我が家の秘密
「我が公爵領地は古より“神に愛されし者“が治めてきた。」
お祖父様はアレスに領地の事、そして我が公爵家の秘密を話し始めた。
“神に愛されし者“が持つ神からの加護の力、そして…それは今後も受け継がれていくという話を…
アレスはお祖父様の話を真剣に聞いているようだった。
だが…本当に話してしまって良かったのだろうか?
それに、どうして細部まで隠さず話すのだろう…と思っているとお祖父様が私の方を見る。
「最後に、リリアについてだ。リリアには“前世の記憶“というものがある。」
お祖父様の言葉に私は目を見開いて驚いてしまう。
あっさり話した!すごいサラッと話したよ!?
私がアワアワとしていると再びお祖父様が私を見る。
「これで、リリアは気にせずに過ごせるだろう?」
お祖父様は嬉しそうに微笑むが私はそれどころではなかった。
大丈夫なの!?って気持ちでお祖母様を見るが何故か微笑んでいる。
更にリオンを見ると、リオンも私と同じでアワアワしていた。
あ…良かった、私だけじゃなかった。
「有難いのですが…大丈夫なのでしょうか?」
「うむ、問題ない。」
いや、問題ないわけないだろう?
思わず声に出そうになって飲み込んだが、どう問題ないのだろうか?
「我が公爵家に関する事を外部に漏らさない為に、アレスには聖女殿に誓約の魔法をかけてもらった。」
誓約の魔法…なるほど、それならば大丈夫なのだろう。
誓約って…破ったらどうなるんだろうか?
…ちょっと怖いな。
ブルっと体を震わせると、隣でリオンもブルっとしていた。
今日もシンクロ率が高いようだ。
「我が家は色々とあるが、基本的には皆が仲良く過ごしておる。アレスも家族の一員だ、楽しく過ごせるように協力しようではないか!」
「「はいっ!」」
アレスに笑顔を向けると戸惑ったようにキョロキョロし…顔が少しだけ赤らんだ。
「よろしくお願いします。」
「うむ、頼まれたぞ。」
お祖父様は嬉しそうにアレスの頭をワシャワシャと撫でた。
気持ち良さそうな毛並みをしている…私も触ってみたい。
ウズウズとしているとリオンに肩を小突かれた。
『リリアは…アレスが好き?』
リオンを見れば困った顔で私を見ている。
『リオンはアレスを好きじゃないの?』
不思議に思い首を傾げると。リオンは首を左右に振る。
『会ったばかりだけど、ボクはアレスと家族になるのは嬉しいよ。えっと…そういうんじゃなかったんだけど。』
『うん、私もアレスと家族になるの嬉しいよ!楽しく過ごせるようにしようね!』
良かった、リオンも好意的に思ってるみたい。
何より、お祖父様のおかげで私が自由に料理などが出来るのが嬉しい。
聖女様に頼まれたって言うのもあるけれど、私が食べたい物を食べられるっていう幸せが何よりも嬉しかった。
「そうそう!我が家は楽しいだけじゃないわよ?」
お祖母様が突然、アレスの方へと向く。
そして…公爵家の朝からの流れを説明し始めるとアレスの顔がどんどん驚きの顔に変わり、やがて青ざめていったのであった…。
最近、更新が遅くて申し訳ないです。
書いてはダメ出しを繰り返してますが、頑張って1日1回は更新できるように努めます。
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