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蜃気楼  作者: ゆーやん
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アニマル王国

「わー!可愛い!」


そう言って透明な箱に入ってるペットを見た。

ペットの名前は何だろうとみるとルイと書かれてあった。


「ねー、お父さん!このルイって子欲しいんだけど。」

「うーん、60万か…もう少しいろんな所を見てからでいいか?花。」

「えー、でも花この子がいいんだけど!」

「もっといいペットが見つかるかもしれないよ。」

「そうなの?この子よりいい子いないか探してくる!」


そう言ってブタの親子は過ぎ去っていった。

透明な箱に入っているのは人間のペットだった。

この世界では人間はペットらしい。

しかし、去勢手術は行われない。ペットは優秀で性行為を行わないように指導をすれば済むからだ。

一方で欲求はとても盛んなため、たまに透明な箱の床が白く汚れていることがある。

この状態の時に限ってオスもメスも頬を赤らめたり、息が上がったりしている。しかし、ペット専門の医師からは問題ないとされている。

一体彼らは何をしているのか分からない。


そう思いながらペットショップを営んでいるのは虎の冬馬(とうま)だ。

ペットショップ経営はとても大変で、逃げ出そうとするペットを捕まえたり、成人を迎えた大型ペットは重いから肉体労働も避けられない。というわけで肉食動物が経営していることがほとんどだ。


ただペットというものは大変なものだ。

子孫を残すために最低でも18年は時間をおかなければならない。また、好き嫌いも明確で、特にオスは好きなメス出ないと性行為がしにくいと来た。そのため、性教育としてオスにはどんなメスでも出来るような薬を飲ませたり、メスには子供が出来やすい周期をしっかりと記録したりとやることが多い。


俺たちの中には子供を産ませる時期を調整できる奴やまだ内蔵等生命として未熟な状態で卵として産む奴もいる。しかし、ペットはいくらやっても子供を産めない奴や、そもそも子供を産める状態ではないことも稀にあり、世話をする俺たちは手を焼いていた。


しかし、このペットたちはものすごく賢い。逃げ方が上手く、国境付近すぎると見失ってしまう。

そのため、年間10万匹ほど失踪している。しかし、そう言った事件が増え始めて10年経つが、戻ってきた例は一度たりともなく、ほとんどのペットが死んだことになってる。


ある時国境付近が騒がしくなった。

何事かと見ると、そこには巨大なカバや羽ばたかずに空を飛んでいる鳥、豹よりも早いワニがずらりと並んでいた。そして、あっという間に俺たちの国は支配されてしまった。

そうペットだと思っていた人間たちにだ。

地球を支配していた私たち動物はいつの間にか人間によって管理されるようになった。

そして、今では人間がこの地球の頂点に立っている。


しかし、私たち動物は狙っている。

いつの日か人間が自爆し、動物たちが再び地球を支配できる日を。

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