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ショート×ショート 黒いUSB

作者: NATA

 父にはどうしても見せてくれないものがある。

 それは黒いUSBだ。

 普通のUSBとは違い、全て真っ黒。差し込み口まで真っ黒で差し込むのに不便だと感じる。

 昔、シールか何かで表裏を分かりやすくしようと貼ってあげようとしたら父親が怒った。

 何故、そこまで怒るか分からないというと、

「大事なものが入っているんだ」

 と言われた。大事なものは何かと聞くと、

 この黒いUSBは特殊で脳から直接大事な記憶を保存できる。

 それは動画だったり静止画だったり様々だ。そして壊れることもないので重宝している。

 私は何を保存しているか気になり、父親に黙ってその黒いUSBを盗み見ようとした。

 しかし、USBは反応しない。

 父親にその姿を見られたが、にやにやと。

「無駄だ。そのUSBは俺の手の静電気で動く。要は一度手に触れないと動かないからセキュリティーは万全だ」

 っと勝ち誇った顔をした。

 その顔が悔しくていつか盗み見てやる事を心に誓った。

 それから数年後、私は成人式を迎えた。

 父と一緒にお酒を飲んでお祝いをした。

 父はお酒が好きだが、めっぽう弱い。すぐに酔って眠ってしまった。

 私はノートパソコンと黒いUSBを持って、眠っている父の手を借りて黒いUSBを起動した。

 すると最初に出て来た画面は父の若い頃……高校時代の写真と母のプリクラだった。

 プリクラには『来世もずっと一緒♪』と丸文字で書かれていた。

 恥ずかしくてこれは娘に見せられないなと思った。

語彙力と表現力の訓練です。

感想頂けると幸いです。


悪魔×USB

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― 新着の感想 ―
怪奇小説かと思いましたが、ラストで登場された爽やかな場面を読んでほっこりしました。 それにしても父上様のガードの緩さには、愛らしさを感じますね。
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