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4話 特別教室と家出少女

朝から投稿です。何時くらいに投稿するのがベストなんだろ。

ー第2特別教室ー


第2特別教室は本校舎から渡り廊下で繋がる第2棟にある。

図書室も第2棟にあるし、西園寺もよくお世話になっている。

生徒からは略して特2教室などと呼ばれているこの教室は、離れということもあって人気が少ない。第一掃除もされないこの部屋はホコリっぽくて使い物にならないが。


「入るぞー」


相原が先に入ってるらしく鍵が開いている。


「せ!ん!ぱ!い!遅いですよー。ご飯食べようと思って早く来たのに。」


「いや、ここホコリっぽくてご飯食べるには汚すぎるだろ。」


西園寺の言うように、普段はホコリっぽくてとてもご飯なんて食べれる場所では無いはずだが…。


「ふふ、先輩が来ない間に少し掃除しちゃいました。」


確かに窓が開いて綺麗な空気が流れこんできている。机もご飯を食べれるくらいには綺麗になっていた。


「それにしても手際がいいな。あんな汚かったのが嘘みたいだ。」


ドヤっている相原さんを肯定しておこう。


「だがすまない。教室で弁当すませてしまった。」


ドヤっていた相原さんの表情が暗くなる。

嘘でしょ…といった感じだ。申し訳ないが表情がコロコロ変わる様子が面白い。


「いや、私もご飯食べるって言ってなかったのが悪いですし…。全然いいんですけど。」


声色からして全然良くは無さそうだ。しゅん…と効果音がつきそうな雰囲気が抑えられていない。


「で、朝言ってた話ってなんだ?」


本題に入ろうとするが、相原さんはそれですよ!とばかりに前のめりに詰め寄ってくる。


「先輩早々に教室の中に入ってちゃうから連絡取ろうにも全然取れないんですから!さっきも連絡とれたら私の掃除も無駄にならなかったのに!」


「あぁ…それは悪かった。人の注目になるのが苦手でな。」


「うぅ…そう言われると確かに私も悪かったような…。あんなに注目されるとは思わず…思慮が浅かったです。」


それはそうと、と前置きして、相原は携帯の画面を前に差し出してきた。これですよ、と差し出している画面には連絡アプリのQRコードが映されている。

連絡を交換しようということなのだろう。


「無理して恩返しする必要はないぞ?」


恩着せがましい感じになってしまったかもしれん、と思ってそう言うが、相原さんは納得しない表情だ。


「私が恩を返したくてしている事なのでいいのです。それにこれも何かの縁でしょうし、仲良くしたいです。ダメですか?」


ダメではないけど…女の子と連絡先を交換するなんて機会がそもそもあまりない。

俺のL○NEには柊から来る謎の暗号と、家族との連絡しかないのだ。相原さんからの申し出に変に緊張してしまうこともあって、戸惑っていた。

「俺はあまりL○INしないけど…それで良ければ。」

そう言って自分の端末で相原のQRコードを読み取る。

すると、"saku" から友達申請を承諾する。と言う文字が出てきた。

寂しかったL○INに新しい仲間が増えたようで少しスマホの重量が重くなった気がした。(そんなわけは無い)


「ありがとうございます。あ、で本題ですね。私、バイト?というか、働き口が見つかったんですよ。なので近いうちにお金返せます。」


なるほど?と思うが話が見えてこない。


「それは良かったな。まあお金はあげたつもりなんだが、返ってくるならその方が健全な関係だな。」


ですがここで問題です、と相原さんは口を開く。


「この学校、進学校ってこともあって校則は結構緩いじゃないですか。ですがバイトに関してだけは厳しいらしくて…。」


何となく言いたいことは分かった。

お金を返せるし、自分の生活は自分で出来るようになったから、心配は不要ってことを言いたいのだろう。そしてそのバイトのことは黙っておいて欲しいってことか。


「それについては安心してくれ。バイトについて先生に言うことはないし、友達も居ないから口外することはありえない。」


そもそも助けた相手を窮地にやるようなことに意味があるとは思えないが。


「本当にありがとうございます。お願いしといて何ですけど口外しない理由が悲しすぎますよ…。今日はそれだけです。わざわざすみません。」


相手のことを思えるいい子なのだろう。高校生入学当初にこんなことされていたら十中八九惚れていただろうが、歴戦を生き抜いてきた俺はそんな勘違いはしない。


「うん、ありがとうな。俺はこの後図書室寄ってくから鍵は閉めといてほしい。」


了解でーすと返事がくるが相原は掃除した教室でご飯を食べるらしい。


掃除の甲斐があってよかったな教室よ。


そう思いながら教室を後にする。


ホコリが払われた教室に靡くカーテン。そこでご飯を広げる少女の姿は言い様もなく可憐だった。

読んで頂きありがとうございます!

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