ep.0 winner
――。遠くからの狙撃音。
浅い眠りから覚めた俺は銃声の着弾音がすぐ近くの木々や地面からするのに気付いた。
ラストチーム5人組の【ザ・ピンクズ】はゲームランク10位に入る腕を持っている、が俺の敵ではない。
牽制のために撃っているのだろうが、俺の考えまで読めてはいない。
俺は市街戦に持ち込むためスモークをたき魔法≫クイックリーを発動させる。
…なにやら静かになった。何かがおかしい。
――。すぐ隣に何かが飛んでくる音がした。
とっさに伏せてバックに身を隠し飛んできたものを確認する。
注射器、ということは毒殺を考えているのか
そういえば相手から2つしか銃声がしなかった、つまりは、俺の動きを読む読まないではなく、動かないように牽制していたのか。
でもまだ甘い。
普通、魔法の重ね掛けなど激しいMPの消費、効果の取り消し、等のリスクがあるためやらないことが多い、だが俺は、最弱と呼ばれているアクティブスキル≫レイウドを発動し、重ね掛けでもう一つの魔法≫シャドーの発動をする。
*
…だめだ、マップに映らなくなった。
ユキとミミ、レインが裏撮りに成功したけど、敵がマップに映らなくなった。
「くそッ…逃した。」
ユキがひとこと呆れを漏らす
僕はすぐさま次の作戦を考え、伝える。
「ユキのほうに行ったと思う。コラプスの時間的にもね」
そう私が言うと、ミミが付け足すように言った。
「そしたら、私が抑えるから、遠距離からマイとパインが狙って」
少し間が空き、チーム全員で言った。
「了解!」
*
…おかしい
ユキとの会話から、数分がたったが、連絡がない。
でも、キルログは流れないし、右下のHPを見ても減っている様子はない。
足音?北方向から足音がする。
「パイン!北の建物から足音がする!」
返事がない。しかし、右下では生きている判定だ。
…判定になっているだけで、生きているかどうかわからない。
「そう。わからないはずだよ。」
「…やっぱり、あなただったか。」
現時点FPS最強プレイヤー、キルレ10越え、一試合最高キル数63、現ランク1位
名。「名前を入力してください。」
MP・HPともに不明、リアルネーム不明、年齢不明
やっぱり、この大会に出ていたのか。
「なぜこの大会に出ている。あなたにとってこの大会は下の下のはず」
そう言うと彼はにやりと笑って、
「そりゃ、楽しいからだよ。出る大会に意味なんてあるわけないだろ。」
…なるほど、そういうことか。
この人は、何がしたいとかではなく、ただゲームを楽しんでいるのか。
…これは負けるよ。
*
システムメッセージ:報告「winner【名前を入力してください。】」
「これは驚きましたね。ラストはあの最弱といわれている。アクティブスキル≫レイウドで勝利を収めましたか。」
*
――荒い息を整える。
「…プッハッ」
VRゴーグルを外し現実世界に帰ってきた俺はゲームでの戦績を見る。
「…23kill、1位か…悪くないけど、まだまだだな……」
今回の優勝賞品は、ゲーム内の課金通貨と本大会の優秀でしか手に入らない武器スキン≫ウィナーズ・シリーズのDMR【ドラグノフ狙撃銃】のスキンのゲットだ。
「リアルでは、こんな成績収めたことないな…」
現実世界では15歳から学校に行かなくなったやつなのに
伊野裙です。
戦闘者を作りたくて新シリーズを描き始めています!
別に書くことはありませんので楽しんで呼んでください!
好評であれば続きます!
ここまでご覧いただきありがとうございました。
※この小説は、フィクションであり、実際の人物、モノとは一切関係ありません。