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たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第2章 私リリア!学園に通うの。
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誰に似てる?

「昨日はリナリアもチョコレートを作ったの?」

領地に戻る馬車の中、リオンが興味津々に聞いてきた。

男子禁制で締め出されていたリオンは中の様子を知らなかったようだ。


「ん?作ってないよ?目の前で見学してただけだよ。」

「えー?…え?」

何故に二度も疑問形で問うのか…まあ、その不思議そうな顔も可愛いから許す。


「ただ、見ていただけだよ?」

そのままの事実を告げれば、更に不思議そうに首を傾げていた。

むしろチョコレートを作ってたと言われた方が不思議に思わないのだろうか?


「…大人しく見てたの?邪魔とかされなかった?」

「うん。吃驚するくらい大人しかったけど…そもそもリナリアってそんなに騒がないよね?」

昨日の事を思い出しながら、ふと浮かんだ疑問をリオンに聞いてみる。

リオンは腕を組んで暫く黙って考え込んでいた。


「確かに…前よりは大人しいし、煩いとは思わないかな?」

コテンと首を傾げながらリオンも私と同じように思ったみたいだ。


そもそも領地に居た私達は家族の事に疎いと思う。

祖父母とリオン、そしてアレスとはいっぱい話をするし遊ぶ事も多い。

たまにお兄様も領地に来るけど、私が知る限りリナリアは一度も領地には来ていない。


「目の前で真剣に見てるリナリアは、少しだけリオンに似てたんだよ。」

チョコレート作りを一生懸命見ているところとか、味見した時の顔とか…仕草とかが似ててなんかホッコリしたんだよね。

…私もちゃんと家族と似てるのかな?

自分じゃ分からないからな…。


「えー?リナリアはお母様やリリアに似てると思ってた。」

リオンは何故か嬉しそうにニコニコしながら、私と似てると話し出す。


「走る時とかそっくりだよね!」

「そこっ!?」

思ってたのとだいぶ違う角度の答えに思わず大きな声が出て、マリーがニッコリと口元に人差し指を当てていた。

うううっ…すみません。


「行動的なところは似てると思うよ?」

顔とか仕草とかじゃ無いんだ…と、ちょっとだけガッカリする。


「じゃあ、顔や仕草はリオンに似てて…行動は私に似てるのかな?」

「うん、そんな感じがするよね!」

そんな思いっきり頷かないでよ…。

いや、別に行動的なのも猪突猛進なのも認めるけどさ。


リナリアの事を思い浮かべながら…約束を思い出す。

「王都に戻ったら、もう少しリナリアと話してみようかな…お茶する約束もしたし…。」

「え?そうなの?僕も一緒でも良い?」

何故かお茶をすると言えば、リオンは嬉しそうに目をキラキラとさせている。

…私専用のチョコレートが減ってしまうが…リナリアと二人で何を話したら良いのか悩むよりは良いか。

暫しの葛藤の後…私は「お願いします。」とリオンに告げれば、リオンは不思議そうに頷いた。




「「お祖父様、お祖母様、アレス!ただいまー。」」

領地のお邸に着けば、皆んながお出迎えしてくれた。

まだ一週間しか経っていないのに、少しだけ懐かしい感じがするから不思議だ。


「「「お帰りなさい。」」」

祖父母もアレスも嬉しそうにぎゅぅっとハグをしてくれた。

まだまだ幼い私達よりも大きな体に抱きしめられれば、どこか安心できて心地良い。

いつか…こんな腕を私も持ちたいな。


「着替えたらお昼ご飯にしようか。」

「「はい。」」

午前のうちに王都を出たのでお昼を少しだけ過ぎてしまったが、私達を待っていてくれたようだ。

お邸の私室へ行けば、マリーが支度を整えてくれる。

チョコレートを渡すのは今夜なので、マリーには使用人達に渡す分をお願いした。


「私達にもご用意して頂き嬉しいです。ありがとうございます、リリア様。」

髪を結い直してもらいながら話していれば、手を止め深々と頭を下げられてしまった。

いつもお世話になっているからと伝えれば、マリーは更に笑みを深めて「楽しみです。」と言ってくれる。

私の方がむしろ…ありがとうって気持ちでいっぱいになってしまった。


着替えたドレスはとても着心地が良くて…そして新しい物だった事に少し驚く。

…元は庶民なので、この感覚は仕方ないと思う。


常に新しくなるドレスは公爵家の身分を考えれば当たり前の事で、逆に同じ物を着て社交の場に出れば下に見られてしまう。

デザインも最新の物や人気の物で無ければいけないし、作り手も有名でなければならない。

そう…公爵家の令嬢は憧れの存在にならなければいけないのだ。


仕草も身なりも、学力も伴わなければいけないとは…何とも遣り甲斐がありますね!

完璧を目指すのは好きだから、私的には問題ない。

むしろ、楽しいくらいだけど…中には嫌々って人もいるんだろうな。


そんな話をダイニングルームに向かう途中でリオンにすれば、リオンも全く気にして無かった。

「僕もどちらかと言えば燃える方だと思うよ?」

なんて言われて、次も負けないからねと宣言された。

私は一体…リオンと何を競っているのだろうか?


ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます。


トラブルがあり、慌てて書き直したので誤字や変なところがあったらすみません。

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