表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たぶん...悪役令嬢だと思います  作者: 神楽 紫苑
第2章 私リリア!学園に通うの。
94/318

チョコレート菓子と懐かしい思い出

ラッピング材を買った翌日…私は再びお店に走った。

いや、走ったのは馬車であって私ではないのだけど…。

よく考えたら、本邸と別邸の使用人にも何か作った方が良いのかなって思って…。

お世話になってるし、場所も道具も提供してもらっているしね。

あと、自分も食べたいし…?

そんな訳で、領地に帰る二日前の今日は使用人に配るお菓子作りです。

勿論、男子禁制にしてます。

と言ってもお兄様とリオンだけだけど。

去年はエライ目に遭いましたので…今年こそは、コッソリと。


学校帰りで時間が取れなくても良いように簡単なやつにする。

使用人の数は…ザッと五十人くらいかな?

パウンドケーキ型で…15本くらいあればいけるかな?

一人2切れで、1本で8切れは取れるかな?

余裕を見て多めに焼こう!


ちょっと厨房の邪魔になるけど…と思ってハイムさんに謝れば首を振って「大丈夫です。」と言ってくれた。

気を使わせてしまって申し訳ない。

さっさと終わらせてしまおう!


まずは下準備から…バターは常温にして、小麦粉とベーキングパウダーとココアパウダーはふるいにかけておく。

このしっとりとサラサラな粉類が気持ち良くて好きだ。

パウンド型にはバターを少し塗っておく。

前世ではクッキングシートを敷いていたが、無いのでくっ付かないようにバターにした。

オーブンも温めておこう!


柔らかくなったバターと砂糖をクリーム状になるまで混ぜて、ほぐした卵も入れて混ぜて…。

粉類を入れて木べらでさっくりと。

ここに砕いたクルミも入れると、食べた時に食感が良くなるんだよね。

生地を型に流し入れたら、チョコレートの塊を包丁で砕いて乗せる。

焼くのに時間がかかるが、それまでの工程が楽な方が良いと思ってのパウンドケーキだ。

一度に5本ずつ、三回繰り返せば15本ものパウンドケーキが出来上がった。

何が凄いって…並べた時の多さ!

どこのパティシエだよってツッコミそうになる。


「葵は料理だけは上手いよな!」

前世の兄貴に言われた言葉が頭を過ぎる。

バレンタインが近づくと色んなチョコレート菓子を作ったっけ…。

その都度、兄貴がコッソリ味見してたな。


「母ちゃん!俺に孫は期待するなよ?」

最後に会った時に、両親が私達に結婚はまだなの?と言った時の兄貴の言葉。

もう…兄貴にしか期待できないじゃんね…。


………やばい、涙腺が!

こういう時は深呼吸だ!


厨房の片隅…パウンドケーキを切り分けながら、もう会えない兄貴を思い出し…歯を食いしばる私がいた。


ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます。


ずっとセシルさんをセリアさんにしてました。

よく行く百均のせいです。

ご指摘頂いた方、ありがとうございました。

多分…全て変更出来たかと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ