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RVALON Ⅰ   作者: 竜;
When I Come Around
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When I Come Around-03.1/3

03.1/3


 使い魔とはどういった存在か?


 従順なしもべ、いつでも主人の召喚で馳せ参じ、グッズ化を視野に入れたあざとい見た目……


「なんでもマルチにこなさないと弱肉強食のこのご時世生き残れないでしゅ。日々平穏な毎日にかまけて玉藻しゃんの美味しいご飯でお腹を満たしてるだけの穀潰しではいつ主しゃまに捨てられてもおかしくないのでしゅ。主しゃまの居ないところでも役に立つところをアピールできてこそセンターの座は確実なものへとなるのでしゅ!」


 旺盛な好奇心に勝てなかった先行き不安な使い魔的な幼竜は怪しい風を追って森へと来たがここら辺は初めての場所というわけではない。

 一応看板だけ立てたキャンプ場とは名ばかりの公園も供えているこの森は地元のウォーキングコースというくらい身近な存在である。

 ベッドタウンで都心へのアクセスも良いことから人口もそれなりに多いのだが国の指定で商業施設等の建設が不可のこの森は大した収益を見込めないため必要最低限の整備しか行われていない。

 街や主要道路などへ繋がる道が気持ち歩きやすい程度で獣道の方がその大部分を占める。

 実際狐や狸の類は珍しくないが熊や猪が目撃された例もあるとか。


 特色強いメンバーで構成されている主一家は玉藻の術があるとはいえ乱用すると逆に知られたくない存在に気づかれることもあるので極力自然を利用した結界で目立たないように生活している。

 なので必要最低限の力で気が楽な、人があまり寄り付かないこの森は主一家の休日のピクニック等にもしばしば用いられる。人が寄り付かないところというのは主一家の性質上好都合な一方ごく稀に厄介ごとが舞い込んでくることがある。


「トラブルとしては弱小なことがほとんどでしゅが知らんぷりしちぇ大事にならないとも限らないので出来る使い魔はそれを未然に防ぐのでしゅ!」


 些か鼻息荒く一応注意して先程の風を探していると前方で人の気配がする。森の出口で男が女の行く手を遮ってるようだ。


「ちょっと遠いのと逆光で男の方の姿が確認取れましぇんが女の子が困ってるっぽいでしゅね……」


 様子を伺っていると男が女の子に向かって翳している掌に違和感を感じた。


「何かあってからでは遅いのでしゅ!」


 自分の直感に従ったスパイクは短い雄叫び(一応雌らしいが)と共に眩い熱を秘める、分類的には炎だがそれは光線のように真っ直ぐ男へと放たれた。


 それが益子の横を通過して行ったものの正体。

 男が自分に向かってくる光の直撃を受けると派手な音と衝撃、続いて煙がしばし益子とスパイクの視界を塞いだ。


「なによぉもぅ」


 衝撃の余波でしりもちをつく形で座った益子は恐る恐る自分の後ろを振り返る。


「お怪我ないでしゅか?」


 漫画等でしか見たことの無いその姿に平常時であれば驚くのだろうが、


「ドラゴン……で合ってるよね?」


「あや、あたちを見てもなんとも思わないでしゅか?」


「いや、声上げて騒ぐところなんだろうけど変なことの真っ只中だからどれからどうリアクションして良いやらで」


「とりあえずここから逃げるでしゅ」


「あの人死んじゃったの?」


「普通の人間なら……でしゅけど」


 話しているとと完全に逃げ出すタイミングを失っていた。

 炎の光線を受けた場所から不自然な風が巻き起こり煙は瞬時にして消え視界が晴れると男は翳していた手をプラプラと振るともう片方の手で胸ポケットから白い手袋を取り出した。


「いやはやまたお会いできるとは思いませんでしたよ。あぁこの奏、甘美、感悦。躍動の一節一記号が蘇るかのよう……おや、以前よりだいぶお姿が……失礼、我が愛しき名器はご一緒ではございませんか?」


 何事も無かったかのように話すその男の姿にスパイクは動揺を隠しきれない声で言った。


「ぬ、主しゃま!?」


本日も最後まで読んでいただきありがとうございますm(__)m


7/29まで継続しての投稿となりますので引き続きお付き合いください。

夏コミに新刊を出すということで投稿していますので続きに興味をもっていただければ幸いです。

評価いただければ励みになりますのでよろしくお願いいたします。

誤字、脱字等はお知らせいただければありがたく思います。

またご感想・ご指摘いただければ書き方の参考にさせていただきます。


それではまた明日ノシ

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