溢れる光が闇を押し返す。
「俺は器じゃない。」
拳を握り、地面を蹴る。
一瞬で空へ。
光と闇が衝突する。
衝撃波が世界を揺らす。
巨大な影の一部が砕け散る。
だが再生する。
「無意味だ。」
その声と同時に、さらに巨大な本体が裂け目の奥から姿を見せる。
世界が悲鳴を上げる。
ガウタムの体に亀裂が走る。
それでも彼は止まらない。
「だったら――限界を壊す。」
紋章が完全に開く。
古代の文字が燃えるように輝く。
空が白く染まる。
闇の存在が初めて揺らぐ。
「……鍵が覚醒した。」
次の瞬間、
ガウタムの背に光の翼が広がった。
彼は静かに宣言する。
「ここからが、本当の戦いだ。」
闇と光が再び衝突する。
世界はまだ、終わらない。
――続く。




