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革命ノ  作者: らろぱ
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2

「彩…!!」

彩はその場で倒れた。

駆け寄ろうとしたが腰が抜けて上手く立てない。

「俺が今…助けるから…」


すると男は俺のもとに来て刀を振り下ろした。


「困るんだよ…死ぬ前に良い思いでなんて作られたら…」


男は俺の足首を切った。

傷は深く血が止まらない。


「痛てぇ…」

こんな体験は初めてだ。

時代劇とかで切られて倒れる役は何度かやったことがあるが…本当はこんなに痛いのか…


意識がだんだん遠退いていく。


「あー…こんなところで最後を迎えるんだったら、時代劇の主役やりたかったなぁ…

何でこうも人生は上手く行かないのかねぇ…」


(お前は本当に強いやつだな!良く耐えた!)


なぜか刀を持った体格の良い男の姿とその台詞が聞こえてきた。


「なんだこの走馬灯…最後くらい良い夢見させてくれよ…」



「俺が手をくだすまでもなかったか…」


男は刀についた血を振り落としその場から去ろうとした。


「待てよ…!」

俺は必死の思いで立ち上がった。

自分でもなぜ立ち上がったのかはわからない。

男と戦っても勝率はない。

なのに本能が奴を足止めしろと言っている。


「殺すなら…もっと派手に殺しやがれー!」

男は躊躇う様子もなく刀をつきだし突っ込んできた。

「わかった、望み通り殺してやるよ!」


すると俺の後ろから夢で見た男が止めに来た。


「お前は本当に強いやつだな!良く耐えた!」


「…お前は味方…なのか?」

死にそうになりながら必死で口を動かした。


「あぁ!俺の名前は二郎!鍛冶屋の柳四郎の息子だ!」


二郎は男と組み合うとあっという間に男の刀を破壊し男を切った。


「天誅!!」

そして男の仲間達が一斉に切りかかったが誰一人二郎に傷をつけることが出来ずに二郎に始末された。


「二郎さん…やりすぎじゃないか…?」

後ろから声が聞こえた。

そして彩を殺した男が殺されたことで内心ほっとしてなんとか立っていた精神力も底をつき俺は倒れた。


「おー!龍!助けに来てくれたのか!とりあえず彼を頼む!」


二郎の声が微かに聞こえた。

俺は死ぬのだろうか…



目を覚ますと二郎ともう一人俺よりも若い少年が座っていた。


「…夢じゃなかったのか」

起き上がりふと彩のことを思い出すとあり得ない程の虚無感と悲しさが溢れ出した。


「泣くな…」

二郎に肩を叩かれた。

すると二郎の隣に座っていた男が二郎に耳打ちをした。


「大丈夫、彼女は死んでないぞ」


「え?」


また男が二郎に耳打ちをした。


「だが、今は仮死状態にあるらしい」


「仮死状態なら…!すぐに処置をしてくれれば彩は…」


そういいかけると二郎の隣に座っている男が言った。


「処置が…出来ないんです」


「…どうして…?」


二郎の隣に座っている男は「長い話しになる」と言い話し始めた。


「まず…彩さんはあの男に切り殺されました。ですが太古から伝わる薬でなんとか死ぬことは免れました。ですが…あの男が持っていたのは赤の軍の刀。

赤の軍の持つ刀は殺傷能力が高く人を簡単に殺すことができます、その刀で彩さんは切られたんです…」


訳がわからなかった。

赤の軍?そんなの聞いたこともなかった。

俺が困惑していると二郎が説明してくれた。

「その反応…お前…異国の者だな?」


俺は冷や汗をかいた。

またあの男のように俺は…殺され…


「そうびくびくするな!大丈夫俺はお前を殺さないよ」

そう言われると少し安心した。


「昔は王様が治める1つの国だったんだ。それが隣の国に攻められた。そして、王様の采配のミスで、国は負けたんだ。その後3人の将軍のおかげでなんとか国が滅ぶことは免れたんだ。その後、王様は責任をとらされ処刑された。

そして、誰が王様になるかでその3将軍が揉めて、分裂して赤の軍、青の軍、黄の軍に別れたんだ。そして、長い間3国で戦争した。

あの戦争はひどいもので…何万もの人が死んだ。

これもすべて隣の国が攻めて来なければ…

こんな戦争にはならなかったし3国にも別れることはなく、平和な日々が続いたはず…

そのせいで異国の者をこの3国は許さないんだ。」


戦争…昔の日本と似ている。

かつての日本は世界の各国と戦争した。

そして、負けて今の平和が訪れた。

3国も…どこかに負ければ…平和が訪れる…のかもな



二郎の隣にいた男が間髪いれずに話し始めた。

「この国は赤の軍の国です、なので異国の者であるあなたと、彩さんはあの男に問答無用で切られたんです」


「そうだったのか…」


「あのー…今頃なんですが…」

二郎の隣に座っていた男がもじもじしだした。


「お名前…お聞かせてもらっても良いですか?異国の者と思われないようにこの国で生活するには一応の名前が必要ですから…」


「平だ」

二郎は頷いた。

「たいらか!良い名前だ!そして、こいつの名前は…」


「龍です」


俺が意識を失う前に聞いた名前だった。


「龍さん!彩を治すにはどうすれば…」


龍は悩んだ。


「赤の軍は殺傷能力が高い、

青の軍はそれを防ぐほどの防御力が高い…

だから、青の軍が持っている薬を使えばなんとかなりそうですね…」


青の軍…これから日本にいた頃とは比べ物にならないぐらいの生活をするのだろう…






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