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革命ノ  作者: らろぱ
1/5

一話

「生きてるだけで丸儲け…」

俺は有名人が著者の本を読んでいた。

今の仕事から俺がオスカーを受賞するまでの栄光の自伝でも書こうかと妄想にふけていた。


「何が生きてるだけで丸儲けよ!ったく!これでなん回目!?あなたは怪我をすることが仕事なんですか!?」


すると擦りむいた足を叩かれた。


「痛てぇなぁー!俺だってもっと有名な脚本家が書いた時代劇とかで主役とかになりてぇよ!」


俺はマネージャーの彩に抗議した。

彩とは幼稚園からの付き合いだった。

俺が高校時代に芸能界に入りたいと言う旨を伝えると

「私がプロデューサーになってあなたをドラマに出してあげる、だって平以上に平知ってるのって私ぐらいでしょ?」


しかし、プロデューサーの道は厳しく、結局事務所のマネージャーとして俺と一緒に棘のみちを歩いている。


「とりあえず…怪我はもう少しで治りそうね

はぁー、時代劇とかの主役のオファーはいつくるのかねぇー」


そんなことを言われても、オファーがすぐには来ないことは自分自身でもわかっている。

だって俺には演技の才能がないのだ。


俺は昔から人並み以上の運動神経があった。しかし勉強とか文化系のことは何一つ出来なかった。

だが、

器械運動はお手のもの、球技に至ってはいつもMVPなみのことができたし、体育の時だけは俺の唯一無二の独壇場だった。


その独壇場が気持ちよかった。

それが開場していたのは中学の時までだった。

高校に入ると勉強ができるやつがモテた。

体育ができてもそれだけだった。

話がうまくないと、明るくないと、勉強ができないと友達はできなかった。


俺はそんな現実が嫌いだった。

だけど、現実が変わることは不可能。だから自分が変わらないと、ここではイキて行けないと思った。


そこで文化系の王道、美術部にはいろうとしたが前も言った通り、運動しか取り柄のないおれは、動く文化部を求めた。

なので、舞台で動き回る演劇部に入った。

入った理由が自分には運動しか取り柄のないと言うと少し恥ずかしかったので、役者を目指したいと言う理由で入った。


その後演劇部に入り発声法やら舞台の立ち方を教えてもらい、なんとか初舞台を踏んだ。俺が

舞台上でバク転やらバク中やらすると拍手喝采が起こった。

これを勘違いして、おれはすごい役者だったのかと自画自賛した。

初舞台を踏んでそのまま調子にのっていた俺は芸能事務所のオーディションで演技をして、ボロクソに言われて、結局今の仕事のスタントマンという、役者になるという夢との差が結構開いてしまったが…。


でも今の仕事にはなんの不満もない。

俺の唯一無二の取り柄の運動神経を活かせるのだから。


「まぁ、俺は日本一とも言っても過言ではない運動神経の使い手だからな、こんな怪我どうってことねぇのさ」


そしてソファから立ち上がろうとすると足にとんでもない痛みが走った。


「痛!」

腰がすくんでそのまますわりこんでしまった。


「あー、足やっちゃったか…とりあえず…病院行こうか…」


そして俺は彩につれられ、病院に行くと異常無しと言われた。


「さっきの痛みはなんだったんだ…?」

俺が不安そうにしていると彩は俺に缶コーヒーを差し出した。


「まぁ、最近不吉なことが多いし…何かに祟られてるかもね…?」


「恐いこと言うなよ…」


彩は「そうだ!」と言うとおもむろにポケットからスマホを取り出した。


「何を調べてるんだ?」


彩は「ちょいまちー」と言いスマホに夢中になっていた。


「よし!今からパワースポット巡りしよっか!」


「は!?お前…仕事は!?」


「まぁ、検査に時間かかったっていえばそれでいいよねー」


自由かよ…


そして俺たちはパワースポット巡りをすることになった。


気づいたらもう夕方になっていた。


「…これで10か所目…」


「いくつ行くんだよ!」

そうツッコむと、彩は「運は多い方が平が役者になりやすくなるでしょー?」と言ってきた。


正論とは言いがたいが、俺のためにやってくれることなのでそれ以上の文句は言わなかった。


「ここが千年生きている大樹…」


「なんか…力強いな」

木にふれると少しだが何かオーラのようなものが感じられた。


「…?何この模様…」


彩が木に彫られたなぞの模様を見つけた。


「本当だ…なんだろうこれ…」

触れると突然目の前が見えなくなり、気づくと木の目の前にたっていた。


「…なんだ今の…?」


「平…」

彩がパニックになりながら話していた。


「どうした?」

「ここ日本じゃないかも…」


突然彩が変なことを言い出すものだから心配して周りを見るとそこは俺がみたこともない景色が広がっていた。


「どこなんだ…ここ…」


すると一人の男が答えた。

「ここは黄色の王国、お前ら…異国の者たちだな?」


「そうなんですよ!道に迷ってて…」


すると男は笑顔で「そうかそうか」と言うと剣を向けた。


「か…刀!?」

彩と逃げようとしたがすぐに仲間を呼ばれ包囲された。


「結構ヤバイ状況だな…」


俺は両手を上げ「降参だ」と言った。


すると男は仲間の一人に俺の持ち物検査をさせた。

その隙に男から剣を奪い取り人質にとった。


「おいおい!俺たちを逃さないとこの人が死ぬことになるぞ!」

やばい、足が震える。こんな状況なんてはじめてだ。何とかして彩だけでも助けないと…


すると男は笑った。

「兵から剣を奪ったからなかなかできるやつだと思ったが…ただの見かけ倒しか、お前足が震えてるもんなぁー!」


それにつられて男の仲間たちも笑った。


「くそ…」


舌打ちをした。


すると、男の仲間の1人が彩に手を出した。

「ボス!この女なかなか上物ですぜ!」


「やめて!離して!」

彩は必死に抵抗した。


「おい!その手を離せ!こいつがどうなってもいいのか!?」


すると男は「いいぞ、そんな人に剣を奪われる雑魚のせいでお前らを逃がすのは勿体無いからなぁ」


俺はいてもたってもいられず人質の男を蹴り飛ばし彩を襲った男を剣で殺した。

剣の刃先が人の肉体に入るとそのままの勢いで切り裂ける。


俺は足が震え、腰が抜けた。

「俺…が…人を…殺した……」


彩はショックで立ち尽くしていた。

目の前で人が死んだのだ。

それも幼馴染みが殺した。


「あぁー死んじゃったぁ…」

すると男はオレが蹴飛ばした人質のもとに行った。


「お前が剣を奪われなきゃなぁ、死ななかったのに…」


そして見えない速度で人質を切り裂いた。


「…死んで詫びろ」


そしてそのまま腰が抜けた俺のもとへやってきてこういった。


「二人ともお前が剣を奪ったせいで死んだんだ、お前から何か奪わないと死んだものたちに失礼だろう…?」


そしてそのまま男は彩を殺した。


「彩!!!」


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