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第18話「終焉の前触れ」
冷たい風が廃墟を通り抜けた。
空は裂けたまま、黒い雲が渦を巻いている。
ガウタムはゆっくりと目を開けた。
胸の奥で何かが脈打っている。
「……まだ、終わっていない。」
彼の足元には崩れた塔の残骸。
遠くで誰かの足音が響く。
闇の中から一人の影が現れた。
「観測は完了した。」
低い声が空気を震わせる。
その存在は人間ではない。
だが、完全な怪物でもない。
ガウタムは立ち上がる。
傷だらけの体、それでも瞳は燃えている。
「お前は……誰だ。」
影は微笑んだ。
「君はまだ知らない。
自分が何を目覚めさせたのかを。」
空がさらに割れる。
赤い光が地面を染める。
突然、ガウタムの背後に巨大な紋章が浮かび上がった。
古代の文字が光り始める。
その瞬間、彼の記憶の奥で封じられていた何かが弾けた。
「これは……俺の力?」
観測者は一歩前に出る。
「違う。
それは世界の力だ。
そして君は、その鍵だ。」
雷鳴が轟く。
世界が震える。
ガウタムは拳を握りしめる。
恐怖はない。
あるのは、覚悟だけ。
「ならば……
俺が扉を開く。」
空の裂け目から巨大な影が降り始める。
観測者の目が細くなる。
「選択の時だ。」
そして次の瞬間、
世界は光に包まれた。
――続く。




