6話 家出少女と叔母
忙しくて貯め書きが無くなりそうです…
私は相原咲良。
現在進行形で家出中の非行少女!!!
父は世界的シェアを誇る自動車会社の代表取締役兼社長であり、母はその秘書。昔から両親の言いなりとして育ってきた私は大事にされてきたと思うし、それなりの感謝もしている。だが今回ばかりは許容出来なかった。両親の道具扱いされるのはもう嫌だ。自立して生きていきたい。
許嫁ーー今の時代、あまりにも時代錯誤な話であるが、政略結婚というものが完全に無くなった訳では無い。大企業同士、協調の雰囲気にある今の社会は、政略結婚という形をとって市場を寡占しようとする者もいる。そして両親は紛れもないそれだった。
だから私は逃げた。許嫁の話や、企業の跡継ぎの話から。
だが予想以上に家出は過酷だった。経済的支援のない生活を今まで送ったことはなく、2日もしたら空腹状態で倒れそうだった。
そんな時、1人の高校生が何やらボソボソと呟いている所に出会った。ケーキをどうしたものか、という風に聞こえた為、空腹状態にあった私は思わず声をかけてしまった。
親切にもその西園寺と名乗る先輩はお金をくれた。普通そんな見ず知らずの人にお金をあげるなんてことをしない。とんだお人好しだ。その人の優しはさ善意から来るものだと直感で感じた。昔から私の直感はよく当たる。同じ高校ということもありそこから仲良くなったのだが…。
受け取った恩をどうにかして返さないと。本人は気にしないでと言っているが、3000円もの大金、返さないとバツが悪い。
行動しないでいつまでもうだうだしているのは時間の無駄だ、そう思った私はまず私が知っている中で1番の理解者である叔母に電話することにした。
叔母は出版社を自ら立ち上げ、中堅レーベルまで育て上げた唯一と言っていい私の尊敬できる大人。
困っていたら何か助言をくれるかもしれない。
『もしもしさくちゃん〜?久しぶりねぇ〜、急にどうしたのー?』
年の功といえるその包容力はやはり安心する。昔から叔母とお喋りしたり、遊んでもらったりする時が相原の楽しみだった。
「実は、おばさんに相談があって…。」
長い相談になった。半ば両親の愚痴のようになってしまったが、叔母さんはそんな私の話をうんうんと傾聴してくれた。決して叔母も暇なわけじゃない。ただ可愛い姪っ子の相談を無下にするほど落ちぶれてはいなかった。父のように、社長になった途端落ちぶれてしまう人は多い。金のせいなのか、権力のせいなのか、それは分からないが、昔と変わらずいてくれる叔母に感謝した。
『ほんと、兄さんは影響されやすいのよ。私が何を言ってもきっと兄さんは聞かないわ。そうね、さくちゃん。』
うーん…と1拍置いてから話し始める叔母。父の更生は諦めているようだ。
『私のところに来ない?マンションの一室がちょうど空いているし、お金が必要なら私が支援するわよ。』
私にとってそれはとてもありがたい提案だった。しかし…、相談したのは事実だが、そこまでしてもらうのは流石に気が引ける。
「ありがとうございます。でも、そこまでしてもらう筋合いが私にはありません…。」
しっかりと身の上を弁えている辺り、やはり社長令嬢として育てられているだけのことはある。
『可愛い姪っ子の相談なのよ?私に出来ることがあったらしてあげたいわ。でもそうねー、もし気が引けるっていうのなら、私のところで働いて貰うってのはどうかしら?』
叔母は私の心咎めと落とし所をつけようとしてくれている。ありがたい提案だった。
『ちょうど来年新規社員を入れようとしていたところなのよ。さくちゃんなら出来がいいのはよく知っているし、こちらとしても安心だわ。』
それに…と続けようとする叔母だが、少し口ごもる。
『やっぱりなんでもないわ、こっちの話。』
どうやら頼みたいことがありそうな感じだが、こちらの話と言って話を止める。
「是非働かせてください!助けて貰った恩は必ず返します。」
でもさすが叔母だ。私の納得しそうな条件をつけてくれて、すんなりと叔母提案を受け入れてしまった。やはりできる女の対応は違う。
そうして私は叔母の会社で、編集者見習いとして働くことになった。
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