表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

微睡みの央で

心地好い微睡みの最中で私は久しぶりの感覚を感じ取っていた、この感覚間違いなく[アレ]等がまた漂流して来たのだろう

「800年ぶりかな?今回はどんなことが起こるのかな?」

半透明のガラスのような玉座から身を起こして夜空を仰ぎ観る、ここは世界で四番目に古い拠点である万年城[ミレニアム]その屋内なのだ、ならば何故夜空を仰ぎ観ることが出来るのか?

その答えは万年城全体が透き通っているからだ、これは比喩でも何でもなくこの城全体が半透明で透けているのだ

「興味深いよね、[アレ]等は何処から流れて来るのか?その流れを辿れば別の世界があるかも知れないよね?」

長いピンクの髪を掬い上げながら紫色の瞳にまだ見ぬ世界に期待の色を宿す、その瞳にNの文字を浮かべて


かつて最初のプレイヤーと共に漂流して来たこの万年城から生まれた種族パラファラピヌ、架空の悪魔と呼ばれるその種族の性質は悪魔よりヴァンパイアに近い性質を秘めている、これは最初に漂流して来たプレイヤーなる存在が吸血鬼であった為に自身に似せて彼女達の先祖を創り出した故と伝わっている


純白のボディースーツに身を包み背中から少し離れたところに白金プラチナの翼を浮かべながら万年城の同胞達に通信の魔法である[テレフォン]を発動して連絡を取る、万年城から目視出来る場所に漂着したモノに視線を向けて

「みんな聞こえますか?今回は私達の敷地内に流れ着いたみたいなのでみんなで御挨拶に参りましょう」


その場所は斜め四方を巨大な長方形の壁が囲みそれぞれに違う生物のレリーフが刻まれていた

その中央に黒い大理石で出来た塔が聳え立っている、周りには暗黒を敷き詰めたように黒い花が咲き乱れている

その漆黒の花園の中で一人の少女が困惑した表情で侵入して来た一向に血のように紅い瞳を向けている

最初に口火を切ったのはピンクの髪をたなびかせ紫色の瞳にNの文字を浮かべた少女

その全身を純白のボディースーツが包み背中の辺りを白金プラチナの翼が浮遊している

「御招きもなくやって来たことにまずは謝罪をさせて頂きます、そして自己紹介を私はギアと呼ばれています」

空中からコウモリを思わせる漆黒の翼を羽ばたかせながら相反する雪のような白い肌と薄い灰色の髪をした少女が舞い降りて来て優雅に一礼する

「ワタシはユミと云いますどうぞよろしく」

水色の瞳で少女を値踏みするように見つめるとにこやかな笑みを浮かべる

「なるほどあなたも氷使いなのですね?実はワタシもそうなのです、気が合うとうれしいですね」

「誰もそんなこと聞いてねぇよ?ガーベラだよろしくな」

言いながら前に出たのは円形の真紅の鎧を着込んだ者、暗いバイザーのようなものが顔半分を覆っていて分からないがその声は少女のようだ

「わたくしはエリナと云いますわ、どうぞよろしくお願いします」

次に名乗ったのはこの面子の中で飛び抜けて長身の女性だ、金色の長い髪と薄い黄色の肌、しかし何より奇妙なのは左右に六本、首からも左右合わせて六本、背面には十数本もの異様に長い黒い多腕を生やしている、その見た目によらずとても幼い声をしている

「次は我ですね、我は北欧の元神で今は邪神のムラクモと云います、どうぞよろしくですね」

最後に名乗ったのは多腕の者程ではないがこのメンバーの中では長身の女性、身体中に肋骨を模した鎧と左腕には様々な骨をツギハギしたような歪な盾に暗黒を宿したような黒炎が揺らめいていて顔半分を般若に似た黒いお面が隠している

「さて、一通り自己紹介も終わったことですし貴女のお名前もぜひ」

「私の名前は・・・」

その夜、微睡みの央で出会った奇跡に、架空の悪魔が暗躍を始める

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ